卵子凍結について

卵巣のう腫の症状や原因は?卵巣のう腫でも妊娠できるかを解説

卵巣のう腫は20〜30代の若い女性にも好発する病気です。「卵巣のう腫があります」と医師に告げられて、不安な方も多いでしょう。

この記事では、卵巣のう腫とはどんな病気か?卵巣のう腫でも妊娠できるのか?ということについて解説していきたいと思います。

卵巣のう腫とは

卵巣のう腫とは、卵巣にできる腫瘍(体の中にできた正常でない細胞のかたまり)で、内容物が入った袋状のものを卵巣のう腫と呼びます。卵巣のう腫の種類によって、袋の中にたまっている物質は脂肪や古い血液など様々です。9割は良性といわれており、20〜30代にも多い良性腫瘍です。

卵巣のう腫の中でも、以下の4つのタイプが多くみられます。

漿液性のう腫発生頻度がもっとも高く、卵巣から分泌される透明の液体「漿液(しょうえき)」がたまったものです。
粘液性のう腫閉経後の女性に多く、ゼラチン状の液体がたまったもので、肥大がみられます。
皮様性のう腫20〜30代の女性に多いのう腫で、胚細胞にできるため、歯や髪の毛などの組織を含みます。
チョコレートのう腫20〜30代の女性に多く、月経の度に出血した血液がたまり、のう腫となります。子宮内膜症が卵巣内に発症したものです。

卵巣のう腫の症状

卵巣のう腫は、初期は自覚症状がないのが特徴です。

のう腫が肥大してくると、以下のような症状が出ます。

  • 外から触れる
  • お腹が膨らむ
  • 腰痛
  • 腹痛
  • 腹部膨満感
  • 便秘
  • おりものの増加
  • 不正出血
  • 茎捻転

なお、卵巣の根本が回転してねじれてしまう「茎捻転」を起こした場合は激痛が生じます。

卵巣のう腫の原因

チョコレートのう腫のできる原因については、月経血の逆流などが考えられておりますが、そのほかの卵巣のう腫の原因については、明らかになっていません。

卵巣のう腫の検査法

問診と内診(触診)のあと、超音波検査を実施します。

袋状ではなくかたまりならば、悪性腫瘍(がん)の可能性があるため、MRIやCTも実施することになります。

卵巣のう腫の治療法

卵巣のう腫には、基本的には自然治癒はありません。小さいうち(目安は5cm以下)は定期通院で経過観察し、大きくなったら手術します。チョコレートのう腫に関しては薬物治療もあります。治療方針によっては、卵巣を摘出することもあるので、妊娠出産を希望する場合はよく医師と相談する必要があります。

卵巣のう腫になったら気をつけること

残念ながら予防法はないため、定期的な通院と検査が大切です。手術をしても、卵巣を温存した場合は再発も考えられます。再発は、チョコレートのう腫で多くみられます。

卵巣のう腫があっても妊娠できるの?不妊リスクに備える対策

卵巣のう腫があっても妊娠や出産が可能です。それには、とくに手術のタイミングを見計らうのがポイントです。

手術で卵巣のう腫を摘出しないまま妊娠すると、のう腫が破れたり卵巣全体がねじれたりするリスクがあります。サイズにもよりますが、妊娠前にのう腫を摘出しておく方が良い場合もあります。

チョコレートのう腫と不妊のリスク

チョコレートのう腫があると、不妊につながりやすいといわれています。

それは、慢性的な炎症があると卵巣や卵管などが周囲の臓器とくっついてしまい、卵子のピックアップ障害(排卵された卵子を卵管がうまくキャッチできないため受精できない)となるケースがあります。そのため、将来体外受精を選択するケースもあるのです。

体外受精にすすんだ場合も、チョコレートのう腫があると良質な卵子が取れにくいとされています。

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35歳以上では、染色体異常や流産、受精卵の発育がとまる可能性が高まるといわれています。若く妊孕性の高いうちに、質の良い卵子を凍結しておくことで、加齢による卵子や卵巣機能の低下の可能性に備えることができます。

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まとめ

ここでは、卵巣のう腫の特徴、症状、治療法などについて解説しました。卵巣のう腫は、経過観察や手術が治療法です。妊娠したい場合は、医師に定期通院で相談することが大切です。卵巣のう腫の種類によっては、卵子凍結も視野に入れてはいかがでしょうか?

▼参照(自社HPより内容抜粋)

監修者

名倉 優子 なぐら ゆうこ

日本産科婦人科学会専門医


グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)

杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!

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