卵子凍結について

卵子凍結保存にかかる7つの費用|補助金は出る?少しでも費用を抑えるには?

卵子凍結保存には様々なプロセスがあります。卵子凍結保存はこのプロセスごとに費用の負担が生じます。今回は卵子凍結保存にどのようなプロセスがあるのか・費用はどれくらいかかるのか・少しでも卵子凍結保存の費用を抑える方法についてご紹介します。

卵子凍結保存とは?

卵子凍結とは、将来体外受精することを見据えて、未受精の卵子を凍結保存することです。若いときに卵子を残しておくことが、将来の妊娠の可能性を拡げる選択肢の一つとなります。

まず、不妊治療クリニックでさまざまな検査を行ったのち、年齢や卵巣機能、体の負担や希望を考慮して、排卵誘発を行い採卵します。その後、耐凍剤濃度の高い溶液に卵子をひたし、マイナス196℃の超低温で凍結し、液体窒素タンクの中で保管します。さらに、不妊治療で使用する場合には、保管場所からクリニックまで移送し、使用することになります。

参考)Grace Bank「卵子凍結の意義と可能性とは(動画)」

参考)公益社団法人 日本産婦人科学会 ノンメディカルな卵子凍結をお考えの方へ

卵子凍結できる卵子の種類と凍結卵子の融解率

卵子の状態は実際に採卵しないとわかりません。採卵した直後の卵子は以下の3つに分類され、このうち卵子凍結できるのは成熟卵子のみです。

成熟卵子35歳以下の場合、採取された卵子の90%程度が成熟卵と予想されます。
(個人差があり、未成熟卵も成熟卵と同様に多く取れてしまう方もいます。)
未成熟卵子採卵した卵子の10~15%程度が未成熟卵子です。
採卵後、数時間で成熟卵子になれば凍結保管が可能です。
変性卵子受精能のない変性した卵子です。変性卵子は凍結保管はできません。
採卵した卵子の5%以下ですが、38歳を越えると変性卵の割合が著明に増加します。

続いて、凍結卵子を使用した際の妊娠率を見てみましょう。

◆凍結卵子を融解した時の卵子生存の確率

  • 融解後の卵子生存の確率・・・80〜95%
  • その後、精子を注入した場合の受精率・・・60〜80%

◆未受精卵融解後に、卵子が生存、受精し、質が良好な受精卵が確保できた場合に、卵子10個あたりで妊娠できる確率

こちらは、採卵時の年齢により割合が異なります。

  • 30歳以下・・・80%程度
  • 31〜34歳・・・75%程度
  • 35〜37歳・・・53%程度
  • 38〜40歳・・・30%程度
  • 41歳以上・・・20%以下

卵子凍結によって保存した卵子を使って妊娠・出産するためには、卵子と精子とを身体の外で受精する体外受精が必須となります。凍結した卵子は融解の過程で5~20%の割合で破損することもあります。また、融解後、精子と受精すると受精卵(胚)になりますが、その受精卵が良好胚に発育するとは限りません。良好胚が子宮に着床してはじめて「妊娠」となります。

卵子の生存率とその後の着床率を考えると、なるべく若い年齢で卵子凍結を行い、10個以上~できれば20個以上の未受精卵を凍結保存しておくことが望ましいということがわかります。

※参考:https://grace-sugiyama.jp/about_freezing

卵子凍結の年齢制限

卵子凍結保存には年齢制限が設けられています。例えば、日本最大級の凍結卵子保存バンクであるGrace Bankでは、原則として採卵をするご年齢を満40歳の誕生日までとしています。それ以上のご年齢でご希望されてる場合、専門医の判断の上で実施できることもありますので、Grace Bankの提携クリックへ直接お問い合わせください。

また、Grace Bankでは、凍結卵子の保管は、原則として満50歳の誕生日までとしています。ただし、ご本人のご意向を確認しそれ以上の保管を希望される場合はご相談ください。(実際に融解して使用する際には、母体の安全を考慮した上で専門医が実施の可否を判断しますので、あらかじめご了承ください。)融解して使用する際には、母体の安全を考慮した上で専門医が実施の可否を判断しますので、直接クリックへ受診をお願いいたします。

凍結卵子の保存は、1年毎に更新を行っているクリニックが多いです。Grace Bankも1年ごとの更新です。なお、保管を終了するには、更新料支払いの2ヶ月前までに手続きが必要です。

卵子凍結保存にかかる7つの費用

・採卵・凍結費用

準備(初回検査、ホルモン検査、排卵誘発剤など)約15万円
クリニック毎に異なり7〜12万が目安となります
採卵約20万円(個数にかかわらず)
※麻酔希望の場合は、局所麻酔2万、静脈麻酔5万が加算
凍結1本あたり約3万円(1本に3個まで凍結可)
4~6個は6万円、7~9個は9万円、10~12個は12万円が目安となります

・保管費用

保管費用年間35,000円~/1ケーン(15個まで)あたり
出庫費用保管施設からクリニックまでの移送について、専門業者による移送費用の実費(都内で3万円程度)
体外受精費用不妊治療の場合、体外受精にかかる費用は約50万円/回と言われています
その他の費用不妊治療クリニックによっては、初期費用が必要な場合があります
Grace Bankの場合は、凍結卵子保管の初期費用は税込55,000円です

卵子凍結保存の費用に補助金は出る?

卵子凍結の補助金が出るのは、がん治療の「妊孕性温存療法」の一部対象者に限られています。また、自治体からの不妊治療の補助金(「不妊に悩む方への特定治療支援事業」に基づく助成)を受けている場合は、補助金対象外となります。

がん治療などの目的以外(将来の妊娠確率アップや、不妊治療に備えて等)で卵子凍結をする場合は、補助金対象外です。

東京都は卵子凍結に最大30万円の支援を開始|2024年度も継続

東京都 「卵子凍結に係る費用助成」が2024年度も継続が決定。東京都に住む18歳から39歳までの女性に対し、卵子凍結に係る費用の助成額は合計で30万円(最大)、凍結卵子を使用した生殖補助医療の助成額は、凍結卵子を融解し受精を行った場合に1回につき上限25万円(最大6回まで)支払われます。

卵子凍結保存の費用は医療控除の対象になる?

不妊治療の体外受精のための卵子凍結費用は、医療費控除の対象になりますが、将来に備えた卵子凍結費用は、医療費控除の対象になりません。

卵子凍結を福利厚生制度に採用する企業が増えている

アメリカでは大手企業19%が「卵子凍結」を福利厚生にとりいれています。2014年のFacebook(現:Meta)での導入を皮切りに、卵子凍結費用の福利厚生としての補助制度の普及が進み、2020年には社員数2万人以上の企業の19%が導入しています。

また、日本受精着床学会のアンケート調査によると、将来に妊娠・出産をする可能性を考えて卵子凍結(社会的卵子凍結)を行った数は、2021年に全国で1,398件。同アンケートでは、がん治療や不妊治療のために行う医学的卵子凍結回数より、将来に備えて行う社会的卵子凍結回数の方が多いこともわかったとのことです。このことより、日本で「卵子凍結」の件数は増加していることがわかりますし、先ほどの東京都の動向なども踏まえますと、今後もますます普及する兆しを感じます。

データ出典:日本受精着床学会「日本受精着床学会会員の皆様へ(卵子凍結に関するアンケート調査に関しまして)」

ここで、グレイスバンクを利用し「卵子凍結」を福利厚生制度として導入した企業様の事例を紹介します。

その他、グレイスバンクではベネフィット・ワンやリロクラブの会員様向けのご優待がございます。

悩ましい卵子凍結保存の費用負担…少しでも抑えるための3つのポイント

なるべく若いうちに卵子凍結保存をする

卵子も実年齢に伴って老化し、卵子の量・質が低下すると、妊娠確率低下につながるといわれています。卵子が若く、妊孕性(※1)が高いと、一度の採卵で質の良い卵子が多くとれる確率が高くなります。そうなりますと、何度も採卵することは必要なくなり、結果として採卵費用が抑えられることができます。

※1 妊孕性(にんようせい)とは、女性であれば子宮や卵巣、卵子の能力があるか、排卵がきちんとされているか、卵管が通っているか、また男性であれば、精巣や精子の能力があるかどうか、勃起や射精ができているか、とも言いかえることが可能です。

支払いプランが選べるクリニックや卵子凍結保存バンクを選ぶ

自分の経済感覚に合ったプランを選択するのも良いかもしれません。年払い・月払い・ローン払いなど、ご不安のない形でのお支払い方法を選べれば安心ですね。

グレイス杉山クリニックSHIBUYAの卵子凍結 パッケージプラン

渋谷駅から徒歩4分、宮下公園向かいのcocotiビル5階にあるグレイス杉山クリニックSHIBUYAでは、各種検査、排卵誘発剤、局部麻酔、採卵・凍結費用を含む未受精卵凍結(卵子凍結)について、凍結する卵子の数に関わらず、一律38万円(税込価格41万8千円、初回採卵時)のパッケージ料金で提供しています。

さらには、2023年12月1日より凍結個数に応じた返金プランがスタートし、採卵終了後、凍結個数が5個以下だった場合には、採卵日に5万円の返金があります。

料金はこちら⇒https://grace-sugiyama.jp/price

※凍結する卵子の数で金額変更はありません。
※ 初回の採卵費用。2回目以降の採卵料金は、卵子5個以下の凍結で25万円(税込27万5千円)、6個以上で30万円(税込33万円)
※ 採卵時に全身麻酔を行う場合は、別途5万円(税込5万5千円)

Grace Bankの卵子凍結保管プランについて

保管の費用も各クリニックによって異なりますが、Grace Bankでは、液体窒素の自動供給システムと24時間の温度センサーによるモニタリングと監視システムを備えた大型タンクに一括保管することにより、高品位の保管体制とコストの削減を実現。保管にかかるコストは、

  • 年払い35,000円(税別)+初期費用50,000円(税別) ※月払いより年間7,700円お得
  • 月払い3,500円(税別)+初期費用50,000円(税別)

よりご利用いただけます。
※詳しくはこちらのGrace Bankのサイト費用についてをご覧ください。

凍結・保管技術に実績と安心のあるクリニックや卵子凍結保存バンクを選ぶ

せっかく卵子凍結を行っても、きちんとした凍結保管システムがなければ万が一の時に対応し兼ねない場合もないとは言い切れないため、実績のある凍結・保管技術を有する会社を選択する事も大切かと思います。

Grace Bankでは、20年以上無事故で、さい帯血の保管システムを運営してきた「ステムセル研究所」と提携しています。ステムセル研究所の細胞保管施設のあるジャーマンインダストリーパークは、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく指標において最も高いレベルの耐震性を有していて、厳重なセキュリティシステムと、独自のモニタリングシステムを採用しています。

まとめ

経済的な負担については、プロセスごとに生じてくるため、悩ましい問題であることは否定できません。しかしながら、将来においての妊娠の確率を高める効果的な方法として考えるならば、若く妊孕性の高いうちに卵子を凍結保存することは、経済的な価値以上のものとして、考える事ができるのかもしれません。

監修者

名倉 優子 なぐら ゆうこ

日本産科婦人科学会専門医


グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)

杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!

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