そろそろ赤ちゃんを授かりたい、だけどまだ自分のライフスタイルに合わない気もする…20代後半頃から結婚や妊娠の予定や計画について、悩まれている皆さんも多いかと思います。
加齢に伴って妊娠確率は下がると言われていますが、28歳前後の妊娠確率はどれぐらいなのか?何歳まで妊娠できるのか?今からできるおすすめの準備についてもご紹介します!
目次
年齢別の妊娠確率について 28歳は25~30%
1ヶ月の間に自然妊娠する確率は、25~30歳だと25~30%(※1)と言われています。また、不妊治療だと30歳以下は45%程度(※2)で、自然妊娠、不妊治療、いずれも20~30代前半までは妊娠確率は大きく変わらないといえます。しかし35歳以降から妊娠確率は急激に下がり始めます。
1周期当たりの妊娠率(※1)
- 25歳・・・25~30%
- 30歳・・・25~30%
- 35歳・・・18%
- 40歳・・・5%
- 45歳・・・1%
卵子を融解後に、良好な受精卵が確保できた場合の妊娠率(※2)
- 30歳以下 ・・・45%程度
- 31~34歳・・・35%程度
- 35~37歳・・・30%程度
- 38~39歳・・・20%程度
- 40歳以上 ・・・15%以下
(※1)婦人科ラボ「実は思っているほど高くない「自然に妊娠できる確率」」よりデータ引用
(※2)日本産科婦人科学会データより引
28歳での妊娠 染色体異常などのリスクは?
ダウン症候群など、受精卵が形成される際に染色体異常が起こる確率は、母体年齢とともに高くなります。下記表によると、28歳はおおよそ0.21~0.26%、35歳以降からは年々増えていくことがわかります。
女性の年齢と子どもの染色体異常の頻度(染色体異常をもつ子が生まれる頻度)(※3)
- 20歳・・・0.19%
- 25歳・・・0.21%
- 30歳・・・0.26%
- 31歳・・・0.26%
- 32歳・・・0.31%
- 33歳・・・0.35%
- 34歳・・・0.42%
- 35歳・・・0.52%
- 36歳・・・0.64%
- 37歳・・・0.79%
- 38歳・・・0.98%
- 39歳・・・1.20%
- 40歳・・・1.52%
- 45歳・・・4.76%
(※3)「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」2013|厚生労働省より
年齢が上がるとなぜ妊娠確率が下がるのか? 原因はズバリ「卵子の老化」
卵子の基礎知識
男性の生殖細胞である精子は、思春期から高齢になるまで、絶えずつくられるのに対して、女性の生殖細胞である卵子は胎児のときに、一生分の卵子を蓄えます。生まれたときには、約200万個あった小卵胞は、月経がはじまる頃には約20~30万個に減少、その後1ヶ月に500~1,000個ずつのペースで減っていきます。
卵子の老化
私たちは目に見える形で、皮膚や髪の毛の老化を感じますが、卵子も同様に加齢によって減少し、質が低下し、老化していきます。特に35歳は、ターニングポイントといわれていて、老化が加速します。老化した卵子は、排卵に至るまで成長するのが困難となるほか、排卵されても卵子としての機能を失っていることが多くなるようです。そして、46歳以降になると妊娠は難しくなります。
将来の妊娠に備えて、今から準備しておくべきは?
女性ホルモンのバランスを整える
あなたがもし、生理不順・PMS(月経前症候群)・肌荒れ・冷え性・情緒不安定・不眠などで悩まれていたら、女性ホルモンのバランスが乱れているサインかもしれません。女性ホルモンのバランスの乱れは、美容面だけではなく、妊娠する力をも弱めることになりかねません。ホルモンバランスを整えるには、疲労回復・バランスのとれた食事・十分な睡眠・適度な運動・リラックスなどが大切といわれていますので、まず生活習慣で改善できそうなことを見つけてみてください。
今注目の「卵子凍結」を選択する
先ほど卵子の老化についてお伝えしましたが、体の仕組みとしても、35歳をすぎると流産・胎児の遺伝子疾患・母体の高血圧・緊急帝王切開・出産時死亡などのリスクが急激に上がります。しかし、このような事を把握しても、自分のライフプランや、様々な事情で、必ずしも妊娠の時期を決定できるとは限らないのが現実だと思います。そこで、ひとつの選択肢として、若く妊娠力の高いうちに卵子を凍結保存する「卵子凍結」という方法があります。
「卵子凍結」について 仕組みは?費用は?簡単に一般的な流れをご紹介
まず、不妊治療クリニックで、さまざまな検査を行ったのち、年齢や卵巣機能、体の負担や希望を考慮し排卵誘発を行い、採卵します。その後、耐凍剤濃度の高い溶液に卵子をひたし、マイナス196℃の超低温で凍結し、液体窒素タンクの中で保管します。ちなみに、卵子凍結までの期間は、状況によって異なりますが、通院回数は約5~6回といわれています。最後に気になる金額についてですが、1回の検査・排卵、凍結費用に30~50万、保管費用は、初期費用に加えて年間3~5万かかります(状況、クリニックによって変動します)。
まとめ
妊娠や出産は、パートナー、自分の仕事など、周囲環境とのタイミングにも左右されるので、多くの悩みを抱えることもあります。今からできる準備として、①女性ホルモンのバランスを整える、②卵子凍結保存のふたつについてご紹介しましたが、ひとつでもあなたの選択肢が増えて、お悩みが少なくなればと思います。
▼この記事の監修は…
医師紹介:岡田 有香(おかだ ゆか) 産婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 順天堂大学医学部卒/聖路加国際病院8年勤務 現在まで産科、婦人科全ての領域に携わる。不妊治療を行う中で、不妊予防に興味を持ち、自身のInstagram(@dr.yuka_okada)でも生理痛や不妊、妊活の知識を発信している。 資格:da Vinci certified First Assistant (ダビンチ認定資格取得術者) 、日本母体救命システム普及協議会J-CIMELSプロバイダー 所属学会:日本産婦人科学会、日本生殖医学会、日本女性医学会、日本産科婦人科内視鏡学会、NPO法人日本内膜症啓発会議 |
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管理栄養士紹介:小林 れい子(こばやし れいこ) 管理栄養士 長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。その後は、調理専門学校で講義を行う。長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。 |
▼参考文献・引用
- ※1 婦人科ラボ「実は思っているほど高くない「自然に妊娠できる確率」」よりデータ引用
- ※2 日本産科婦人科学会データより引用
- ※3 「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」2013|厚生労働省より
- 「ふたりで読む 最新版 妊娠力アップBOOK」世界文化社