令和6年(2024年)10月25日より山梨県で卵子凍結支援事業が開始されました。山梨県に住む18歳から39歳までの女性に対し、卵子凍結に係る費用について、医療機関(及び調剤薬局)に支払った総額の1/2、上限20万円(県外医療機関で実施した場合は上限10万円)が補助されます。
東京都や大阪府池田市でも卵子凍結に係る費用への助成制度が開始されていますが、自治体が女性の出産とキャリアの両立が難しい点などを考慮して、女性の選択肢を増やすために支援を開始したことはとても画期的なことです。
この記事では、「山梨県の卵子凍結支援事業」について詳しく解説します。
目次
卵子凍結とは?
卵子凍結とは、将来体外受精することを見据えて、若く妊娠する能力の高い未受精の卵子を凍結保存することです。若いときに卵子を残しておくことが、将来の妊娠の可能性を拡げる選択肢の一つとなります。凍結した卵子は将来、解凍して体外受精に使用できます。女性が年齢を重ねた時においても、採卵当時の若い卵子で体外受精ができるため、不妊治療の成功率を高められることが期待できます。
山梨県「卵子凍結支援事業」の対象
山梨県の卵子凍結支援事業は、以下の要件をすべて満たす方が対象です。
- 採卵日において18~39歳の方
- 申請日時点で山梨県内に住所がある方
すでに不妊症の診断を受けており、不妊治療を目的とした採卵・卵子凍結を行う方は対象外です。また山梨県がん患者等妊孕性温存支援事業の対象となる方も対象外となりますのでご注意ください。
山梨県「卵子凍結支援事業」の対象となる医療行為と補助額
日本産婦人科学会に生殖補助医療実施登録施設として登録されている日本国内の医療機関で実施された「採卵準備のための投薬・採卵・未受精卵子の凍結」が補助の対象になります。
医療機関(及び調剤薬局)に支払った総額の1/2が補助されます。上限額は県内医療機関で実施した場合で上限20万円、県外医療機関で実施した場合で上限10万円です。
補助の回数は通算2回までです。(都度、申請が必要になります。)
山梨県「卵子凍結支援事業」の対象要件と補助金支給までのながれ
山梨県「卵子凍結支援事業」は次の1~5を全て満たすことが対象要件になります。
1. 山梨県が指定した『卵子凍結セミナー』を受講し修了すること。
卵子凍結セミナーは動画視聴形式で、パソコンやスマートフォン等からいつでも受講できます。
https://forecia.webinar-stream.com/preconception/movie_b.html
最後まで動画を視聴すると、受講修了書が発行されます。修了書の発行を行うと、事務局に視聴記録が残り、補助金申請時に本人確認として照合されます。
2. 日本産科婦人科学会に生殖補助医療実施登録施設として登録されている医療機関で実施すること。
該当する医療機関は、日本産科婦人科学会HP施設検索から確認できます。「体外受精・胚移植」を選択し、地域区分・都道府県・施設名から検索が可能です。検索の結果表示された医療機関は不妊治療を対象とした生殖補助医療を行っている施設です。不妊治療を目的としない未受精卵子凍結を行っているか、を必ずご確認のうえ受診してください。
※補助額は県内医療機関で実施した場合で上限20万円、県外医療機関で実施した場合で上限10万円です。県外の医療機関をお探しの場合は、日本産科婦人科学会HP施設検索もしくはGrace Bankの提携クリニック一覧をご確認ください。
3. 凍結卵子の売買、譲渡、その他第三者への提供を行わないこと。また、海外への移送は行わないこと。
4. 凍結卵子を用いて生殖補助を実施する場合は、必ず夫(婚姻の届出をしていないが、事実上の婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の精子を使用すること。
5. 補助を受けようとする医療行為について、他の法令等の規定により、国又は地方公共団体の負担による医療に関する給付の対象とならないこと。
続いて補助金のながれです。
- 卵子凍結セミナー受講
- 卵子凍結実施
- 補助金申請
- 交付決定
- 補助金受給
補助金の申請は電子申請フォームに必要事項を入力し、添付書類を添付して申請します。申請フォームにアンケートがあり、回答後に申請完了となります。補助金受給までには申請から1~2ヶ月ほどかかります。
【添付書類】
1. 卵子凍結支援事業受診等証明書(様式第2号)
医療機関に記入を依頼してください。原本は本人が保管します。誤りがあった場合は、ご本人から医療機関へ訂正依頼をしていただきます。作成には文書料がかかる場合がありますので、医療機関にご確認ください。
2. 住民票の写し(原本)
マイナンバーの記載がないもの。申請日から3ヶ月以内に発行されたもの。
3. (院外処方により薬を購入した場合)薬の領収書及び明細書
卵子凍結を実施した医療機関の処方により調剤薬局で卵子凍結に係る薬を購入した場合は、その薬の領収書と明細書を提出してください。院内処方により薬を購入した場合は、上記1.「卵子凍結支援事業受診等証明書」の領収金額に薬代が含まれますので、薬の領収書と明細書の提出は必要ありません。
電子申請フォームからの申請ができない環境の方は、卵子凍結支援事業業務委託先へお電話またはメールにてお問合せください。
その他、山梨県「卵子凍結支援事業」に関するお問合せも以下までお問合せください。
【山梨県卵子凍結支援事業 申請業務委託先】
NPO法人 フォレシア(TEL:050-5490-5950、mail:info@forecia-jp.com)
山梨県「卵子凍結支援事業」は申請期限にご注意ください!
山梨県「卵子凍結支援事業」の令和6年度の申請期限は令和7年(2025年)3月31日(月)です。令和6年度中に卵子凍結に係る医療行為が終了(※)した方は、添付書類を含め全ての書類をそろえて3月31日までに提出してください。
※「未受精卵子の凍結」をもって医療行為の終了とします。ほとんどの場合、採卵を行った日が終了日となりますが、異なる場合がございますので医療機関にご確認ください。
申請に必要な『受診等証明書』(医療機関記入)の発行には数週間かかる場合があります。年度末に卵子凍結を実施した場合、3月31日までに『受診等証明書』の発行が間に合わず、申請できないおそれがありますので、医療機関と相談のうえ計画的に実施してください。
提出期限は3月31日ですが、書類に不備がありますと補助金が支給できませんので、2月中を目処にお早めに申請してください。また、令和6年度中に終了した卵子凍結に係る医療行為について、来年度4月以降に申請することはできませんのでご注意ください。
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※山梨県の「卵子凍結支援事業」は県内医療機関で実施した場合と県外医療機関で実施した場合の補助額が異なりますので、ご注意ください。