卵子凍結について

妊娠するために必要な卵子凍結の個数は?多いと費用は高くなる?

「卵子凍結」という言葉を聞いたことがあるという方は、この記事を読んでいる中でどれくらいいらっしゃいますでしょうか。 「卵子を取り出して冷凍して保存する?」なんだか大変な手術するイメージを持っていらっしゃる方や、「以前からハリウッドセレブがしているあれでしょ?」とイメージだけ聞いたことある方など様々ではないでしょうか? いまアメリカをはじめ、海外で人気の卵子凍結。2014年にFacebookを皮切りに、AppleやGoogle、Intel、Netflix、Yahooといった誰もが耳にしたことがある企業が福利厚生の一環として、卵子凍結をサポートする取り組みが始まっている事実からも、卵子凍結は既に社会的に認知されています。 年齢と共に卵子の妊娠能力、採卵数は低下していくと言われ、妊娠の可能性を維持するためには、年齢が上がれば上がるほど、多くの卵子凍結が必要と言われています。 ここでは、将来妊娠するために必要な凍結卵子の数、個数に応じた費用を紹介したいと思います。

一度の採卵でとれる卵子の個数は?


「卵子って、そもそも一度にたくさん採取できるものなの?」…小さい頃、保健体育の授業で男女別々の部屋に分かれて聞いた話では、生理が来て排卵される卵子は1回に1個と言っていた覚えがあります。 実際、卵子凍結に向けて排卵誘発剤を打つと、1の生理周期で複数個の卵子を採取することができます。年齢や個人によっても異なりますが、平均6~10個程度とされています。 「そんなに採卵できるなら、何回も行わなくてよいのでは?」と思われるかもしれませんが、20代での卵子凍結を望む方が多くなってきている理由のひとつは、採卵できる「数」や「質」は年齢に大きく左右されるからなのです。20代であれば、1回で10個近くの採卵が可能で、80%の確率で子どもを授かることができますが、37歳で同様の確率で子どもを授かるには平均5回の採卵が必要なため、あらゆる負担は5倍以上になります。このように年齢が上がるにつれ、妊娠の可能性を維持するために、卵子凍結する数を多くする必要があります。逆に若いうちに健康な卵子を大切に保存しておくことが重要になります。

妊娠するために必要な凍結卵子の数は、少なくとも10

顕微授精に向けて、採卵する数は少なくとも10個といわれているのはなぜでしょう?「そんなにたくさん採卵して、たくさん子供を作る予定もないのに…」と思われるかもしれません。それは、採卵時の年齢により妊娠率は大きく異なるからなのです。下記のデータでもあるように年齢と妊娠率には密接な関係があります。 卵子を融解後に、卵子が生存・受精(顕微授精)し、良好な受精卵が確保できた場合の1個あたりの妊娠率は以下の通りです。(日本産科婦人科学会データより)
  • 30歳以下 ・・・45%程度
  • 31~34歳・・・35%程度
  • 35~37歳・・・30%程度
  • 38~39歳・・・20%程度
  • 40歳以上 ・・・15%以下
年齢に応じて、妊娠率が下がっている相関関係が見受けられます。凍結卵子の融解後の生存率、受精率、妊娠率を考慮した場合、できれば10個以上の保存が望ましいと考えられているのも納得です。 このデータを見てドキッとされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?「30代で不妊治療をしても妊娠率は30%前後なの?40代だと15%以下なんて…もっと高いと思っていた」と。自分の人生プランの中で妊娠したいときになかなか妊娠できないでは困ってしまいますよね。

採卵って痛いの?麻酔は使える?

採卵数や妊娠率について触れてきましたが、そもそも採卵って痛いの?と頭をよぎる方もいるでしょう。 麻酔の有無はクリニックにより、採卵時に無麻酔なのか、また静脈麻酔か局所麻酔を使用するのかと判断が異なるようです。 痛みの感じ方は個人差がありますし、麻酔をするかしないかは卵巣の位置や卵胞の個数などにより、基本的には先生からの提案となるようです。治療が進む前に先生と話し合ってもいいと思います。

採卵にはどれくらい通院が必要?

クリニックの方針などにより通院回数は変わるようですが下記モデルケースになります。 採卵周期の通院スケジュールのモデルケース ・初回(所要時間:約1時間) 月経の3日目以内にご来院いただき、採血と超音波で卵巣の状態を確認し、卵胞の刺激方法の選択を決定します。 ・2回目(所要時間:約1時間) 月経7~9日目頃です。採血と超音波で卵胞の発育具合を確認して薬剤の量を調整します。 ・3回目(所要時間:約1時間) 月経10~12日目頃です。採血と超音波で卵胞の発育具合を確認して採卵日を決定します。 ・4回目(所要時間:午前中いっぱい) 月経12日目頃に採卵日となります。 「1回の採卵で4回通院と言うことは、4回会社を休む事になるの?」と思いますが、通院1・2回目、3回目は採血と超音波検査などですので、予約をうまく組めれば2時間程度抜けることでしのげるかもしれませんね。

卵子凍結の個数が多いと、費用も高くなるの?

無事に採卵できたら、いよいよ凍結です。よく費用が高額と聞きますが、実際どれくらいなのでしょう?卵子凍結にも段階があり、①採卵準備、②採卵、③凍結、④保管、⑤出庫のステップに応じて費用がかかります。凍結卵子の個数によって変わるのは、③凍結費用④保管費用になります。 各クリニックによって異なりますが、採卵準備から凍結の費用は、卵子の個数によって料金が変わるようです。グレイス杉山クリニックSHIBUYAでは凍結する卵子の数で金額の変更のない「卵子凍結パッケージプラン」を用意しています。値段は400,000円(税別)でプランには、各種検査・排卵誘発剤・局部麻酔・採卵費用・凍結費用が含まれています。 ※ 初回の採卵費用、2回目以降の採卵の場合は30万円(税別) ※ 採卵時に全身麻酔を行う場合は、別途5万円(税別) 保管の費用も各クリニックによって異なりますが、Grace Bankでは、液体窒素の自動供給システムと24時間の温度センサーによるモニタリングと監視システムを備えた大型タンクに一括保管することにより、高品位の保管体制とコストの削減を実現。保管にかかるコストは、初期費用なしの月額3,900円(税別)または年額45,000円(税別)、もしくは初期費用ありの年額30,000円(税別)よりご利用いただけます。 ※料金について詳しくはこちらのGrace Bankのサイトhttps://gracebank.jp/charge/をご覧ください。

費用・身体的負担の面からも、卵子凍結は早めの実施がおすすめ

年齢と共に卵子の妊娠能力は低下し、月経の1周期で採取できる卵子の個数も低下していきます。そのため、高齢になればなるほど、同じ妊娠可能性を実現するには採卵回数を増やす必要があります。 採卵は1周期あたり30~40万円程度の費用がかかるうえ、人によっては投薬で倦怠感を感じたり、検査や投薬・採卵等で複数回の通院が必要になるため、費用以外にもさまざまな負担が発生します。そのため、Grace Bankでは、年齢が早めの卵子凍結をお勧めしています。 Grace Bankでは、基本的には採卵をするご年齢を満40歳の誕生日までとさせていただいておりますが、それ以上の年齢でご希望される場合でも専門医の判断により実施できることもありますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

ここまで、妊娠するために必要な卵子凍結の個数とその費用についてお伝えしてきました。 妊娠に必要な卵子凍結の数は少なくとも5~10個必要で、その数は年齢が上がれば上がるほど多く必要です。 また、凍結卵子の個数が増えると、数によっては凍結費用・保管費用が高くなります。なるべく少ない費用で、かつ少ない通院日数や採卵回数で、必要な数の卵子を採るためにも、卵子凍結は早めにすることがおすすめです。 Grace Bankでは専門医による無料セミナーや、カウンセラーによる個別相談会(いずれもオンライン)を実施しています。専門医による解説で知識と理解を深めたうえで、カウンセラーへの個別相談で個人的な疑問や不安を解消できます。

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▼この記事の監修は…
医師紹介:岡田 有香(おかだ ゆか) 産婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 順天堂大学医学部卒/聖路加国際病院8年勤務 現在まで産科、婦人科全ての領域に携わる。 不妊治療を行う中で、不妊予防に興味を持ち、自身のInstagram(@dr.yuka_okada)でも生理痛や不妊、妊活の知識を発信している。 資格:da Vinci certified First Assistant (ダビンチ認定資格取得術者) 、日本母体救命システム普及協議会J-CIMELSプロバイダー所属学会:日本産婦人科学会、日本生殖医学会、日本女性医学会、日本産科婦人科内視鏡学会、NPO法人日本内膜症啓発会議
▼参考サイト
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