卵子凍結について

排卵日の出血は病気のサイン?~病院に行くべきケースと問題ないケース~

生理と生理のあいだの期間に出血したとき、これは排卵日による出血なのか、それとも違う出血なのか、もしかしたら病気なのかも、と気になったり不安に感じたことはありませんか?その出血が病院に行くべきケースなのか、問題ないケースなのか解説していきたいと思います。

排卵日に出血する原因

通常生理周期が28日前後で安定している方の場合、生理と生理のちょうど中間ぐらいの時期に、排卵が起こります。排卵は、卵巣のなかで育った卵子が卵胞膜を破って、腹腔内に出てくることをいいます。その際に出血を伴うことがあり、その出血が卵管を通り子宮内に流れ込んできたり、また排卵時期のホルモンの変化により子宮内膜が剥がれたりすることにより、排卵期に性器出血が起こることがあります。これが一般的に排卵出血と呼ばれるものです。また排卵期には、排卵痛という軽い下腹部痛や腰痛を伴うこともあります。

排卵日の出血の特徴

排卵日の出血の特徴は、出血の色はピンク、または茶色のおりもので、量は少量です。排卵日前後の2~3日のみ起こり、長くても1週間で止まる場合がほとんどです。(※1)

※1)日本女性心身医学会参照 https://www.jspog.com/general/details_71.html

排卵日の出血は病気のサイン?病院に行くべき?

排卵出血自体は生理的なもので、問題はありません。出血が少量で、排卵日前後の数日で終わる場合は、問題ない場合が多いです。では、どんな出血の時に婦人科を受診した方がよいのでしょうか。

こんな不正出血には注意!婦人科に行った方がよいケース

以下のような症状に当てはまる場合は注意が必要です。

  • 排卵日に関係なく、出血がだらだら続く
  • 出血量が多く、鮮血が出る
  • 下腹部痛がひどく、長期間続く

このような場合は子宮・卵巣系の疾患や性病など、病気のサインの可能性もあります。不正出血を引き起こす病気として代表的なものは以下があります。

  1. 炎症が起こることで出血する病原菌の感染や萎縮性腟炎
  2. 月経異常などホルモン異常によるもの
  3. 良性の腫瘍により出血する子宮筋腫
  4. 子宮腟部びらん
  5. 悪性腫瘍の子宮頸がん、子宮体がん

一度の検査で異常が見つからなくても、繰り返し不正出血がみられるときはごく初期段階の病気が潜んでいることもあり、検査を繰り返し、以前の状態との違いを比較することで診断できることもあります。(※2)放置していると、不妊などの原因になり得るので早めに婦人科を受診して、検査することをお勧めします。

※2)日本産婦人科学会より内容引用 https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=7

排卵のたびに卵子の数は減っていく|将来の不妊リスクに備える方法は?

卵子の数はうまれたときから決まっていて、年齢とともに数が減っていきます。卵子がなくなると閉経します。

さらに、卵子は年齢とともに老化するため、加齢とともに妊娠率が低下します。近年の晩婚化・晩産化により、不妊に悩む女性は今後も増える可能性があります。

そこで、いつか妊娠したいと考えている人におすすめなのが、少しでも若く妊孕性の高いうちに、自分の卵子を凍結保存しておき、将来の不妊リスクに備える「卵子凍結保存」です。

卵子凍結保存とは

卵子凍結とは、将来の体外受精を見据えて未受精卵を凍結する技術です。卵子凍結保存は確実に卵子を採取するため、排卵誘発剤を使って卵巣刺激を行い、いくつかの卵胞を育てて採卵に臨みます。そうすることで、1回で複数個の卵子を採取することができるのです。採卵した卵子は、高速で凍結する急速ガラス化法により凍結され、マイナス196℃の液体窒素内に保存することにより、半永久的にそのままの状態を保つことができます。(※3)卵子凍結保存にかかる費用は、麻酔なし、成熟卵9個を凍結・保管した場合ですと、約39万円です。(※4)

(※3)自社HPより内容抜粋

(※4)自社HPより内容抜粋

36歳を過ぎると、1年ごとに妊娠確率・不妊治療の成功確率などが大きく下がってきます。

卵子凍結にも年齢制限があり、採卵は40歳未満、凍結卵子の利用は50歳未満が目安とされています。1年でも卵子が若いうちに、卵子凍結保存をしておくことが、2年後・3年後の不妊治療の成功率を大きく左右する可能性があります。

また、卵子凍結はアメリカでは企業の福利厚生としても導入されており、2014年のFacebook(現:Meta)での導入を皮切りに、卵子凍結費用の福利厚生としての補助制度の普及が進んでいます。日本でも、メルカリやサイバーエージェントが導入しており、今後より多くの日本企業での導入が期待されています。(※5)

(※5)自社HPより内容抜粋

まとめ

排卵出血は、生理と生理のちょうど中間ぐらいの時期にある排卵に伴う出血で、量も少なく、排卵日前後の数日で終わる場合は、問題ない場合が多いですが、量が多く、出血がダラダラ長く続いたり、下腹部痛が長時間続いたりするような場合は、病気のサインの可能性もあります。不妊などの原因にもつながるので、一度婦人科を受診し、検査することが大切です。また、そういった不正出血による不妊のリスクに備えて、卵子凍結保存しておくのもおすすめです。卵子凍結保存を福利厚生に導入している企業もあり、女性の社会進出と共に、卵子凍結保存はより身近なものになってきています。

監修者

名倉 優子 なぐら ゆうこ

日本産科婦人科学会専門医


グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)

杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!

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