卵子凍結関連NEWS(海外)

アメリカ発、最新の卵子凍結スタートアップ

日本で不妊症のカップルは6組に1組と言われていますが、アメリカは8組に1組と言われています。

不妊治療に関わるニーズは高く、この分野のビジネスは急成長しており、2026年までに業界の市場規模は410億ドル(約5兆2400億円)に達すると予想されています。(※1ドル=128円換算)

アメリカの不妊治療支援スタートアップは、2020年の2億5400万ドル(約325億円)から2021年には35%増の3億4500万ドル(約441億円)を資金調達しています。

そして、2022年末に誕生した最新のスタートアップが、「コファティリティ(Cofertility)」という企業です。

提供者になることで凍結費ゼロ

この企業は卵子凍結をより安価で身近なものにすることをミッションにしていて、2つのプログラムがあります。

1つは、「キープ(Keep)」。これは通常の卵子凍結で、女性は将来のある時点で使うために自分の卵子を凍結することができます。

もう一つは「スプリット(Split)」。日本では法律で禁じられていますが、採卵した卵子の半分を妊娠できないカップルに提供(卵子提供)することで、本人は無料で卵子を凍結できるというものです。

アメリカでは日本と同じく、不妊に悩むカップルに加え、女性は家族を持つ時期を遅らせています。またLGBTQ+のカップルが卵子提供者を通じて親になるというように、家族の形も多様化しています。

その一方で、現在アメリカでは卵子提供に関して代理店が複雑に入り組んでいて、各代理店は卵子提供者の匿名性を保つために候補者の情報を限られた範囲でのみ開示しています。

また、卵子提供者の数が限られていて、子どもを授かりたいという親たちの需要を満たせていない現実もあります。

卵子提供者と親の関係を作る

コファティリティは、よりオープンで透明性の高いプロセスを採用し、長い申請書を作っています。

スプリットのプログラムに参加するためには、女性はアメリカの生殖医学会が定めた卵子提供のガイドラインに基づく事前アンケートに回答した上で、個人情報を提供するための申請書に記入します。

この申請では、ドナー候補者のライフスタイル、教育、文化的背景、家族の病歴、そして性格に関する情報が集められます。

また、卵子の提供者と妊娠を希望する親が事前に会うことができるようにもしています。

もちろん、卵子凍結をするドナーにとってもメリットがあります。アメリカでは一度の卵子凍結に100万円以上というコストがかかるため、簡単に利用できる人は多くありません。

そのため、ドナーになることで無料で自分の卵子を凍結できるということに魅力を感じる人たちもいるのです。

1000人以上がウェイティング

現在、50人の卵子の提供者がこの新しいプラットフォームに登録されていて、1000人以上がウェイトリストに登録しているとのことです。

スタートしたばかりの企業であるため、いきなり多くの人にサービスを提供することはできないので、これから少しづつ受け入れ人数を拡大していくとみられます。

コファティリティはライドシェア、ウーバーが始めた患者送迎サービス「ウーバーヘルス」の元創始者ローレン・マクラーさんら3人の女性が創業しました。3人とも不妊治療の経験があり、金銭的な理由で一部の人しか卵子凍結ができないという現状を変えたかったということです。

創業者の女性たち。中央がローレン・マクラーさん(コファティリティのホームページより)

どれだけ金額が無料になっても、自分の提供する卵子で子どもが生まれるということを快諾する人がどれだけいるのかという疑問はあります。

ただ、1000人以上がこのサービスを待っているという数字が本当だとすると、卵子凍結をしたい女性と家族を持ちたいカップルの願いが一致するところに、隠れた需要があるのかもしれません。

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