グレイスバンクについてセミナーレポート

私が不妊治療を経て思う、妊娠のベストタイミング

キャリアと出産、どう両立していったらいいの?ベストなタイミングはいつなの?転職する前に出産、それともその後にすべき?

こんな質問が伝説の転職エージェント、森本千賀子さんの元にはたくさん寄せられているのだそうです。キャリアをしっかり築く時期と、妊娠を考える時期が重なることも多く、悩みを抱える女性も少ないと言います。

今回は、「女性のキャリアと卵子凍結の意義」と題したセミナーで盛り上がったポイントをお伝えします。

前半は、森本さん自身が不妊治療で苦しんだ体験を赤裸々告白。しなくて良いのならしてほしくないという体験をシェアした上で、女性が取ることができる選択肢について考えていきます。

森本:新卒でリクルートに入って、25年ほどリクルートの中で人材紹介業をしていました。その間に2人子どもを産みまして、長男は大学1年、次男は中学2年です。

出産を経て、東日本大震災がありました。それまでは組織マネジメントをしてきたのですが、そんな時期に夫が単身赴任になるという衝撃のイベントが発覚。

そこで組織マネジメントからコンサルタントに戻るという選択をして、2010年にもう一度、コンサルタントの業務をやり始めました。2017年に独立し、「morichi(モリチ)」という会社で人材紹介業をメインに、NPOやスタートアップ支援をしたり、理事や顧問などをかけもつパラレルワークをしています。

ちなみに、私と次男は静岡、夫と長男は東京という2拠点生活をしています。

岡田:元は聖路加国際病院で全ての産婦人科の領域を手がけていました。子宮内膜症などの手術をするうちに、症状に気がつかず、手術する直前の段階で総合病院に来る人多いことに気がつきました。

ここに来る前に予防することができたらと思ったのです。子宮や卵巣の病気は、妊娠・出産にも関わるもの。若いうちから知識を身につけて、手遅れになる前に予防できたらと思っています。

キャリア相談ということもあって、森本さんが普段キャリア相談を受ける中で、不妊の悩みは寄せられるのでしょうか?

森本:女性の場合は避けて通れないんですよね。転職と同時に、キャリアを作る上で悩まれている人が多いのがここです。

大体20〜30代のほとんどの人が、不妊や妊活とキャリアプランのセットで相談に見えることがほとんどです。

常にみなさん、キャリアと結婚・出産のタイミングのベストバランスを模索されていて、転職したいけど、そろそろ妊活したいと。そういう時に、転職して妊活する方がいいのか、出産して落ち着いて転職する方がいいのか、悩むのはそこなんです。

私も実は、2人目不妊があって、こんなことがあると初めて知ったんです。33歳で初めての子どもを産みました。この時は、何の計画もなしに「できちゃった」という感じでした。2人目の時は、ほしいと思ったらと作ろうと思って、37歳になっていました。

長男がサンタクロースに「弟がほしい」といっていたので、そこから私も兄弟を作ってあげることを意識しました。

ところが、なかなかできなくて。初めてその原因を私も調べて、そうしたら、37歳というのは妊娠確率が低いということがわかったんです。やっとこさ、子どもができたと思ったら2回流産する経験もしました。

結果的に39歳で2人目を授かったのですが、35歳を境に流産の確率が高くなるというのを37歳に知ったわけです。

不妊治療を焦ってやったのですが、そもそもその時点で妊娠の確率は低かった。自分の体験があるので、相談に来る皆さんにその事実を知ってくださいと語っています。

妊娠や不妊治療に関して、正しい知識を持っている人はほとんどいないんです。

いわゆる流産の確率など正しく理解している人はほとんどいません。皆さん、タイミングで子どもを作るというのですが、そうはいかないよというのが経験からわかること。

出産を望むのならば、それを一番にしてキャリアを組み立てないと難しいのです。

クリアなビジョンを持って、これからキャリアを作るというところで、プライベートも含めて本来はキャリアにも向き合ってほしい

20代のうちに転職して、評価を得て、妊娠期に入る。

または、20代のうちに早めに妊活して出産し、迷惑かけないタイミングで復職する。現職との相談もありますが、そういうキャリアビジョンを考えるのが必要だと思っています。

岡田:自分のことで申し訳ないのですが、ある程度知識はあるので30歳までに妊活しないとまずいと思っていました。

そこで妊活をスタートし、タイミング療法をやって、なんとか妊娠しました。そろそろ2人目がほしいと子どもが言い始めていて….。

でもこの4月からグレイス杉山クリニックに来るということが決まっていたので、妊娠は難しい。そこで、自分の「AMH(アンチミューラリアンホルモン)」の値を測ったんです。これは卵子の在庫がどれだけ卵巣にあるのかがわかるものです。

AMHの値が低くて卵子の在庫が限られているとなれば、前の病院で受精卵を凍結してとっておこうと思っていました。

妊娠のタイミングをはかる上で、受精卵凍結は皆さんもやってもらっていいと思う選択肢です。

森本:今年1年は勝負という年は誰しもあるでしょう。

転職したてで次のグレードに上がるというタイミング。「前倒しキャリア」と言っているのですが、マネジメント業務などを考えた時に、ワーキングマザーで初めてのマネジメントはハードルがとても高いのです。

未知なる課題があって、分厚くて高い壁になって越えられないということが起きる。皆ができるわけではないのですが、前倒しでキャリアを積んで、妊娠期に入るのが理想だなと思っています。

岡田:1人絶対ほしいと思うならそれで大丈夫かなと思います。不妊治療を考えてというのであれば、35歳というのを目安として考えてもらえればと思います。

森本:リクルートの後輩たちは、「不妊治療は35歳からする」みたいな考えを持っていたりしました。

35歳までは妊娠できると思ってしまう。35歳以降は不妊治療をして出産しようと、都合よく思っていたりするんです。

岡田:35歳は妊娠が難しい人が出てくる年齢です。不妊治療をやれば大丈夫だろうと言うのが前提としてあるので、お子さんを持って欲しいという気持ちで日々治療に当たっていますが、それでも難しい人がいるのが現実です。

森本:不妊治療は、こんなに辛いものだと体験して初めてわかりました。37歳の時で、日に日に「卵子が老化する」という焦燥感もあり、これ本当に時間と労力とお金、この3点セットでやってくるんです。そして本当に仕事しながらって過酷すぎますよね。

夫が出張とかいうと、殴りたくなりました(笑)夫婦仲にも影響するというか。不妊治療を仕事を続けながらやるのは、メンタルの方が辛かったですね。

堂々と不妊治療していると言えなかった時代でもありました。女性たちには、経験しないでいいのだったらしないでほしい。

岡田:私たちも、望んでいる人にはできるだけ早く妊娠してほしいし、手を打つのは早いに越したことはないです。

森本:我が家は子どもが2人ですが、1人目の子どもに兄弟を作ってあげたいと思ったりするじゃないですか。高齢に差し掛かったので、難易度が高かったです。

岡田:兄弟を作るということを考えたら、1人目を早く持つということですね。2人希望するなら、意外と27歳が自然妊娠のリミットなのです。意外と早いんです。

森本:誰も知らないですよ。それは教えてくれないですよね。

キャリアビジョンを考えて、プライベートも含めて、子どもが1人なのか2人なのか。理想をイメージしておくといいですね。イメージしないと実現しないので、このイメージは大前提として大事だろうと思います。

仕事と不妊治療の両立、どうだったでしょうか。

森本:不妊治療中は仕事も集中できませんでした。

36歳の後半くらいから不妊治療を初めて、長男がいたので、もう不妊治療やめようよと。「ああ、仕事にフォーカスしよう」と思ったんです。

そう思ったら妊娠しました。2回の流産を経て、3回目で生まれたのですが、ストレスって大きく影響していると思っています。

私の場合は不妊治療のストレスだったけれど、仕事のストレスも影響すると思っていて、転職したいと思うようなストレスフルな環境は妊娠を考えた時にもいいことではないと思っています。

ストレスのない、イキイキとやりがい持って向き合えるというのが、妊娠につながると思うのです。

我慢して出産のために、子どものためにと考えても、正直そのストレスは不妊につながるのではと思ってしまいます。環境を変えるのは、妊娠の環境を変える意味でも良いのではと。

転職先に迷惑かけることになっても、後で恩返しすればいいじゃない、と考えています。多大なるストレスを抱えて、今の仕事に固執するのはお薦めしません。

岡田:私も、ストレスは妊娠によくないと思います。環境が良くなければ、それを変えるのは一つの方法。

不妊治療のストレスはあるので、少し治療を休む人もいるし、そこでできる人もいる。治療も無理をしないようにやっていくのも大事だと思っています。

今は誘発方法が様々あり、少ない回数で治療することもできるので、相談しながらやっていけます。

森本:転職にも労力が必要です。集中しないといい転職にならないので、でもそうすると「妊活を休むのか」と思ってしまう。

卵子が老化していくというのがあるので、半年、1年でも老化してしまう。少しでも若い方が妊娠率が高くなるので、そういう意味でも、就活、転職活動に向き合う上でも、卵子凍結は選択肢としてあるのかなと思います。

卵子の年齢を、今の年齢でストップさせるというのは、気持ち的にも楽になり、一旦は仕事に向き合おうとも思えると思います。

考えている以上に不妊治療はコストがかかります。あまりに出費がひどくて、麻痺してきます(笑)

「ここまでやったら意地でも!」って思うとさらに治療が続くので、気がつくとトータルでそれなりの投資をしていることに。それでいて、できないとなると疲弊しかないわけです。

その分を前倒しして卵子凍結に使うというのは、中長期的にものすごくリーズナブルだと思っています。私の時代は自由にできる時代ではありませんでした。私にかつてそういう選択肢があったら、絶対とっていたと思います。

岡田:受精卵を凍結してとっておくことができるので、受精卵にしておけば、妊娠を先送りできるわけです。

森本:それは素晴らしいですよね。キャリアを考える上でも、そんな手段はないですよね。

岡田:卵子凍結した人は、妊娠・女性の体についても知識がつくので、社会的卵子凍結した人はパートナーが見つかったり、凍結した卵子を使う人も出てきています。

大きなデータはないのですが、アメリカなどではそれが出てきているのを見ると、卵子凍結がもたらした精神的な安心があるのかなと思います。

森本:子どもを作らなくてはというプレッシャーを持っての婚活や恋愛だと、相手への印象も違うと思うんですね。

私は婚活ビジネスもしていて、男性がなぜ相手の女性を考えた時に「30代前半まで」というかというと、子どもが欲しいと。子どもができやすいからだと。

男性はそういう指定をしてくるのですが、その点は卵子凍結をしておけば、幅広く考えられるのではないかと思います。

対象の男性も広がるのではないではないかと思うのです。年齢の制限を相手がしていたけれど、「私は卵子凍結しています」というのはあるかもしれないですね。そういう方法があれば、年齢関係なくと言っている男性もいました。

岡田:男性にも男性の年齢があるということを知ってもらいたいですね。

35歳から、だんだん精子の質が落ち込んでいくので、お互いがいいタイミングでいけるよう考えるのがいいですね。

森本:なんの躊躇もなく、アクセルを踏み込める状態を作っておく。チャンスがいつ来るかわからないでしょう。可能性を考えたら、今じゃないと躊躇しないといけないのは残念なことです。

迷わなくてもいい、チャンスが来た時に取りに行けるというのは、卵子凍結という手段があることを考えたら、ラッキーなことなんです。私は選ばない手段はないと思ってしまいますね。

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