ドクターインタビュー

加藤レディスクリニック 加藤恵一院長|信頼できる技術を見極め、自然に近く身体にやさしい治療を提供

東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅から徒歩4分。都営地下鉄やJRなどの複数路線からもアクセス可能な好立地にある加藤レディスクリニック。体外受精・不妊治療を専門的に行う同院の加藤恵一院長は、産婦人科領域の幅広い診療経験から、妊娠後・出産に至るまでのリスクも考慮し、一人ひとりに向き合う治療を行っています。

クリニックでの診療に加えて、論文執筆や学会発表、海外の関連病院への技術指導など、多忙を極める加藤院長。プライベートでの楽しみはゴルフ。マイルなどの「ポイ活」も行っていて、貯まったポイントで弾丸プチ旅行に行き、各地のおいしいものを食べたり、ゴルフをしたりして休日を過ごしているという一面も。

生殖医療分野の産婦人科医師をめざした経緯やクリニックの特色、女性へのメッセージなどについて、加藤院長にうかがいました。

生殖医療の分野で日々の診療と研究を両立

私が産婦人科医の道を選んだのは、父親が不妊治療を専門的に行う産婦人科医であったことに大きく影響を受けています。生殖医療の分野に進んだのも自然な流れでした。大学に入学するまでは医師の仕事についてあまり知識がありませんでしたが、医学部に入って学ぶうちに、新しい命を生み出す生殖医療は、子どもに恵まれない方が子どもを授かることのできる素晴らしい仕事だと改めて思うようになりました。

研修医時代は、将来的に不妊治療に携わるにあたって、妊娠後の経過を十分に理解するように努めました。特にハイリスクな症例の経験が重要だと考え、分娩や双子の妊娠・出産、婦人科手術など、積極的に受け持つように努めました。

不妊治療に関する知識や技術は、父親から直接教えられたわけではありません。当時の父親が院長を務めていた加藤レディスクリニックに勤務してから、他の先生方と一緒に仕事をする中で学ばせていただきました。

現在の私は患者様の診療を行うととともに論文も執筆しています。臨床と研究の両方を繋ぎ合わせて日々の診療に活かす姿勢は、私が金沢大学の研究室に在籍していたときの上司であった前千葉大学産婦人科教授の生水真紀夫(しょうずまきお)先生の影響を受けています。

生水先生は生殖内分泌や周産期、がんの手術もオールマイティにこなされる先生で、さらには臨床も研究もどちらも手を抜くことなく取り組まれる二刀流の医師でした。臨床から研究に、そして、研究から臨床にとフィードバックしながら相互に関連させる能力は素晴らしいもので、私の尊敬する先生のお一人です。

できる限り負担の少ない自然な妊娠をサポート

双子の妊娠では基本的に早産となることが多く、赤ちゃんも小さくなりやすかったり、お母さんの身体にも負担がかかったりと、赤ちゃんにとってもお母さんにとってもリスクの高い妊娠・出産になります。私が研修医になって3〜4年目の頃に担当した、ある双子の妊婦の方は、幸いにも早産傾向もなく、順調な妊娠経過でした。しかし、帝王切開での出産後、赤ちゃんが大きかったために術後の出血がひどく、お母さんはICUで経過をみることになりました。

私がICUを訪れたとき、その方が人工呼吸器をつけて話せない状態の中、「先生、ありがとうございました」とボードに書いて見せてくださったことは20年以上たった今でも印象に残っています。

当院では、医原性の多胎のリスクは極力なくしたいという思いで、胚移植時には胚を1個しか戻しません。すべての患者さまに対して単一胚移植を採用しており、医原性のハイリスク妊娠をつくらないように心がけています。

できるだけ患者さまの身体に負担の少ない治療方針をとり、患者さまのそのときどきの状態に合わせて足りない部分を補う「自然周期・低刺激周期」による体外受精をメインとした、より自然に近い治療を基本としています。患者さまお一人おひとりで異なる月経周期に合わせた治療を可能とするため、土日祝日を含む365日の診療体制をとっています。

また、当院は担当医制を採用せず、患者さまが来院された日に勤務する医師が診療します。患者さまのホルモン値をその都度確認しながら適宜対応していく診療スタイルをとっているので、基本的なルールを決めた上で、その時々の状態に応じた臨機応変な対応が必要です。判断に迷う場合はその場で他の医師に相談し、確認をとったうえで治療を進めます。担当医制と異なり、複数の医師の目が入るので、一人の医師の意見に偏らないというメリットもあります。

婦人科疾患やそのほかの疾患を合併している場合には、対象となる診療科の主治医に情報を提供した上で確認するように努めています。例えば、子宮筋腫が見つかったときには、このまま妊娠をめざしてもいいか、それとも先に手術をした方が良いか、患者さんが普段かかりつけとしている主治医の意見を聞いてから、不妊治療を開始します。

不妊治療を担当する医師として、患者さまには安全に出産まで進んで欲しいと願うのは当然です。ハイリスク妊娠につながる恐れがあれば、確認をおろそかにせずに対応しています。

加藤レディスクリニック 4階待合スペース

信頼できる技術や設備のみを導入

当院に来院される患者さまは、東京・関東近郊の方が多いですが、遠方からも一定数の方が受診されます。不妊治療を最初に受けるクリニックとして、当院を選択される患者さまも多く、特に不妊治療が保険診療となってからは初診の方が増えていると実感しています。

また、すでに他院で治療を受けた方が当院を受診されるケースも少なくなく、転院されてきた患者さまが一度の胚移植で妊娠されたときや、前医での経過を踏まえて当院で様々な工夫の末に結果に結びついたときは非常にやりがいを感じます。

生殖医療は日々進歩しており、新しい情報に対して、私たちは常にアンテナを張ってキャッチアップしています。しかし、なんでもかんでも新しいものに飛びつくのではなく、信頼できるものだけを導入することを心がけています。論文に書かれている内容や、メーカーが開示している事柄であっても、まずは自分たちで検証することが大切です。

当院では症例数の多さを活かして、自分たちでデータを取り、それぞれの技術の有効性を検証した上で納得のいくもののみを採用しています。また、自分たちでエビデンスを作っていくために、論文も定期的に発表しています。

先進設備を導入した高水準の治療の提供も特徴のひとつです。患者さまの大切な受精卵を育てるためのインキュベーターは、当院が開発に加わったタイムラプスインキュベーターです。一定時間ごとに受精卵の様子を撮影できるカメラが設置されているので、外に取り出すことなく受精卵の成長を確認でき、妊娠率の向上につながっています。

診察までの待ち時間には、不妊治療の基本的な知識や当院の不妊治療について半個室でくつろぎながら動画を視聴し学んでいただけるストークラウンジをご用意しています。診察室での説明前に治療について理解していただくことで、診察時間を短縮でき、患者さまにかかる時間的な負担の低減にもつながっています。

また不妊治療において重要な役割を担う培養士の教育にも力を入れており、培養技術習得のための長期にわたる特別なトレーニングプログラムを実施しています。

加藤レディスクリニック 培養室の様子

患者側が取捨選択できる情報提供を

共働き世帯が多くなり、女性の社会進出が増加しているので、晩婚化や高齢出産の割合が増えていくような傾向は、不妊治療の観点からみると、あまり望ましくない状況です。

そのため、社会全体として、結婚して子供を産み育てたいと思えるような社会にしていく政策を改善すべきだと考えます。仕事をしながら不妊治療を行うためには、企業の理解や協力も欠かせないので、企業を巻き込んだ取り組みは必要となるでしょう。

近年では情報が得られやすくなっているためか、当院に来院される患者さまの年齢層をみると、若い方が不妊治療を始めるケースが増えています。一方で、40歳を過ぎてから初めて来院されて「いつか子どもができると思っていた」「ほかのことを優先していた」という方も多いのが現状です。いくつになっても子どもを産めるわけではなく、医学的に妊娠・出産に適した年齢があるという情報の発信はやはり大事だと感じます。

情報を発信する際に重要なのは、メリット・デメリットもしっかりと伝えた上で公平な情報提供を行うことです。患者さまがその情報に絶対に従った方が良いと捉えるような提供の仕方ではなく、例えば、不妊治療の選択肢のひとつとして卵子凍結もあるというように、患者サイドが適切に情報を取捨選択できる提供の工夫が求められるでしょう。

加藤レディスクリニック 9階待合ラウンジ

まずは一歩を踏み出すところから

当院は不妊治療をした方が良いかどうかの相談はお受けしていないのですが、今後、不妊について気になる女性が、不妊治療を始める段階か、それ以前にすべきことがあるのかなどがわかるセルフチェックシートの導入を検討しています。

年齢や月経周期、今までの治療歴や検査歴などの情報をもとに、40歳以上で月経不順があり、今まで検査をしたことがないという方であれば、「病院にかかってください」というアドバイスや、若くて月経周期が順調な方であれば、「まずは基礎体温をつけてタイミングを取りましょう。パートナーの検査も行うと良いでしょう。」など、何をすべきかがわかるようなチェックシートです。

同じ妊娠をめざすにしても、年齢やこれまでの経過によって、治療成績は大きく変わります。40歳を過ぎてご結婚した方や、結婚後長期にわたり何も取り組んでこなかったという方の中には、情報そのものが届いていないという理由のほかにも、情報はあるものの実際に行動に移せていないという方も少なくないのではないでしょうか。

まずはタイミング指導を受けてみて、それでもうまくいかなければ次の段階へ…というように、はじめの一歩を踏み出すことで前に進みやすくなります。何もしなければ先には進まないので、まずは一歩を踏み出していただきたいと思います。

ただし、素人判断で動くのはリスクもありますので、信頼できる産婦人科医の受診を第一歩としておすすめします。不妊かもしれないと少しでも感じるのであれば、病院を受診し、パートナーと一緒に必要な検査を受けて医師の説明を聞くことが大切です。

※この記事は2023年9月のインタビューを元にしています。最新の情報はクリニックHPをご覧ください。

※加藤レディスクリニックのHPはこちら:https://www.towako-kato.com/

かんたん1分!卵巣年齢チェックかんたん1分!卵巣年齢チェック

お問い合わせ

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム
このクリニックを予約するクリニックHPが開きます。