独身女性の卵子凍結って実際どうなの?痛い?どんな流れで採卵するの?ーーそんな疑問に答えてくれるお友達が周囲にいる方は、まだ少ないのではないでしょうか。本記事では、実際にグレイスバンクに卵子を預けている方の体験談をお届けします。
✔️卵子凍結のきっかけと決断理由は?
✔️卵子凍結の流れは?具体的に何するの?
✔️卵子凍結を体験した感想やアドバイス
▼Name:ゆい
▼採卵時年齢:33
▼採卵回数:2回
▼合計卵子凍結数:15個
医療にかかわる職業というバックグラウンドもあり、客観的にメリット・デメリットを考慮のうえ卵子凍結を決断したグレイスバンクユーザー。多忙な日々のなかでもご自身の将来をみつめ、アクションを起こしました。合理的な考え方は、卵子凍結というトピックを超えた気づきを与えてくれます。
【卵子凍結の経緯】
卵子凍結には「やらない理由」以上のメリットを感じられた
はじめに、卵子凍結を意識したきっかけを教えてください。
「35歳までの出産が望ましい」とよく耳にしてきたなかで、なんとなく年齢は意識していました。そして迎えた33歳--。35歳までの出産から逆算し、今からそこに至るのは現実的ではないと判断しました。
とはいえ、将来結婚したいのか、子供が欲しいのかははっきりわからなかったんですけどね。
「将来子どもが欲しいかはわからない」なかで、卵子凍結を検討したのはなぜですか?
今はわからないけれど、環境で気持ちは変化しますから、どんな可能性もあると思っています。いざ子どもを持ちたいと感じた時に後悔しない決断をしたくて、情報収集を始めました。
情報収集はどのように行いましたか?
本を2冊読みました。ネットの情報でも良いと思うのですが、私の場合は必要な情報を満遍なく頭に入れるという意味で本が向いていました。結果として本を読み始めてから1週間後にはクリニックの初診に臨みました。
基本的には優柔不断なタイプなんですけれど(笑)、卵子凍結についてはすぐ納得して行動に移せましたね。
※当ユーザーが参考にされた書籍はオンラインコミュニティ「Grace Talk」で紹介しており、会員登録いただくとご覧いただけます。
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【グレイスバンクを選んだ理由】
シンプルでクリアな料金体系・通院のしやすさで高速ジャッジ
情報収集を始めてから1週間で決断できたのはなぜですか?
短期間ではあるものの本のおかげで、メリット・デメリット両方検討できました。そのうえで決め手になったのが、「卵子凍結時点での出産率の維持が望める」ことと「意外と短期間でできる(2週間程度)」こと。
私の年齢やライフスタイルを考えた時、この2点が「やらない理由」に勝るメリットだと思えました。
一方で、デメリットに思われたことは何でしたか?
費用、通院回数、副作用のリスクです。だからこそ、費用と通院回数で最も納得のいくクリニック選びに励みました。採卵誘発をする以上、副作用はある程度共通しているものと考えられたので。
採卵を決めたクリニックのどのような点が費用面、通院面の条件にマッチしていましたか?
まず費用面は、「定額制」にメリットを感じました。治療方針や採卵個数によって料金が変動すると、想定より安くつく場合もありますが、逆も然り。卵子凍結には費用がかかるからこそ、あらかじめはっきりとした金額がわかるのは安心でした。
通院面では、個人的に通いやすい立地であったことがポイントになりました。情報収集の過程で、1回の採卵に5回前後通院が必要なことがわかっていたので、自宅または職場からの「通いやすさ」はかなり重視しました。
グレイスバンクについてはどのような点を評価いただきましたか?
正直なところ、クリニックがバンクと提携していて、保管はグレイスバンク一択でしたので、保管サービスの比較はしていません。
ただ、どこで採卵するにしても卵子凍結費用に加え保管費用が必要なので、採卵クリニックについてはグレイスバンクの費用と合算で考慮しました。
関連記事:グレイス杉山クリニックSHIBUYA 岡田有香医師|いつでも行ける、身近なクリニックを目指して
【実際に体験してみて】
「自分の人生」を意識してーー時には割り切ることも大切
出張も多いお仕事とのことですが、スケジュール管理はどのようにされましたか?
卵子凍結に必要な期間は約2週間でしたが、その期間でさえ出張がありました(笑)。ただし、2泊以上の出張はないように調整しました。なぜかというと、クリニックからもらって自分で投与する「自己注射」は冷蔵保管の必要があるからです。
逆に言うと、1泊までなら注射後に外出、帰宅後注射することでクリアできました。
自己注射をしながら無事出張をこなした後、採卵当日のお仕事はどうされたのですか?
採卵当日は終日お休みをもらいました。全身麻酔(静脈麻酔)で眠っているうちに採卵して、終わったあとはぼーっとしていたので2時間くらい個室のソファで休憩。きれいな部屋でおいしいお菓子とお茶をもらって幸せでした(笑)。
いつもお忙しくされているなかで、卵子凍結のために休むことには懸念もあったのではないでしょうか。どのようなお気持ちでしたか?
仕事はもちろん大事で、打ち込んでいますが、卵子凍結には自分だけのタイムリミットがあります。だから仕事を理由に先延ばしせず、その期間は卵子凍結を優先する覚悟をしました。
もし卵子凍結をしなくても、体調不良などで休むことは誰にでもあります。それと同じかそれより短い日数の休みだと考えれば気持ちがラクでした。
卵子凍結のデメリットに「副作用」を挙げられていましたが、実際に症状はありましたか?
許容範囲ながら、私の場合はゼロではありませんでした。1回目の採卵後は軽度の卵巣の腫れによって、お腹の張りと歩くときに響くような感覚がありました。しかもその時泊まりの出張を入れてしまったのは失敗ーーさすがにハードでした。
なので、2回目の採卵時は予防薬を強めに処方してもらい、採卵後1週間程度は激しい運動を控えました。そうするとさほど症状を感じずに過ごせたので、このあたりは工夫次第で対処できると思います。
卵子凍結を終え、気持ちの面で変化はありましたか?
結婚や出産に対する焦りが、卵子凍結が決まった瞬間に緩んでいくのがわかりました。あまり意識していなかったはずなのに、「本当はこんなにプレッシャーを感じていたのだな」としみじみしてしまったくらいです。日々焦りや不安にさいなまれることなく、前向きでいられることのメリットを実感しています。
関連記事:将来の妊娠にそなえる卵子凍結とは~「費用は?」「痛みはある?」徹底解説~
卵子凍結を検討中の方へ
私は卵子凍結をしてもしなくても、どちらでもいいと思っています。価値観は人それぞれなので、みんなした方がいい!とは思いません。
ただ、卵子凍結について真剣に検討しないまま年齢を重ね、出産が難しくなる年齢になってから「あの時卵子凍結しておけばよかった」と後悔することだけは避けてほしいと思います。
特に私と同年代の30代前半の未婚の方には、今この時に卵子凍結にかかる費用や手間などを考慮したうえでやるのかどうかを考える機会をぜひ持ってほしいです。そして、もし卵子凍結するとなれば、「今やるのか」「1年後にやるのか」「2、3年後にやるのか」では違いがあることも意識してもらえたら。
ひとまずスマホで近くで卵子凍結できそうな病院があるかを検索してみてください。そしてAMH検査(※)だけでも受けてみて、医師へ卵子凍結について相談してみることをお勧めします。
きっとその一歩が後悔のない決断の一歩になりますよ!
※AMHとは、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンであり、血中のAMH値は卵巣内にどれぐらい卵子の数が残っているかを反映すると考えられています。詳細はこちら
※当記事は個人による記録と感想を元にした体験談です。実際の診療内容、体感等は医療機関および個人によって差があります。