卵子凍結について

30代で自然妊娠する確率は?前半・後半で大きく変わる確率とリスク

社会人として一人前になれるよう頑張ってきた20代を経て、30代を目前にそろそろ結婚や妊娠を視野に入れる女性は、現代社会においては少なくないでしょう。そういった時に、将来的には妊娠を望んでいるけれども年齢が心配な方や、いつまでに妊娠の準備をすればよいのかと疑問を抱く方も多いと思います。または、すでに近い将来妊娠を望んでいるけれど、なかなか妊娠できない、自分の年代ではどれぐらいの確率で妊娠できるのか知りたい、と思う女性もいることでしょう。

女性が社会で活躍する中、将来もしくは現在、自分は妊娠できるのか不安を抱く方へ、ここでは30代で自然妊娠する確率を見ていきたいと思います。

30代前半・後半の自然妊娠の確率

下記のデータからいくと、30代前半(30~34歳)の自然妊娠の確率は1か月あたり18~30%、1年あたり63%に対し、30代後半(35~39歳)の自然妊娠の確率は1か月あたり5~18%、1年あたり52%です。

1周期当たりの妊娠率(※1)

  • 25歳:25~30%
  • 30歳:25~30%
  • 35歳:18%
  • 40歳:5%
  • 45歳:1%

1年間避妊しないで性交渉をした場合の年代別妊娠確率(※2)

  • 20~24歳:86%
  • 25~29歳:78%
  • 30~34歳:63%
  • 35~39歳:52%
  • 40~44歳:36%
  • 45~49歳:5%
  • 50歳以上:0%

(※1、※2とも M.Sara Rosenthal.The Fertility Sourcebook.Third Edition よりデータ引用)

▼自然妊娠の確率については、こちらの記事もご参考にしてください

30代前半・後半の流産確率

妊娠の裏では、流産の確率も付きまとうのも事実です。

下記のデータによると、30~34歳の30代前半の流産確率(平均)は約17.6%とされ、35~39歳の30代後半の妊娠確率(平均)は約24.1%です。年齢を重ねれば重ねるほど、流産の確率も上がってしまうことは、データとしてきちんと表れています。

流産率/総妊娠率

  • 30歳:16.1%
  • 31歳:17.7%
  • 32歳:17.0%
  • 33歳:18.3%
  • 34歳:18.9%
  • 35歳:19.6%
  • 36歳:22.9%
  • 37歳:23.7%
  • 38歳:25.7%
  • 39歳:28.7%

出典:日本産科婦人科学会 ARTデータブック2020

30代前半・後半の妊娠で、子どもに染色体異常があらわれる確率

年齢を重ねてからの出産には様々なリスクが伴うとされています。

ここでいう子どもの染色体異常とは、ダウン症候群など、受精卵が形成される際の染色体異常のことで、その染色体異常が起こる確率は同じ30代でも前半と後半では異なります。

以下のデータによると、30代前半(30~34歳)で妊娠した場合の子どもの染色体異常の確率(平均)は約0.32%、30代後半(35~39歳)で妊娠した場合の子どもの染色体異常の確率(平均)は約0.83%となっています。

女性の年齢と、染色体異常の子どもが生まれる頻度

  • 30歳:0.26%
  • 31歳:0.26%
  • 32歳:0.31%
  • 33歳:0.35%
  • 34歳:0.42%
  • 35歳:0.52%
  • 36歳:0.64%
  • 37歳:0.79%
  • 38歳:0.98%
  • 39歳:1.20%

出典:「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」2013|厚生労働省より

30代前半・後半の妊娠高血圧症候群の発症確率

こちらのグラフは、年齢別にみた妊娠高血圧症候群の発症頻度を表したグラフです。

画像出典:「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」2013|厚生労働省より

上記のグラフからもわかるように、34歳頃から徐々に、妊娠高血圧症候群の発症頻度が高くなっています。妊娠高血圧症候群は、母体死亡や胎児新生児の死亡リスクにつながり、緊急帝王切開になる確率も高いのです。

30代前半・後半の前置胎盤の発症確率

こちらのグラフは年齢別に見た前置胎盤の発症頻度を表したグラフです。

画像出典:「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」2013|厚生労働省より

年齢があがるにつれて、前置胎盤の発症頻度が高くなっています。

前置胎盤は、分娩時の大出血による母体死亡や胎児新生児の死亡リスクにつながります。前置胎盤の場合は、100%帝王切開になります。

30代前半・後半の出産時の死亡確率

こちらのグラフは年齢別に見た妊産婦死亡率のグラフです。

画像出典:「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」2013|厚生労働省より

妊産婦死亡率とは、年間妊産婦死亡数の累計(平成14~23年)を年間出産数(出生数+妊娠満12週以後の死産数)の累計(平成14~23年)で割ったもの(出産十万対)をいいます。37歳頃から、妊産婦死亡率は高くなっています。

30代前半・後半で自然妊娠確率やリスクが変わる理由は「卵子の老化」

30代前半と30代後半では、自然妊娠の確率や、流産・子どもの染色体異常・母体リスクの確率まで大きく違ってきます。

その原因は母体の加齢だけでなく、卵子の加齢による減少および質の低下も一因と考えられます。また、卵子の質の低下=正常な受精卵になるための卵子の機能(妊孕性)低下にもつながり、卵子の質低下は35歳ぐらいから閉経にかけて急激に進行するのです。

30代で安心して妊娠出産するためにできる3つのこと

30代で安心して妊娠出産するためにできることとは何でしょう。それは、

  1. なるべく若いうちに妊娠出産の準備を始める
  2. 女性ホルモンバランスを整える
  3. なるべく若いうちに卵子凍結保存をしておく

この3つが鍵となります。では、ひとつずつ順番に見ていきましょう。

なるべく若いうちに妊娠出産の準備を始め

母体年齢が1歳でも若い方が妊娠出産のリスクが低いとされ、すなわち年齢が若いと卵子が若く、妊孕性に優れているのです。

もうすぐ30代、もしくは現在30代で妊娠を望んでいる人は、基礎体温を測定して、排卵日を正確に把握したり、婦人科で検査をするなど、なるべく早めに準備をすることが大切です。

女性ホルモンバランスを整える

女性ホルモンのバランスを整えるには、疲労回復・バランスのとれた食事・十分な睡眠・適度な運動・リラックスなどが大切です。サプリや漢方も効果があると言われています。生理不順や不正出血などがある場合は、一度婦人科へ行って検査・治療するのもおすすめです。

なるべく若いうちに卵子凍結保存をしておく

若く妊孕性の高いうちに卵子を凍結保存する「卵子凍結」は、将来の不妊治療の際に役立つ可能性があります。

卵子凍結保存の仕組みは、排卵誘発剤を使って卵巣刺激を行い、いくつかの卵胞を育てて採卵に臨みます。そうすることで、1回で複数個の卵子を採取することができるのです。採卵した卵子は、高速で凍結する急速ガラス化法により凍結され、マイナス196℃の液体窒素内に保存することにより、半永久的にそのままの状態を保つことができます。(※1)卵子凍結保存にかかる費用は、麻酔なし、成熟卵9個を凍結・保管した場合で約39万円です。(※2)

35歳を過ぎると、1年ごとに妊娠確率・不妊治療の成功確率などが大きく下がってくるので、1年でも卵子が若いうちに、卵子凍結保存をしておくことが、2年後・3年後の不妊治療の成功率を大きく左右する可能性があります。

卵子凍結、保管サービスを行うGrace Bankは、国内最大級バンクであり、過去25年以上に亘って無事故を誇る安心の保管システムを運用するステムセル研究所と提携し、万全の環境であなたの大切な卵子を保管できます。また、Grace Bankでは国内最高峰の厳選された不妊治療クリニックを全国に組織化しているので、転勤や引っ越しの際でも凍結卵子をどの提携クリニックでもご利用いただけます。(※3)

(※1)自社HPより内容抜粋 卵子凍結とは – Grace Bank(グレイスバンク) | 卵子凍結保管サービス
(※2)自社HPより内容抜粋 費用について – Grace Bank(グレイスバンク) | 卵子凍結保管サービス
(※3)自社HPより内容抜粋 厳選クリニックの全国ネットワーク – Grace Bank(グレイスバンク) | 卵子凍結保管サービス

卵子の数がわかる「AMH検査」とは?

卵子には、大きく分けて質と量の問題があります。30代女性が妊娠するためには、卵子の質と量の違いついても知っておくとよいでしょう。ここまでご紹介した「卵子凍結」では、若い卵子を凍結保存し質のよい卵子の保存ができます。

卵子の量とは、卵巣の中に、あとどのくらいの卵子が残っているかです。卵子の数は、生まれた時点で決まっており、増えることはありません。人により排卵するペースは異なりますが、妊娠を望める期間は限られています。

AMH検査は、抗ミュラー管ホルモン(発育過程にある卵胞から分泌されるホルモン)の値を血液検査により測定し、卵巣の中に卵子がどれくらい残っているかを調べるための検査です。AMH検査の値が低いことがわかれば、妊娠に向けてライフプランを見直すきっかけになるでしょう。今、現状を知っておくことが、赤ちゃんを授かるための近道になるかもしれません。

AMH検査はGrace Bankの提携クリニックで受けられます。お近くのクリニックを探してみてください。

自宅で今すぐできる卵巣年齢チェック

自宅ですぐにできる、卵巣年齢チェックもぜひご活用ください。

LINEアカウントと連携させられるため、LINEからの提携クリニックの予約もできるようになります。

【体験談】となりの卵子凍結~33歳、AMH検査から2週間の決断~

30代前半で、卵子凍結を具体的にするイメージがなかった方が、卵子凍結を2週間で決めた体験談についてご紹介します。

【卵子凍結のきっかけ】

友人に勧められて受けたAMH検査により、卵子の在庫が年齢平均よりも少ないことがわかったのがきっかけでした。これまで生理不順とは無縁で、健康診断などでも基準値から外れることはなく、まさに青天の霹靂だったそうです。今の卵子が質・量ともにベストであると考え、提携の杉山産婦人科の初診まで2週間という短期間で、即決しました。

【グレイスバンクを選んだ理由】

診察を受けた杉山産婦人科がグレイスバンクと提携していたことで、グレイスバンクを知ったそうです。グレイスバンクは、

  • 数々の著名なクリニックと提携している安心感がある
  • グレイスバンクのホームページでの情報発信に信頼感を持てる

ということから、グレイスバンクでの卵子凍結に至りました。

【卵子凍結をしておもったこと】

通院スケジュールはコントロールがむずかしいため、平日朝夜・休日診療を活用したそうです。平日朝や夜間、土日も通えるクリニックを選ぶのも大事なポイントです。また、体験談の女性の場合、短期間で卵子凍結を決意したことから、採血や内診など「実際いつ何をすればいいのか」というイメージをつかみきれないままスタートしてしまいました。卵子凍結を始める前には、グレイスバンクのホームページなどで知識・情報収集しておくと役立ちます。

「たとえ生理不順などの自覚症状がなくても、AMHの値が低いかも知れない」ことを教えてくれる体験談です。将来妊娠したいからこそ、AMH検査を受けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

30代で自然妊娠する確率は、同じ30代前半と30代後半でその確率とリスクは大きく変わります。それは、加齢による卵子の質の低下と数の減少が主な原因とされ、安心して30代の妊娠出産を迎えるためには、なるべく若いうちから排卵日を把握し、女性ホルモンのバランスを整え、なるべく若いうちにAMH検査や卵子凍結保存をしておくことが大切です。

監修者

名倉 優子 なぐら ゆうこ

日本産科婦人科学会専門医


グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)

杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!

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