生理中に情緒不安定になることはありませんか?イライラしたり急に落ち込んだり、自分ではどうすることもできない情緒の乱れは辛いものですよね。今回は、生理中に情緒不安定になる理由と解決法についてお話しいたします。ぜひお役立てください。
目次
生理中の情緒不安定の原因
生理中に情緒不安定になる原因として、PMS(月経前症候群)が考えられます。PMSとは、排卵から生理までの期間に心身の不調が生じる病気です。排卵から生理までの間に急激に分泌される黄体ホルモンにより引き起こされると考えられています。女性の60%に何らかのPMS症状があるといわれています。PMSは生理開始とともに軽快・消失することがほとんどですが、生理中は生理痛などの身体的不調が起きるため、情緒の不安定も続くことがあると考えられます。
生理中の強い情緒不安定は病気かも
PMSで、日常生活に支障をきたすような心の症状がある場合は、月経前不快気分障害(PMDD)と診断されることもあります。症状は個人により出方が異なりますが、感情が不安定(イライラ、自己否定、攻撃的になる)、疲れやすさやだるさ、集中できない、過食になる、眠いもしくは眠れない、身体症状(むくみ、胸の張り、関節痛など)などがあります。
生理中の情緒不安定の対策3つ
生理中の情緒不安定を和らげる対策をご紹介いたします。
セルフケア
まずは、自分の症状のリズムを知ることが大切です。そして、自分に合ったセルフケアを実践してみましょう。
だるい、集中できないやる気がでない時にはツボ押しやアロマバスで疲れを癒すのがおすすめです。全身の血行を良くし、筋肉をほぐしてくれるストレッチもおすすめです。
イライラする時は休息が何よりも大切です。しっかり食べてよく眠りましょう。フットバスや半身浴で体を温めると気持ちよく眠れます。ヘッドマッサージもおすすめです。寝具の調整も大切です。
不安症状が強い方は、日ごろから少しでも楽しい気分になれることやのびのびとした気分になれることを探して気分転換してみてください。リラックスできるハーブティーがおすすめです。
情緒不安定の時には、カフェイン、アルコール、喫煙は控えるようにしましょう。仕事を調整したりセーブしたりして、休養をとることも大切です。
周囲の理解を得る
家族、彼氏や彼女などパートナーの理解を得ることはとても重要です。周囲に理解してもらえている安心感は情緒の安定につながります。情緒不安定の症状が強い時に、優しくしてほしいのか、放っておいてほしいのかなど話し合っておくことも大事です。
ピル・薬・漢方の服用
症状が強く辛い場合には無理せず薬に頼ることも大切です。まずは医師に相談してみましょう。症状に合った薬を処方してもらうことができます。
ピルの服薬
今すぐは妊娠を希望していない人には低用量ピルの服用が効果的です。低用量ピルは現在PMS治療の最もポピュラーな薬になっています。低用量経口避妊薬(OC、低用量ピル)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)で排卵を止め、女性ホルモンの変動をなくす治療法です。一時的に排卵を止めるだけなので、その後の妊娠には影響ありません。
症状に適した服薬
症状に適した服薬は、つらい症状が緩和され、気持ちが楽になります。頭痛や腹部痛には鎮痛剤、むくみには利尿剤、精神的症状には精神安定剤などが処方されます。症状が強い場合は、抗うつ薬という選択肢もあります。
漢方の服薬
気軽にPMSの症状を改善したい人、PMSの症状がそれほど重くない人、妊娠を希望している人には漢方の服薬がおすすめです。医師に相談してから体質にあう漢方を服用するとよいでしょう。
当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん) | 体力虚弱、冷え症で貧血、疲労しやすい、下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などの症状 |
加味逍遥散 (かみしょうようさん) | のぼせ感、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、便秘などの症状 |
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) | 下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどの症状 |
つらい生理中の情緒不安定は、早めに婦人科で治療を
PMSやPMDDは、きちんと排卵を伴っている人に多い症状です。きちんと排卵しているからこそホルモンの影響で生理中に情緒不安定になりやすいとされています。一方で、PMSやPMDDは女性ホルモンバランスの乱れやストレスなども複合的な要因で起こるともいわれています。女性ホルモンバランスの乱れは、子宮や卵巣にダメージを蓄積し、将来の不妊につながる可能性があります。PMS・PMDDの症状が気になる人、いつか子供がほしいと思っている人は、早めに婦人科を受診して、生理の悩みを解決しておくことをおすすめします。
生理のたびに卵子は減って老化する~将来に備える卵子凍結保存~
女性が生まれたときに持っている卵子の数は100~200万個といわれていますが、その数は加齢とともに自然に減少していき、10代では30~50万個、20代では10万個、30代では2~3万個、閉経時では1,000個になってしまいます。1回の生理のたびに1,000~2,000個の卵子が消滅しています。人間は生まれてから卵子の数が増えることはなく、増やす方法もありません。また、加齢に伴って、卵子の「質」も低下していきます。卵子の質の低下は、妊娠確率の低下や染色体異常発生のリスクの増加につながります。
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こちらに、実際に卵子凍結をされた方の体験談が掲載されています。ぜひ参考になさってみてください。
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私はもともとPMS(月経前症候群※2)によって気分が落ち込みやすいのですが、卵子凍結以前は「将来子どもが欲しいのに前進できていない」とネガティブな状態になってしまい、その時期は何をするにもつらかったのです。
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https://gracebank.jp/magazine/taiken/tonatama02/
まとめ
生理中の情緒不安定はPMSやPMDDの可能性があります。今回ご紹介した様々な対処法を実践してみてください。PMSやPMDDは、きちんと排卵のある生理が起こることで発症しやすくなります。しかし、辛い情緒不安定の原因には、女性ホルモンバランスの乱れ・ストレスなども関係していると考えられ、放置すると子宮や卵巣にダメージを蓄積し、将来の不妊につながる可能性もあります。将来の妊娠に備えるGrace Bankの「卵子凍結保存」も考えてみてはいかがでしょうか?
▼参考文献
- 不調をなおしてキレイになる女性ホルモン基本事典 私のクリニック目白院長平田雅子監修
- 噂の女医がこっそり教える 女の不調が消える本 吉本伸子
- 生理(月経)のトラブルがつらいときの本 ウィメンズ・ウェルネス銀座クリニック 対馬ルリ子 総監修
- 女性のからだ ちょっとした不調をなくす本 医療法人社団ウィメンズ・ウェルネス理事長 対馬ルリ子
- 不安と疑問にわかりやすくお答えします 月経痛と月経困難症 産婦人科医・医学博士安達知子
名倉 優子 なぐら ゆうこ
日本産科婦人科学会専門医
グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)
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