卵子凍結について

卵子凍結保存に年齢制限はある?

現代では様々な事情から、必ずしも若いうちに出産できるわけではありません。しかし、卵子は年齢を重ねると共に老化してしまい、質が低下した卵子では妊娠確率が下がってしまいます。 卵子凍結」は、出産を希望する女性が 将来の妊娠に備えて、「若く妊娠する能力の高い卵子を凍結保存する」という有効な方法です。凍結卵子は将来、解凍して体外受精に使用できます。「卵子凍結」は女性が年齢を重ねた時においても、自分の若い卵子で体外受精ができるため、将来不妊治療をする際に成功率を高められることが期待できます。 しかし、卵子凍結はどの年齢でも、採取したり保存したりできるわけではありません。年齢を重ねることで卵子の質が低下し、妊娠確率が低くなることや、高齢出産によるリスクが高くなることから、卵子凍結には年齢制限があります。その年齢制限には、 「採卵」と「保管」の2種類の年齢制限があります。 以下の項目で、「採卵」「保管」の年齢制限、また、卵子凍結で妊娠できる年齢と確率について見ていきましょう。

卵子凍結の年齢制限は「採卵」「保管」の2種類ある


 前項でお伝えしたように卵子凍結の年齢制限には、「採卵」の年齢制限と、「保管」の年齢制限の2種類があります。 卵子の質を良い状態で保存することと、高齢出産のリスクを考慮してこのような年齢制限を設けています。 それでは具体的に見ていきましょう。

「採卵」の年齢制限は40歳未満

卵子の元となる卵胞細胞は、年を重ねると細胞質が老化し、妊娠する力が急激に低下します。排卵が行われても染色体異常があったり、着床しても流産してしまったりという事が多くなってしまいます。残念ながら、卵子の質低下は、35歳頃から加速するといわれています。 40歳くらいまでが妊娠可能性があるとされる年齢なので、 採卵の年齢制限を40歳未満または40歳前後とするクリニックが多くなっています。 Grace Bank」では、基本的には採卵をするご年齢を満40歳の誕生日までとさせていただいておりますが、それ以上のご年齢でご希望される場合でも専門医の判断により実施できることもありますので、お気軽にご相談ください。

「保管」の年齢制限は50歳未満

年齢のリスクを考慮して若い卵子を凍結保存し、体外受精の確率アップに備えても、妊娠・出産に耐えられる母体年齢には限りがあります。妊娠することが技術的に可能でも母体への負担を考慮してのことです。 そのため、母体や胎児のリスクを考慮して、卵子凍結の保存期限を45〜50歳までとするクリニックが多くなっています。 GraceBank」では、本人の意向により満50歳の誕生日まで凍結した卵子を保管することができます。ただし、実際に融解して使用する際には、母体の安全を考慮した上で専門医が実施の可否を判断しますので、50歳まで体外受精が行えることを保証するものではございません。あらかじめご了承ください。 ※自社HP FAQより内容抜粋(https://faq.gracebank.jp/s/article/age-limit

凍結卵子で妊娠できる年齢と確率は?

不妊治療で行われる一般的な体外受精(自己卵子=実年齢)は、卵子の老化などの原因で、年齢が高くなるにつれて妊娠・出産率が下がっていきます。(30歳以下では45%程度→40歳以上では15%まで低下) しかし、若いドナーから卵子提供を受けた場合(つまり若い卵子を提供された場合)、40歳でも出産率が大きく変わらないというデータも報告されています。 つまり、卵子の妊孕性(にんようせい:妊娠する力)の高い20~30代前半くらいまでに卵子凍結をしておけば、40歳前後になって体外受精をする際に、高い成功率が期待出来るということになります。 ※自社HPより内容抜粋(https://gracebank.jp/ 卵子が若ければ40代の体外受精による出産率は20代と大きく変わらないことがグラフから読み取れます。(米CDC、2013) ※自社HP FAQより内容抜粋《一般的な体外受精(自己卵子=実年齢)の確率》 https://gracebank.my.site.com/s/article/number-of-egg-freezing 卵子を融解後に、卵子が生存・受精(顕微授精)し良好な受精卵が確保できた場合の受精卵1個あたりの妊娠率は以下の通りとなっています。(日本産科婦人科学会データより)
  • 30歳以下 ・・・45%程度
  • 31~34歳・・・35%程度
  • 35~37歳・・・30%程度
  • 38~39歳・・・20%程度
  • 40歳以上 ・・・15%以下

まとめ

ここまでのお話をまとめますと、卵子凍結の年齢制限は目安として
  • 「採卵」については、40歳前後まで
  • 「保管」については、50歳前後まで
となります。 不妊治療となった時に備えて、妊娠確率を高めるために1歳でも若く妊孕性の高いうちに卵子を凍結保存しておくことを推奨します。(理想は20~30代前半までの卵子凍結) また、凍結卵子を使用した体外受精は、母体や胎児の妊娠出産リスクを考えると、45歳前後までが目安となります。これらのことから、将来に備えて若いうちに卵子を凍結保存しておけば、年齢を重ねることによる体外受精成功率の低下を防ぐ可能性が高くなることが期待できます。 GraceBank」は国内最大級の卵子凍結バンクであり、有名不妊治療専門クリニックと連携して女性の不妊治療に真摯に向き合っております。23年間無事故の安心保管システム、卵子凍結だけでなく生殖医療全般について、将来の出産を考える全ての女性が利用しやすい医療プラットフォームの構築で、女性が願うあらゆるライフプランのお手伝いをしてまいります。

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▼この記事の監修は…
医師紹介:岡田 有香(おかだ ゆか) 産婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 順天堂大学医学部卒/聖路加国際病院8年勤務 現在まで産科、婦人科全ての領域に携わる。不妊治療を行う中で、不妊予防に興味を持ち、自身のInstagram(@dr.yuka_okada)でも生理痛や不妊、妊活の知識を発信している。 資格:da Vinci certified First Assistant (ダビンチ認定資格取得術者) 、日本母体救命システム普及協議会J-CIMELSプロバイダー 所属学会:日本産婦人科学会、日本生殖医学会、日本女性医学会、日本産科婦人科内視鏡学会、NPO法人日本内膜症啓発会議
▼参考サイト
かんたん1分!卵巣年齢チェックかんたん1分!卵巣年齢チェック

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