卵子凍結について

35歳で妊娠したい!卵子凍結のメリット・デメリット、費用、妊娠率を徹底解説

35歳を迎えると、妊娠について真剣に考え始める女性も多いのではないでしょうか。仕事やパートナーとのタイミングなど、様々な理由で今すぐ妊娠が難しい場合、卵子凍結という選択肢があります。この記事では、35歳で卵子凍結を考える際のメリット・デメリット、費用、妊娠率、クリニックの選び方など、知っておくべき情報を徹底解説します。

卵子凍結は、将来の妊娠の可能性を広げる一つの手段となりますが、妊娠を保証するものではなく、高額な費用もかかります。この記事を読むことで、卵子凍結の現実的な側面を理解し、ご自身のライフプランに合った選択をするための判断材料を得ることができます。

35歳からの妊娠、そして卵子凍結について、正しい知識を身につけて、将来への不安を少しでも解消しましょう。体外受精や人工授精などの他の選択肢についても触れているので、自分に最適な方法を見つけるための参考にしてみてください。

目次

35歳からの妊娠と卵子凍結の基礎知識

晩婚化が進み、35歳以上で初めて妊娠・出産を経験する女性も増えています。しかし、年齢を重ねるにつれて妊娠は難しくなるのも事実です。そこで、将来の妊娠に備えて卵子凍結という選択肢が注目されています。この章では、35歳からの妊娠と卵子凍結の基礎知識について解説します。

35歳で妊娠を考える理由

35歳で妊娠を考える理由は人それぞれですが、大きく分けて以下の3つの理由が挙げられます。

  • キャリアを積んでから出産したい
  • 経済的に安定してから出産したい
  • 最適なパートナーと出会ってから出産したい

現代社会では、女性も男性と同様にキャリアを追求する傾向が強まっています。そのため、ある程度のキャリアを積んでから出産を考えたいという女性が増えています。また、子育てには経済的な基盤も重要です。経済的に安定してから出産したいと考えるのも当然のことでしょう。さらに、人生のパートナーとじっくり時間をかけて出会い、結婚してから出産したいという女性も少なくありません。

35歳女性の妊娠率

女性の妊娠率は、加齢とともに低下していくことを理解しておく必要があります。自然妊娠の確率は20代後半をピークに徐々に低下し、35歳では20代後半と比較して約半分になると言われています。さらに、40歳を超えるとさらに妊娠率は低下します。

1周期当たりの妊娠率(※1)

  • 25歳・・・25~30%
  • 30歳・・・25~30%
  • 35歳・・・18%
  • 40歳・・・5%
  • 45歳・・・1%

(※1)婦人科ラボ「実は思っているほど高くない「自然に妊娠できる確率」」よりデータ引用

また、35歳以上では流産の確率も高くなります。これは、加齢とともに卵子の染色体異常の発生率が高まるためです。これらのデータはあくまで統計的なものであり、個人差があることを理解しておく必要がありますが、年齢が妊娠に与える影響は無視できない要素です。

卵子凍結とは何か

卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、若い頃の卵子を凍結保存しておく技術です。卵子は加齢とともに老化し、質が低下していきます。卵子凍結は、この卵子の老化を防ぎ、将来の妊娠の可能性を高めるための手段として有効です。具体的には、排卵誘発剤を用いて複数の卵子を採取し、特殊な液体で急速凍結した後、液体窒素でマイナス196℃の超低温で保存します。凍結保存した卵子は、将来妊娠を希望する際に解凍し、体外受精に使用されます。

卵子凍結の一般的な流れ

卵子凍結の大まかな流れは以下の通りです。クリニックによって多少の違いはありますが、一般的な流れを把握しておきましょう。

  1. カウンセリングと検査:医師によるカウンセリングと、血液検査や超音波検査などを行います。
  2. 排卵誘発:注射や内服薬を用いて、複数の卵胞を育てます。
  3. 採卵:腟から針を刺し、卵胞から卵子を吸引します。静脈麻酔を使うため、痛みはほとんどありません。
  4. 卵子凍結:採取した卵子を凍結保存します。
  5. 保存:凍結した卵子は、液体窒素でマイナス196℃の超低温で保存されます。

これらの過程には、それぞれ数日から数週間の期間がかかります。また、通院回数も複数回必要です。具体的なスケジュールや費用については、クリニックに相談しましょう。

卵子凍結の3つのメリット

卵子凍結は、将来の妊娠の可能性を広げるための選択肢として、多くの女性にとって希望となる技術です。35歳を過ぎると妊娠率は徐々に低下していくため、将来妊娠・出産を希望する女性にとって、卵子凍結は将来への安心材料となるでしょう。ここでは、卵子凍結の主なメリットを3つの視点から解説します。

将来の妊娠の可能性を高める

加齢とともに卵子の数は減少し、質も低下していきます。卵子凍結は、若い頃の質の良い卵子を保存することで、将来の妊娠の可能性を高める効果が期待できます。35歳という年齢で卵子凍結を行うことで、将来の妊娠に対する不安を軽減し、より積極的に人生設計を描くことができるでしょう。

妊娠のタイミングを自身でコントロールできる

卵子凍結をすることで、妊娠のタイミングをコントロールすることが可能になります。すぐに妊娠を希望しない場合でも、将来妊娠したいと思った時に、若い頃の卵子を使って妊娠を試みることができます。結婚や出産の時期を自身で決められるという点は、大きなメリットと言えるでしょう。ただし、「必ず妊娠できる」という保証はないことは理解しておく必要があります。

加齢による卵子の老化を防ぐ

卵子は年齢とともに老化し、染色体異常のリスクが高まります。卵子凍結は、卵子を凍結保存することで老化を防ぎ、将来妊娠した際に染色体異常のリスクを低減できる可能性があります。高齢出産のリスク軽減にも繋がるため、将来健康な赤ちゃんを産みたいと考えている女性にとって、有効な手段となるでしょう。

仕事やキャリアとの両立

現代社会において、多くの女性が仕事やキャリアを追求しています。しかし、妊娠・出産は女性のキャリアに大きな影響を与える可能性があります。卵子凍結は、キャリアを優先しながらも、将来の妊娠の可能性を残すことを可能にします。

キャリア形成に集中できる

卵子凍結によって、妊娠・出産のタイミングをコントロールできるようになるため、キャリア形成に集中することができます。仕事に専念できる期間を確保することで、キャリアアップやスキル向上を目指せるというメリットがあります。

出産後のキャリア復帰への不安軽減

出産後、育児と仕事の両立に苦労する女性は少なくありません。卵子凍結は、出産後のキャリア復帰に対する不安を軽減する効果も期待できます。出産前にキャリアを築き、出産後にスムーズに職場復帰できる可能性を高めることができるでしょう。

パートナー探しの焦りを軽減

晩婚化が進む現代において、パートナー探しに悩む女性も少なくありません。卵子凍結は、パートナー探しの焦りを軽減し、より良いパートナーシップを築くための時間を確保する助けとなります。

理想のパートナーと出会うための時間を確保

年齢を理由に焦ってパートナーを選ぶ必要がなくなり、理想のパートナーと出会うための時間を確保できます。焦らずじっくりと相手を探すことで、より幸せな結婚生活を送る可能性を高めることができるでしょう。

結婚のプレッシャーからの解放

周囲からの結婚や出産に関するプレッシャーを感じている女性にとって、卵子凍結は精神的な負担を軽減する効果があります。将来の妊娠への備えをすることで、結婚に対するプレッシャーから解放され、自分らしい生き方を選択できるようになります。

婚活市場で35歳の壁があります。一般的に加齢に伴って妊娠しにくくなり、35歳以上の出産は高齢出産と言われ、男性にもそれは浸透し、子どもが欲しい男性が、年齢によるリスクから、希望する女性の年齢を35歳で区切って、若い女性を望むのを目の当たりにしてきました。

年齢でまず、切り捨てられることが辛いです、、、涙。

将来妊娠の可能性を広げてくれる『卵子凍結』という言葉と理解が、女性だけでなく婚活市場にいる男性にも広がってもらいたいと思いました。私は凍結していることを公言しようと思います。

引用:私がした卵子凍結⑩~その後の思い・婚活と卵子凍結~

卵子凍結をする前は、「私がした卵子凍結①」で書いているように、破局、苦戦する婚活、加齢に焦りを感じ、将来が不安でいっぱいで何か追い詰められているかの日々を送っていました。このストレスのせいなのか、顔にずっと繰り返す、治らないニキビが20個くらいあったんです泣。それが卵子凍結を決め、動き始めたくらいからスーッと焦る気持ちが消えていき、同時にその肌荒れが良くなり、今は全くなくなりました。きっとどうにもならない焦りが相当、心のストレスだったんですね、、、。

そんなこともありましたが、私は卵子凍結をした今、とても毎日を楽しく生きています!!卵子凍結をして、特に気持ちの面では変わりました。

引用:私がした卵子凍結⑩~その後の思い・婚活と卵子凍結~

卵子凍結の3つのデメリット

卵子凍結は、将来の妊娠の可能性を広げる有益な技術ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。しっかりと理解した上で、自分に合った選択をすることが重要です。主なデメリット4つについて解説します。

妊娠を保証するものではない

卵子凍結は、将来の妊娠を100%保証するものではありません。解凍した卵子の生存率や受精率、着床率は100%ではないため、複数の卵子を凍結しておくことが推奨されます。さらに、妊娠には卵子の質だけでなく、子宮の状態やホルモンバランスなど、様々な要因が関わってきます。卵子凍結はあくまで妊娠の可能性を高める一つの手段であり、妊娠を確約するものではないことを理解しておく必要があります。卵子の質は年齢とともに低下していきます。35歳を過ぎると卵子の老化が加速し、染色体異常の発生率も高まります。そのため、卵子凍結を行う年齢が遅いほど、凍結した卵子を使用して妊娠できる確率は低くなります。35歳で卵子凍結を行う場合、妊娠率は20代と比べて低いことを理解しておく必要があります。もちろん、個人差はありますが、年齢による卵子の質の低下は避けることができないため、できるだけ早く卵子凍結を行うことが望ましいです。

費用が高額

卵子凍結は、採卵、凍結、保管、そして将来の融解・体外受精/顕微授精といった費用がかかります。クリニックによって費用は異なりますが、一般的に1回の採卵で30万円~50万円程度、年間の保管費用で5万円程度が相場です。複数回採卵する場合や、長期間保管する場合、費用はさらに高額になります。また、凍結した卵子を使って体外受精や顕微授精を行う際にも、別途費用が発生します。

費用項目概算費用
準備(初回検査・ホルモン検査・採卵誘発剤など)15万円
採卵費用20万円
凍結費用3万円
保管費用3~5万円/年
出庫費用3万円
融解・体外受精費用50万円
その他の費用

自治体によっては、卵子凍結にかかる費用の一部を助成する制度を設けているところもあります。事前に確認しておきましょう。自治体によっては助成金制度を設けている場合もあるので、お住まいの自治体の制度も確認してみましょう。2025年2月現在、以下の制度が利用できます。

  • 厚生労働省「小児・AYA世代がん患者等に対する妊孕性温存研究促進事業」:小児・AYA世代のがん患者を対象とした助成金制度です。卵子凍結が対象となる場合があります。
  • 東京都「卵子凍結にかかる費用助成」:東京都内に居住する18歳から39歳の女性を対象に、卵子凍結・保管費用を最大30万円助成する制度です。
  • 大阪府池田市「卵子凍結費用助成事業」:大阪府池田市に居住する18歳から39歳の女性を対象に、卵子凍結・保管費用を最大30万円助成する制度です。
  • 山梨県「卵子凍結支援事業」:山梨県に居住する18歳から39歳の女性を対象に、医療機関(及び調剤薬局)に支払った卵子凍結費用の総額の1/2、上限20万円(※県外医療機関の場合は上限10万円)を助成する制度です。

また、クリニックによっては費用を抑えるためのパッケージプランを提供している場合もあります。渋谷駅から徒歩4分、宮下公園向かいのcocotiビル5階にあるグレイス杉山クリニックSHIBUYAでは、各種検査、排卵誘発剤、局部麻酔、採卵・凍結費用を含む未受精卵凍結(卵子凍結)をパッケージ料金で提供しています。

グレイス杉山クリニックSHIBUYAの卵子凍結パッケージプラン>

  • 凍結個数 1個〜5個 330,000円(税込363,000円)
  • 凍結個数 6個以上 380,000円(税込418,000円)

詳しい料金はこちら⇒https://grace-sugiyama.jp/price

身体への負担

卵子凍結は、排卵誘発剤の注射や採卵のための穿刺など、身体への負担を伴う医療行為です。排卵誘発剤の使用により、腹部の張りや痛み、吐き気、めまいなどの副作用が現れる場合があります。また、まれに卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を発症する可能性もあります。採卵は、経膣超音波下に針を刺して卵子を吸引する方法で行われます。痛みや出血、感染症などのリスクも伴います。これらのリスクを理解し、医師とよく相談した上で治療を受けることが大切です。

35歳で卵子凍結をする場合の妊娠率

35歳という年齢で卵子凍結を検討する際、最も気になるのはやはり妊娠率でしょう。加齢と共に卵子の質と量は低下するため、35歳での卵子凍結後の妊娠率は、20代や30代前半と比べて低い傾向にあります。しかし、卵子凍結は将来の妊娠の可能性を残すための有効な手段であり、決して諦める必要はありません。凍結保存した卵子の質が妊娠率に大きく影響することを理解し、妊娠率を高めるためのポイントを押さえることが重要です。

年齢と卵子凍結の成功率の関係

卵子凍結の「成功率」は、一般的に凍結した卵子の融解後の生存率を指します。近年、急速ガラス化法という急速凍結技術の進歩により、融解後の生存率は90%以上と非常に高くなっています。しかし、生存率が高いからといって、必ずしも妊娠率が高いとは限りません。卵子の質は加齢と共に低下するため、35歳で凍結した卵子は、若い年齢で凍結した卵子に比べて妊娠に至る力が弱い可能性があります。凍結保存によって卵子の老化を止めることはできますが、凍結時の卵子の質が妊娠率に大きく影響します。

凍結卵子での妊娠率の統計データ

凍結卵子を融解後に質が良好な受精卵が確保できた場合の妊娠確率(10個当たり)は、母体年齢35~37歳で53%とされています。卵子凍結は将来の妊娠の可能性を維持できるという点で大きな意義があります。ただし、この数値はあくまで平均値であり、個々の状況によって大きく異なります。クリニックの実績や、凍結時の卵子の数、融解後の卵子の質、そして受精卵を移植する際の母体の状態など、様々な要因が影響します。

項目確率
凍結卵子融解後の卵子生存の確率80~95%
融解後の卵子に精子を注入した場合の受精率60~80%

引用:グレイス杉山クリニック 卵子凍結における妊娠率

妊娠率を高めるためのポイント

35歳で卵子凍結を行う場合、少しでも妊娠率を高めるために以下のポイントに注意しましょう。

  • 質の良い卵子をできるだけ多く凍結する:卵子の質は加齢と共に低下するため、少しでも若い年齢で、質の良い卵子を複数個凍結することが重要です。クリニックによっては、卵巣刺激法などを用いて複数の卵子を採取する治療も行っています。
  • 健康的な生活習慣を維持する:バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活習慣を心がけることで、卵子の質の向上に繋がります。禁煙、禁酒も重要です。
  • 信頼できるクリニックを選ぶ:実績豊富で、最新の設備と技術を備えたクリニックを選ぶことが重要です。医師とのカウンセリングを通して、自身の状況に合った治療方針を立ててもらいましょう。培養技術や凍結技術なども確認しておきましょう。
  • AMH値(抗ミュラー管ホルモン)検査を受ける:AMH値は卵巣内に残っている卵子の数を推定する目安となる数値です。AMH値を測定することで、将来の妊娠の可能性を予測することができます。

これらのポイントを踏まえ、医師とよく相談しながら、自身に最適な方法で卵子凍結を進めていきましょう。卵子凍結は未来への投資と考えて、前向きに検討してみてください。

卵子凍結を行うクリニックの選び方

卵子凍結を検討する際、どのクリニックを選ぶかは非常に重要な決断です。適切なクリニック選びは、凍結卵子の質や妊娠率、そして精神的な安心感にも繋がります。様々な要素を考慮し、ご自身に最適なクリニックを見つけましょう。

実績と経験豊富な医師の在籍

医師の経験と実績は、卵子凍結の成功率に大きく影響します。 日本産科婦人科学会などの専門医資格、生殖医療専門医の資格の有無を確認しましょう。また、クリニックのウェブサイトや口コミサイトで、医師の専門分野や治療実績、症例数などを調べて比較検討することも重要です。特に、高齢出産や妊娠に課題を抱えている場合は、豊富な経験を持つ医師がいるクリニックを選ぶことが大切です。

最新の設備と技術

卵子凍結の技術は日々進歩しています。最新の設備と技術を導入しているクリニックを選ぶことで、卵子の生存率や妊娠率の向上に繋がります。 具体的には、培養環境の整備状況などを確認しましょう。

サポート体制の充実

卵子凍結は、身体的にも精神的にも負担がかかる治療です。安心して治療に臨めるよう、親身で丁寧なサポート体制が整っているクリニックを選びましょう。 カウンセリング体制の充実度、治療費用の説明の分かりやすさ、スタッフの対応などを確認し、疑問や不安を解消できる環境かどうかを判断することが重要です。また、緊急時の対応なども確認しておくと安心です。

通いやすい立地

卵子凍結は、採卵までの期間、複数回の通院が必要になります。 仕事やプライベートとの両立を考えると、自宅や職場から通いやすい立地にあるクリニックを選ぶことが大切です。アクセスの良さだけでなく、診療時間や休診日なども確認し、自分のスケジュールに合ったクリニックを選びましょう。

その他クリニック選びのポイント

上記に加え、プライバシーへの配慮、院内の清潔感、待ち時間の短さなどを比較検討することで、より自分に合ったクリニックを見つけることができます。

複数のクリニックを比較検討し、説明会やカウンセリングに参加することで、より具体的な情報を得ることができます。 疑問や不安を解消し、納得した上でクリニックを選ぶようにしましょう。

卵子凍結に関するよくある質問

卵子凍結を検討する上で、様々な疑問や不安を抱えている方も多いでしょう。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。

卵子凍結は何歳まで可能?

卵子凍結には「採卵」の年齢制限と「保管」の年齢制限の二種類があります。卵子の質は年齢とともに低下することや、高齢出産のリスクを考慮して年齢制限を設けています。一般的に「採卵」の年齢制限は40歳、「保管」の年齢制限は50歳未満となっています。クリニックによっては40歳以上でも卵子凍結を受け付けている場合もありますが、妊娠率は低くなる可能性があります。加齢による卵子の質の低下は避けることができないため、できるだけ早く卵子凍結を行うことが、将来の妊娠の可能性を高めるためには重要です。

卵子の保存期間は?

技術の進歩により、卵子の質を劣化させないまま長期間の保存が可能となりましたが、多くのクリニックでは1年ごとの更新手続きが必要になるのが一般的です。また、クリニックによっては最長10年間としているところもあります。保存期間や更新手続きについては、事前にクリニックに確認しておきましょう。

凍結した卵子はすべて使える?

残念ながら、凍結した卵子がすべて使えるとは限りません。解凍や融解の過程で一部の卵子が損傷してしまう可能性があります。また、解凍後の卵子がすべて正常に受精するとも限りません。さらに、受精卵が着床に至るとは限りません。そのため、凍結卵子の数が多いほど、妊娠の可能性は高まると言えます。複数回の採卵を検討することも可能です。

未婚でも卵子凍結はできる?

日本では、未婚女性でも卵子凍結が可能です。法律上の制限はありません。将来の妊娠に備えて卵子凍結を希望する未婚女性は増加傾向にあります。ただし、クリニックによっては独自の規定を設けている場合もあるので、事前に確認が必要です。

卵子凍結以外の選択肢

卵子凍結は将来の妊娠の可能性を広げる有効な手段ですが、唯一の方法ではありません。35歳で妊娠を希望する場合、すでにパートナーはいる場合には、他の選択肢も検討できます。ここでは、卵子凍結以外の主な選択肢である、タイミング法、人工授精、体外受精について解説します。

タイミング法

タイミング法は、排卵日を予測し、その時期に合わせて性交渉を持つことで自然妊娠を目指す方法です。最も自然な方法であり、身体への負担も少ないというメリットがあります。基礎体温の測定や排卵検査薬の使用、医療機関での超音波検査などによって排卵日を予測します。費用も比較的安価です。ただし、35歳以降は妊娠率が徐々に低下していくため、長期にわたって試みても妊娠に至らない可能性も考慮する必要があります。

タイミング法のメリット・デメリット

メリットデメリット
自然な方法で身体への負担が少ない妊娠率が低い(特に35歳以上)
費用が比較的安価排卵日の予測が難しい場合もある
特別な医療行為を必要としない精神的なストレスがかかる場合もある

人工授精

人工授精は、採取した精子を洗浄・濃縮し、カテーテルを用いて子宮内に直接注入する方法です。タイミング法よりも精子が卵子に到達しやすくなるため、妊娠率の向上が期待できます。また、男性側に軽度の不妊原因がある場合にも有効です。費用はタイミング法よりも高額になりますが、体外受精よりは安価です。身体への負担も比較的少ないため、最初のステップとして選択されることも多いです。

人工授精のメリット・デメリット

メリットデメリット
タイミング法より妊娠率が高い体外受精より妊娠率は低い
体外受精より費用が安価複数回の施行が必要な場合もある
身体への負担が少ないすべての不妊原因に対応できるわけではない

体外受精

体外受精は、卵子を体外に取り出し、体外で精子と受精させた後、受精卵を子宮に戻す方法です。他の方法に比べて妊娠率が高く、様々な不妊原因に対応できるのが特徴です。顕微授精という方法を用いれば、運動率の低い精子でも受精させることが可能です。ただし、費用は最も高額であり、身体への負担も大きいというデメリットがあります。また、精神的な負担も考慮する必要があります。

体外受精のメリット・デメリット

メリットデメリット
妊娠率が最も高い費用が最も高額
様々な不妊原因に対応できる身体的、精神的な負担が大きい
顕微授精で運動率の低い精子でも受精可能副作用のリスクもある

35歳で妊娠を希望する際、どの方法を選択するかは、個々の状況や希望、そしてパートナーとの相談が重要です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、医師とよく相談しながら最適な方法を選択しましょう。不妊治療専門クリニックでは、これらの治療法について詳しく説明を受けられますので、積極的に相談することをおすすめします。

まとめ

35歳で妊娠を希望する女性にとって、卵子凍結は将来の妊娠の可能性を広げる選択肢の一つです。この記事では、卵子凍結のメリット・デメリット、費用、妊娠率など、検討に必要な情報を網羅的に解説しました。卵子凍結は、加齢による妊娠率の低下を懸念する方にとって、将来の妊娠に備える有効な手段となり得ます。仕事やキャリアを優先したい方、最適なパートナーを探している方にも、時間的な余裕を生み出すメリットがあります。

しかし、卵子凍結は妊娠を保証するものではなく、高額な費用や身体への負担も伴います。また、年齢を重ねるごとに卵子の質が低下することも考慮すべき点です。妊娠率は凍結時の年齢や卵子の質に影響され、残念ながら100%ではありません。

費用はクリニックによって異なり、数十万円かかる場合もあります。補助金や助成金制度の活用も検討しましょう。

クリニック選びは、実績や設備、サポート体制、通いやすさなどを基準に慎重に行いましょう。卵子凍結以外にも、パートナーがいる場合には、体外受精、人工授精、タイミング法など、様々な選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身の状況や希望に合った方法を選択することが重要です。まずは専門医に相談し、最適な方法を見つけることをおすすめします。

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Grace Bank(グレイスバンク)は、全国の提携クリニックで採卵・凍結した卵子凍結保管専門のサービスを提供しており、クリニックで採卵・凍結から保管まで行う場合とは異なり、体外受精を行う際は全国の提携クリニックにて凍結卵子を利用できます。急な引っ越しや転勤にも対応可能です。

また、従来の不妊治療クリニックのような小型の液体窒素タンクによる保管とは異なり、臍帯血バンクのステムセル研究所と提携し、今まで25年以上無事故を誇る同社の専用大型タンクで24時間365日一括管理をしています。保管施設は地震や津波に強いエリアに設置され、停電対策も万全、安心のシステムで大切な卵子を保管します。

保管費用は初期費用55,000円(税込)に加えて、年払い38,500円(税込)または月払い3,850円(税込)の2つのプランからお選びいただけます。

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  • グレイス杉山クリニックSHIBUYAで実際に卵子凍結業務にあたる培養士カウンセラーが、卵子凍結自体のご質問や、医学的なご相談に個別でお受けします。
監修者

名倉 優子 なぐら ゆうこ

日本産科婦人科学会専門医


グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)

杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!

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