卵子凍結保管サービスGrace Bank(グレイスバンク)をご存知ですか?
不妊治療の実績のある提携クリニックで採卵し、長期保管に適した大型タンクで安心して卵子を保管できるのが卵子凍結保管サービスGrace Bankの特徴です。Grace Bankは、お客様からいただく保管料はこれまでのサービスと比較し、低価格でありながらも、高品質を誇る凍結卵子の保管体制を実現しています。これは、「さい帯血(へその緒の中に含まれる胎児血)」の凍結保管を設立以来25年以上無事故で運用してきた株式会社ステムセル研究所(東証グロース7096)と資本業務提携し、同社が保有する施設内に専用のタンクを設置しているからこそできたこと。本記事では、大切な凍結卵子がステムセル研究所でどのように保管されているのかをご紹介します。
目次
卵子凍結とは?
卵子凍結とは、将来体外受精することを見据えて、未受精の卵子を凍結保存することです。若いときに卵子を残しておくことが、将来の妊娠の可能性を拡げる選択肢の一つとなります。
卵子凍結を行う際には、確実に卵子を採取するため、排卵誘発剤を使って卵巣刺激を行い、いくつかの卵胞を育てて採卵に臨むことで、1回で複数個の卵子を採取することができます。採卵の際には、超音波画像で卵巣を確認しながら、腟の壁越しに卵巣内の卵胞を針で穿刺し、卵胞液ごと吸引・回収します。
採卵した卵子は、凍結保護剤を利用し、細胞内の水分を除去したうえで、ガラスと同じ状態を保ちながら液体窒素内で高速に凍結させます(=急速ガラス化法)。凍結による胚のダメージは主に水晶形成によるものですが、急速ガラス化法は、細胞を結晶化することなく凍結することが可能です。急速ガラス法で凍結した卵子を、マイナス196℃の液体窒素内に保存することにより、半永久的にそのままの状態を保つことができます。
将来妊娠を希望する際には、凍結しておいた卵子を融解して顕微授精を行い、得られた受精卵(胚)を培養して胚移植します。
採取された卵子のうち、凍結保存することが可能な卵子は成熟卵子のみです。35歳以下の場合、採取された卵子の90%程度が成熟卵と予想されます。(個人差があり、未成熟卵も成熟卵と同様に多く取れてしまう方もいます。)また、成熟卵子でも採卵時の年齢により、受精率、妊娠率に差があります。
【凍結卵子を融解した時の卵子生存の確率】
- 融解後の卵子生存の確率 80〜95%
- 融解後の卵子に、精子を注入した場合の受精率 60〜80%
【凍結卵子を融解後に、卵子が生存・受精(顕微授精)し良好な受精卵が確保できた場合の受精卵1つあたりの妊娠率】
- 30歳以下・・・35%程度
- 31~34歳・・・30%程度
- 35~37歳・・・25%程度
- 38~39歳・・・20%程度
- 40歳以上・・・15%以下
※参考 杉山産婦人科 卵子凍結について(未受精卵の凍結保存)
凍結卵子を使用した体外受精を希望される場合は、数ヶ月前にクリニックにご相談することをおすすめします。相談時の年齢やパートナーの状況(※)によっては、凍結卵子の使用以外の治療法を含めて複数の選択肢からご希望に沿ったプランの提案を受けることができます。
※不妊の原因は男性側にもあり得ます。事前に男性の精液検査をおすすめします。精液検査により精子の量や精子の濃度、運動率、精子の正常形態率などがわかります。無精子症の場合、卵子凍結による体外受精は不可能となります。
クリニックに相談したうえで、凍結卵子の使用が決まったら、凍結卵子の出庫の手続きに移ります。凍結卵子の使用予定2ヶ月前を目安に出庫先に連絡をいれましょう。
卵子凍結保管サービスのGrace Bankとは?
Grace Bankはクリニックで採卵・凍結した凍結卵子の保管専門のサービスです。体外受精を行う際は、全国の提携クリニックにて凍結卵子の利用が可能です。Grace Bankの卵子凍結保管サービスが選ばれる理由は、大きく3点です。
- 全国の厳選された確かな実績と経験を持つ不妊治療の専門医を擁するクリニックと提携しているため、将来の体外受精時には凍結卵子をどの提携クリニックでも利用可能
- 設立以来25年以上無事故のステムセル研究所が運営する細胞保管センターは24時間体制で監視されており、大切な卵子を安心して保管できる
- 保管庫の大規模運営のメリットおよびコスト効率の追求により、高品質でありながら、利用しやすい料金プランを提供している
保管にかかるコストは、
- 年払い38,500円(税込)+初期費用55,000円(税込) ※月払いより年間7,700円お得
- 月払い3,850円(税込)+初期費用55,000円(税込)
よりご利用いただけます。
※詳しくはこちらのGrace Bankのサイト 費用について をご覧ください。
卵子凍結保管の4つのリスクとは?
卵子の凍結保管には大きな4つのリスクが伴います。
1点目は保管タンクの高頻度の開閉や液体窒素の注ぎ忘れによるヒートショック、2点目は自然災害等による停電や施設の倒壊、3点目はセキュリティ、4点目は卵子の取り違えです。
卵子凍結を実施している不妊クリニックでは、一般的に、各クリニック内に小型の液体窒素タンクを保有し、液体窒素を手動で補充しながら、凍結した受精卵と一緒に未授精の凍結卵子を保管しています。もちろん、クリニックでの保管も高水準ではあるのですが、受精卵の頻繁な出し入れによるタンク内の温度変化や、災害時の建物の耐震性、セキュリティ、人為的なミス等のリスクを考慮すると、必ずしも理想的な環境で保管されていない場合もあると考えられます。
Grace Bankが提携している株式会社ステムセル研究所の施設は、卵子の凍結保管の4つのリスクに対応しています。
大事な卵子を預けるための万全の保管体制|設立以来25年以上無事故のステムセル研究所とは?
ステムセル研究所の保管施設は、地震や津波などの災害に強いエリアに位置しています。設立以来25年以上無事故の実績があり、その間には東日本大震災(震度6)に見舞われたこともありましたが、さい帯血を保管していたタンク設備等に影響はなく運用を継続してきました。
バックアップ電源を擁しているため停電対策も万全であり、後述する通り、タンク内の温度や液体窒素量等を24時間365日、常に監視・記録し、また、厳重なセキュリティシステムにより、保管されている卵子が万全に管理され、守られています。
ステムセル研究所の品質管理システムは、国内はもちろん、国際レベルの評価も受けており、AABB(アメリカ血液銀行協会)及びISO9001(品質マネジメントシステムに関する国際認証規格)といった外部評価機関の認証を取得しているほか、国内では一般財団法人医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)の審査を経て、保健医療福祉分野のプライバシーマークを取得しています。
リスク対策①|巨大なタンクへの液体窒素の自動供給システムで徹底された温度管理
こちら(↓)は、2021年からステムセル研究所が運用し始めた新しい保管施設です。新たな保管施設の開設を機に、従来の施設を含め、より堅牢で最新鋭の温度監視・記録システムを導入しています。
こちら(↓)が実際に使われているタンクと液体窒素の自動供給システムです。常にタンク内を超低温(マイナス150℃以下)に保つため、タンクの温度を監視しながら、液体窒素ボンベからタンクへ、配管を通じて自動で液体窒素が注がれているのです。
タンク本体の高さは1.5m、直径(タンクの外径)1.5m程度。約24,300ケーン(1人あたり1ケーン利用する場合、24,300名分)が収容可能です。日本でこの大きさのタンクを複数台運用している施設は少なく、ステムセル研究所は、設立から25年以上の経験をもとに、この規模の保管センターを運営するノウハウを兼ね備えています。
また、ここまで大きいとタンクの底から上部で温度のムラがあるのでは、と思われるかもしれませんが、タンク内は上部でも品質に影響がない温度に維持されています。
液体窒素が卵子凍結保存に利用される理由
先ほど、タンク内はマイナス150℃以下に維持されている、とお伝えしましたが、「窒素」の沸点はマイナス195.8℃であるため、液体窒素を充填することでタンク内の空気は超低温に保たれる、という仕組みです。(一般的に、細胞はマイナス150℃以下で活動が停止します。)例えば、凍結卵子の出し入れのためにタンクの蓋を開け閉めしても、温度上昇により凍結卵子に影響を与えてしまうような心配はありません。
リスク対策②|保管施設は地震や津波にも強いエリアに所在・高い耐震性で大切な凍結卵子を保管
Grace Bankの凍結卵子保管場所であるステムセル研究所は、突然の地震や津波にも強いエリアに所在しています。保管施設のあるジャーマンインダストリーパークは、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく指標において最も高いレベル(「地震の振動および衝撃に対して倒壊し、または崩壊する危険が低い」)の耐震性を有しています。ジャーマンインダストリーパークのある横浜市緑区は、堅固な地層を支持基盤としているため、地震による液状化の危険がありません。また、横浜市の津波到達予想区域から7km内陸に離れた海抜12m地点にあるため、津波による災害の心配もありません。さらに、高い耐震性で、大切な卵子の安全性が保たれています。
リスク対策③|24時間365日の遠隔管理システムと厳重なセキュリティシステム
供給用およびタンク内の液体窒素の量、タンク内の温度のデータは、24時間365日、自動監視・記録されています。また、タンクの蓋が一定時間以上開けられた場合など、必要に応じてアラートが飛ぶ仕組みとなっています。2つの別のシステムを同時運用しており、万一1つの管理システムにトラブルがあった場合でももう1つでカバーされ、バックアップ体制が整っています。
また、タブレット端末を使って現場から離れた場所からでもリアルタイムの遠隔監視が可能です。それに加え、アラートが出た場合には、直近のデータを確認するとともに、遠隔でカメラの映像を確認し必要に応じて現場に24時間365日体制で駆けつける体制が整っています。
さらに、卵子という”替えの効かないもの”を扱う保管庫であることから、盗難や取り違えの対策も充実しています。保管庫に入室する際の静脈認証システム(銀行の認証でも多く使われているものです)、不審な動きがないかを把握する人感センサ、防犯カメラ等で全ての行動が管理・記録されています。
リスク対策④|Grace Bankの卵子凍結保管管理システムで取り違えの防止
Grace Bankでは、お客様の卵子の保管状況管理システムを自社で構築しています。
Grace Bankが提供する卵子保管サービスの申込みをしていただいたあと、お客様専用バーコードが書かれたシールが発行され、お手元に届きます。このシールを、採卵するクリニックにお持ちいただくのですが、採卵するクリニックにおいて、このシールを容器とケーンの両方に貼っています。このバーコードが表す13桁の数字が「個人番号」となり、いつ誰がどこのクリニックで何個採卵したか、どのタンクにいつから保管されているか、また、いよいよ凍結卵子を利用する際には、いつどこのクリニックで何個解凍・利用するか、といった「保管・利用情報」と紐づくというわけです。
バーコードが印字されたシールにも工夫があります。超低温の環境下でも剥がれず、長期間の保存に対する耐久性のある素材を採用し、海外から輸入した専用のプリンタで印刷しています。
クリニックでの採卵から保管庫までの輸送体制は?
ここまで、ステムセル研究所の保管庫での保管体制についてお伝えしましたが、そもそも「クリニックで採卵された卵子をどう保管庫へ輸送しているのか?」と気になる方も多いかと思います。
卵子を格納する容器を5本入れて1つのユニットとなる「ケーン」は、運搬専用の容器(ドライシッパー)に入れて輸送されます。ドライシッパーの中にも液体窒素が充填されており、輸送中も超低温(マイナス150℃以下)が維持されています。さらに、ドライシッパーに温度ロガー(温度のログが取れる機器)が取り付けられており、輸送中の温度や所要時間が記録されているので、適切な取り扱いが行われたことがデータにより証明されるのです。
卵子凍結についてより詳しく知りたい方はGrace Bankの無料セミナーをご活用ください
Grace Bankでは、お客様が将来のひとつの「選択肢」として卵子凍結をご検討いただけるよう、無料セミナーや個別相談会を積極的に実施しております。少しでも卵子凍結について気になりましたら、ぜひ一度セミナーにご参加ください。
また、東京都では卵子凍結に係る費用についての助成もあります。こちらの記事もぜひ一度ご確認ください。