卵子凍結について

卵子凍結保存にかかる7つの費用

卵子凍結のプロセスごとに費用面の負担があるのはご存知でしょうか?補助金の申請はできる?経済的な負担については、大変気になる事項かと思いますのでご紹介します。

卵子凍結保存は、プロセスごとの費用負担を考える必要がある

卵子凍結保存には、様々なプロセスがあります。このプロセスごとに費用の負担が生じますので、先ずは、どんなプロセスがあるのか簡単にご説明します。

まず、不妊治療クリニックでさまざまな検査を行ったのち、年齢や卵巣機能、体の負担や希望を考慮して、排卵誘発を行い採卵します。その後、耐凍剤濃度の高い溶液に卵子をひたし、マイナス196℃の超低温で凍結し、液体窒素タンクの中で保管します。さらに、不妊治療で使用する場合には、保管場所からクリニックまで移送し、使用することになります。

卵子凍結保存にかかる7つの費用

(1)検査費用として約10〜30万円

不妊治療クリニックなどでの初回の検査料(血液検査・ホルモン検査など)、排卵誘発剤などの処置費用、診察費用などです。

(2)採卵費用として約20万円

採卵する個数にかかわらず、この金額になります。更に、麻酔希望の場合は、局所麻酔2万、静脈麻酔5万が加算されます。

(3)凍結費用として約3~12万円

試験管1本あたり約3万円(試験管1本に3個まで凍結可)で、4~6個は6万円、7~9個は9万円、10~12個は12万円が目安です。

(4)保存費用として年間約5万円

年間5万円~/1ケーン(1ケーンで試験管5本=凍結卵子15個)あたりの金額です。

(5)出庫費用

保存施設からクリニックまでの移送について、専門業者による移送費用の実費(都内で3万円程度)がかかります。

(6)体外受精費用

不妊治療の場合、体外受精にかかる費用は約50万円/回と言われています。

(7)その他の費用

不妊治療クリニックによっては、初期費用が必要な場合があります。GraceBankの場合は、プランによって初期費用10万円がかかります。

卵子凍結保存の費用に補助金は出る?

卵子凍結の補助金が出るのは、がん治療の「妊孕性温存療法」の一部対象者に限られています。また、自治体からの不妊治療の補助金(「不妊に悩む方への特定治療支援事業」に基づく助成)を受けている場合は、補助金対象外となります。

がん治療などの目的以外(将来の妊娠確率アップや、不妊治療に備えて等)で卵子凍結をする場合は、補助金対象外です。

卵子凍結保存の費用は医療控除の対象になる?

不妊治療の体外受精のための卵子凍結費用は、医療費控除の対象になりますが、将来に備えた卵子凍結費用は、医療費控除の対象になりません。

東京都では卵子凍結の支援を検討

最新情報として、東京都の小池都知事が婦人治療支援事業の卵子凍結について、健康な人への対象拡大を「検討していく」と発言された下記のニュースをご紹介します。

2022年12月7日 18:51 小池都知事、健康な人の卵子凍結支援「対応を検討」: 日本経済新聞 (nikkei.com)

東京都の小池百合子知事は7日、都の不妊治療支援事業の卵子凍結について健康な人への対象拡大を「検討していく」と話した。小池氏は民間企業の福利厚生を例に挙げ、「健康な女性の間で将来の選択肢として関心が高まっている」と理由を述べた。同日の都議会本会議で都民ファーストの会の後藤奈美議員の代表質問に答弁した。卵子凍結はがん治療などに伴う妊孕(にんよう)性の低下に備えて実施する「医学的適応」と、健康な人が将来の妊娠のために実施する「社会的適応」によるものがある。

悩ましい卵子凍結保存の費用負担…少しでも抑えるための3つのポイント

なるべく若いうちに卵子凍結保存をする

卵子も実年齢に伴って老化し、卵子の量・質が低下すると、妊娠確率低下につながるといわれています。卵子が若く、妊孕性(※1)が高いと、一度の採卵で質の良い卵子が多くとれる確率が高くなります。そうなりますと、何度も採卵することは必要なくなり、結果として採卵費用が抑えられることができます。

※1 妊孕性(にんようせい)とは

妊孕性とは、女性であれば子宮や卵巣、卵子の能力があるか、排卵がきちんとされているか、卵管が通っているか、また男性であれば、精巣や精子の能力があるかどうか、勃起や射精ができているか、とも言いかえることが可能です。

支払いプランが選べるクリニックや卵子凍結保存バンクを選ぶ

自分の経済感覚に合ったプランを選択するのも良いかもしれません。年払い・月払い・ローン払いなど、ご不安のない形でのお支払い方法を選べれば安心ですね。

凍結・保管技術に実績と安心のあるクリニックや卵子凍結保存バンクを選ぶ

せっかく卵子凍結を行っても、きちんとした凍結保管システムがなければ万が一の時に対応し兼ねない場合もないとは言い切れないため、実績のある凍結・保管技術を有する会社を選択する事も大切かと思います。

Grace Bankでは、23年間無事故で、さい帯血の保管システムを運営してきた「ステムセル研究所」と提携しています。ステムセル研究所の細胞保管施設のあるジャーマンインダストリーパークは、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく指標において最も高いレベルの耐震性を有していて、厳重なセキュリティシステムと、独自のモニタリングシステムを採用しています。

さいごに

経済的な負担については、プロセスごとに生じてくるため、悩ましい問題であることは否定できません。しかしながら、将来においての妊娠の確率を高める効果的な方法として考えるならば、若く妊孕性の高いうちに卵子を凍結保存することは、経済的な価値以上のものとして、考える事ができるのかもしれません。

Grace Bankの専門医無料セミナー・個別相談会

Grace Bankでは専門医による無料セミナーや、カウンセラーによる個別相談会(いずれもオンライン)を実施しています。専門医による解説で知識と理解を深めたうえで、カウンセラーへの個別相談で個人的な疑問や不安を解消できます。

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▼この記事の監修は…

医師紹介:岡田 有香(おかだ ゆか)
産婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長
順天堂大学医学部卒/聖路加国際病院8年勤務 現在まで産科、婦人科全ての領域に携わる。不妊治療を行う中で、不妊予防に興味を持ち、自身のInstagram(@dr.yuka_okada)でも生理痛や不妊、妊活の知識を発信している。
資格:da Vinci certified First Assistant (ダビンチ認定資格取得術者) 、日本母体救命システム普及協議会J-CIMELSプロバイダー 所属学会:日本産婦人科学会、日本生殖医学会、日本女性医学会、日本産科婦人科内視鏡学会、NPO法人日本内膜症啓発会議
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