卵子凍結について

生殖補助医療に欠かせない存在「胚培養士」とは?|「卵のお母さん」グレイス杉山クリニックSHIBUYA胚培養士長五十嵐さんインタビュー

卵子凍結をはじめ、体外受精・顕微授精などの不妊治療において重要な役割を果たすのが「胚培養士」です。胚培養士とは、胚(受精卵)の培養や保存を担う専門職で、妊娠率などはその力量に左右されるとも言われています。今回は数多く卵子凍結の実績があるグレイス杉山クリニックSHIBUYAの胚培養士長を務める五十嵐さんに胚培養士の仕事のやりがいや大切にしていることについてインタビューしました。

「胚培養士」とは?

胚培養士は、胚(受精卵)を培養・保存したり、精子を調整し、体外受精や顕微授精を行う生殖補助医療技術のスペシャリストです。卵子の採卵や受精した胚の移植は医師が行いますが、採卵された卵子が培養室に運ばれてから、卵子の管理・観察をしながら培養し、移植できる状態に育てるまでは胚培養士の仕事となります。その他にも、患者さんと直接対面してヒアリングを行ったり、培養の状況や経過を報告したりすることもあります。

日本では、令和4年(2022年)に「生殖補助医療」によって7万7千人が誕生しています。これは、全出生児約81万人の8%にあたり、約12人に1人が生殖補助医療によって誕生したという割合になります。

また、不妊を心配したことがある夫婦は約4割で、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在も受けている)夫婦は22%、夫婦全体の約4.4組に1組と言われています。

出典:国立社会保障・人口問題研究所「年社会保障・人口問題基本調査」

このように不妊治療がメジャーになりつつある日本では、胚培養士は欠かすことのできない存在なのです。

参考:厚生労働省 不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック

グレイス杉山クリニックSHIBUYAの培養室をご紹介

ここで、グレイス杉山クリニックSHIBUYAの培養室をご紹介します。

グレイス杉山クリニックSHIBUYAは渋谷駅から徒歩4分、宮下公園向かいのcocotiビル5階にある卵子凍結とプレコンセプションケアにフォーカスしたクリニックです。

まず、採取した卵胞液から卵子を採取します。卵子のサイズは0.1ミリで、極細のガラス管を使いながら卵子を扱います。

実際に使用するガラス管

こちらが卵子の操作を行う作業台(=クリーンベンチ)です。フィルタを通した空気がファンで循環しており、内部に埃や汚染物質が入りづらくなっています。クリーンベンチの中には、採卵した卵の観察や凍結作業をするための顕微鏡があります。顕微鏡の下には、温度を37℃に保つためのヒーターがついています。

クリーンベンチ
顕微鏡の下には、温度を37℃に保つためのヒーターがついている

採卵直後の卵子は、インキュベーターの中で卵子に適した温度・湿度・ガス濃度で一時的に保存します。この中で未成熟卵子が成熟卵子に育つこともあります。

インキュベーター
採卵直後の卵子を卵子に適した温度・湿度・ガス濃度で一時的に保存する

凍結タンクにはマイナス196℃の液体窒素が充填されており、卵子を凍結保管します。バーコードで管理し、取り違いを防ぎます。

凍結タンクにはマイナス196℃の液体窒素が充填されている

「卵のお母さん」グレイス杉山クリニックSHIBUYA胚培養士長五十嵐さんにインタビュー

今回は、令和4年4月の開院からグレイス杉山クリニックSHIBUYAの胚培養士長を務める五十嵐さんにインタビュー。胚培養士の仕事のやりがいや大切にしていることを伺いました。

グレイス杉山クリニックSHIBUYA胚培養士長五十嵐さん プロフィール

五十嵐東美さん(臨床検査技師・不妊カウンセラー)


産婦人科クリニックで臨床検査技師・培養士を務め、令和4年4月のグレイス杉山クリニックSHIBUYA開院時に胚培養士長に就任。胚培養士・不妊カウンセラーとして卵子凍結のオンライン個別相談会も開催している。ご予約はこちらから→https://grace-sugiyama.jp/onlinesoudan

「卵のお母さん」、ひとつひとつの卵子に真剣に向き合う。五十嵐さんのこだわりとは?

Q:胚培養士になろうと思ったきっかけを教えてください。

もともとは臨床検査技師として働いていましたが、クリニックで働く中で、月経不順に悩む女性や不妊治療患者の多さを感じました。当時尊敬していた先生が生殖補助医療に携わっていたこともあり、私も生殖医療に携わるために胚培養士の道に入りました。
胚培養士として働き始めてからは、不妊治療の辛さに泣いてしまう患者さんも多く、そこで不妊カウンセラー(※)を取得しようと思いました。
私たち胚培養士は普段は培養室にいるので、患者さんと顔を合わせることがありません。ただ、大切な卵子を預けるのだからこそ、患者さんも顔が見えたほうが安心できると思うし、私自身、患者さん・患者さんの卵子への思いがより強くなるので個別相談会を開催しています。個別相談やカウンセリングではその人の本当の悩みを掘り起こし、少しでも解決のお手伝いができればいいな、と思っています。

※不妊カウンセラーとは
日本不妊カウンセリング学会の認定資格。不妊で悩んでいる人々に対して、妊娠・出産や不妊に関する適切な情報提供活動を行い、カップルが最適の不妊治療を選択することができるよう不妊カウンセリング・ケアの実践や研究活動を行う。妊娠に関する医療知識や薬学、栄養学等の幅広い知識に加えて、心理カウンセリングの技法など精神的なサポートを行うための知識も有する。

Q:胚培養士のやりがいを教えてください。

胚培養士のやりがいは、不妊に悩む方の役に立てることです。不妊治療の末、赤ちゃんが生まれた、と聞いたときは私もとてもうれしいです。体外受精の結果、赤ちゃんを授かったお母さんが、「五十嵐さんがあなたが卵だった時のお母さんよ」と赤ちゃんに言った言葉は今でも忘れられません。

Q:胚培養士の仕事で大変なことや辛いことなどあれば教えてください。

不妊治療の成功率は100%ではありません。私たちもどうにかして成功させたいのですが、試行錯誤してもうまくいかないときなど、患者さんと卵子のために何もしてあげられないときはとても辛いです。
不妊治療はカップルが不仲になる原因でもあります。そもそも不妊治療に臨んでいなかったら、不仲になること自体なかったかもしれないと思うと、やるせない気持ちになります。

Q:胚培養士として大切にしていること・気を付けていることはありますか?

胚培養士として気を付けているのは、卵子の質を少しでも落とさないことです。体外に取り出した時点で、卵子の質の低下は始まります。少しでも卵子に悪影響を与えないように、まずはすぐに培養液に入れ、卵子が好む温度(37℃)を保つことなど、卵子にとって適した環境に保つことを強く意識しています。
大切にしているのは、ひとつひとつの卵子にしっかりと向き合うことです。実は「元気に育ってね」と卵子に話しかけるほどです(笑)
グレイス杉山クリニックSHIBUYAでは精液検査もしていますが、精子もひとつひとつがまっすぐ泳いでいるか、形はどうかなどを観察します。
また、技術の維持と知識のアップデートは心掛けています。

Q:グレイス杉山クリニックSHIBUYAの特徴を教えてください。

卵子凍結とプレコンセプションケアにフォーカスしたクリニックならではの前向きで明るい雰囲気があります。
卵巣に残っている卵子数の目安を知るAMH検査は、当日結果をお伝えすることができますので、働く女性や日々忙しい女性に寄り添ったクリニックだと思います。

Q:卵子凍結を検討中の方へメッセージがあればお願いします。

子どもを産む・産まない、卵子凍結をする・しないに関わらず、まずは卵子凍結やプレコンセプションケアについて知ってほしいです。
特にプレコンセプションケアは、若いうちから触れてほしい考え方です。年齢を重ねるごとに卵子の数・質は落ちます。年齢を重ねてから、いざ子どもが欲しいとなったときに、卵子凍結などの選択肢を知らなかったことで、後悔することがないようにしてほしいです。
若い世代が、卵子凍結やプレコンセプションケアに触れる機会が増えてくれるとうれしいと思いますし、私も個別相談会やカウンセリングで発信していきたいと考えています。
プレコンセプションケアは女性だけではなくもちろん男性にも知ってほしい考え方です。
また、卵子凍結は確かに採卵時の出産率を保つことができます。だからといって妊娠自体を先延ばしにしていいというわけではありません。出産や、出産後の子育ても意識して計画的に卵子凍結に臨んでいただくことをおすすめします。

卵子凍結のご相談はグレイス杉山クリニックSHIBUYAへ|卵子凍結パッケージのご紹介

グレイス杉山クリニックSHIBUYAでは、各種検査、排卵誘発剤、局部麻酔、採卵・凍結費用を含む未受精卵凍結(卵子凍結)について、凍結する卵子の数に関わらず、38万円(税込価格41万8千円、初回採卵時)のパッケージ料金で提供しています。

さらには、2023年12月1日より凍結個数に応じた返金プランがスタートし、採卵終了後、凍結個数が5個以下だった場合には、採卵日に5万円の返金があります。

料金はこちら⇒https://grace-sugiyama.jp/price

また、東京都の「卵子凍結に係る費用への助成」(最大30万円)の利用も可能です。これまで経済的なハードルで卵子凍結に踏み出せなかった女性も卵子凍結に踏み出せそうですね。

卵子凍結保管サービスは「Grace Bank」がおすすめ

グレイス杉山クリニックSHIBUYAをはじめ、生殖補助医療の実績ある提携クリニックで採卵した卵子を、安心して保管できるのが卵子凍結保管サービスGrace Bankです。クリニックの保管とは異なり、もし将来転勤などで居住地が変わっても、凍結した卵子を使える安心感があります。

【Grace Bankの特徴】

  • 確かな実績を持った経験豊富な生殖補助医療クリニックと提携。将来の体外受精時には、凍結卵子をどの提携クリニックでも利用可能
  • クリニック内の小型タンクによる保管とは異なり、さい帯血バンクのステムセル研究所と提携し、25年以上無事故を誇る専用大型タンクで一括管理
  • 保管施設は地震や津波に強いエリアに設置され、停電対策も万全、安心のシステムで大切な卵子を保管

保管費用は初期費用として55,000円(税込)、保管費用として年払い38,500円(税込)または月払い3,850円(税込)の2つのプランからお選びいただけます。

卵子凍結について興味がある方・実際に検討されている方は、ぜひGrace Bankの無料セミナー等もご活用ください。

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