36歳。妊娠、出産について焦りや不安を感じている方も多いのではないでしょうか。「妊娠を諦める」という言葉が頭をよぎるほど、様々な葛藤を抱えているのではないでしょうか。
36歳で妊娠を諦めるべきかどうか悩んでいる方は、まず妊娠に関する正しい情報を知ることが大切です。妊娠率やリスク、選択肢などを理解した上で、自分にとって最良の選択をしましょう。この記事では、36歳で妊娠出産を考える際に知っておきたい情報を網羅的に解説します。自然妊娠の確率や高齢出産のリスク、不妊治療の選択肢、そして妊娠出産を諦めた場合の代替案まで、具体的なデータに基づいて詳しく説明します。
妊娠出産に関する正しい知識を得て、自分にとって最良の選択をするための判断材料として、この記事を活用してください。最終的にどのような選択をするにせよ、後悔のない人生を送るためのヒントが見つかるはずです。
目次
妊娠を諦める年齢の目安
妊娠を諦める年齢に明確な目安はありません。しかし、女性の加齢と共に妊娠率は低下していくことは事実です。特に35歳を過ぎると妊娠率の低下は顕著になり、40歳を超えるとさらに加速します。そのため、36歳で妊娠を希望する場合は、年齢による妊娠率の低下を理解した上で、早めに具体的な行動を起こすことが重要です。

自然妊娠の確率は、女性の年齢と共に低下します。20代前半では1月経周期当たり約25~30%であるのに対し、35歳では約18%、40歳では約5%、45歳では約1%にまで低下します。これは、加齢による卵子の老化が主な原因です。卵子の数は生まれた時に既に決まっており、年齢と共に減少していく上、卵子の質も低下していくため、受精率や着床率が下がります。
1周期当たりの妊娠率
- 25歳・・・25~30%
- 30歳・・・25~30%
- 35歳・・・18%
- 40歳・・・5%
- 45歳・・・1%
出典:婦人科ラボ「実は思っているほど高くない「自然に妊娠できる確率」」
妊娠率低下の要因
妊娠率の低下には、卵子の老化以外にも様々な要因が関わっています。例えば、子宮筋腫や子宮内膜症、卵管の異常、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、生活習慣の乱れなどです。これらの要因は、年齢に関係なく妊娠率に影響を与えます。特に36歳以上の方は、これらの要因が重なることで、妊娠がより難しくなる可能性があります。婦人科や不妊治療専門のクリニックで検査を受けることで、妊娠率低下の要因を特定し、適切な対応をすることができます。
高齢出産の年齢とリスク
現在、40代で初めて赤ちゃんを産んだお母さんは珍しくないように思いますが、高齢出産によるリスクも悩みの種です。実は、「高齢出産」に明確な定義はありませんが、一般的に35歳以上の妊婦が初めて出産することを「高齢初産」と言います。(日本産科婦人科学会)
厚生労働省の人口動態調査によると、2023年の日本の平均初産年齢は31.0歳となっています。また、女性の社会進出などの理由で初産年齢が年々あがってきました。
35歳以上での初産は決して珍しくありませんが、体の仕組みとして35歳をすぎると母体のリスクと胎児のリスクが上がることは事実です。これらは月経の度に卵子が成熟する過程の中で染色体が分離する際にミスが起きてしまうことで起こります。前述の通り妊娠率も低くなることに加え、母子ともに無事に出産することができるまでにも困難が増えてくるのも高齢出産のつらいところです。
母体へのリスク
高齢出産は母体にも様々なリスクがあります。加齢とともに体力や回復力が低下していくため、妊娠・出産の負担が大きくなり、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などの妊娠合併症のリスクも高まります。
具体的な合併症の種類
- 妊娠高血圧症候群:妊娠20週以降に高血圧を発症する妊娠合併症です。重症化すると母体と胎児の生命に関わることもあります。
- 妊娠糖尿病:妊娠中に初めて発見される、もしくは発症する糖尿病のことです。巨大児出産、早産、新生児低血糖などのリスクがあります。また、将来的に2型糖尿病に進行するリスクも高くなります。
- 常位胎盤早期剥離:正常位置にある胎盤が分娩前に子宮壁から剥がれてしまうことで、母体と胎児に重篤な合併症を引き起こす可能性があります。高齢出産はリスク因子の一つです。
- 前置胎盤:胎盤が子宮口を覆ってしまう状態です。大量出血を起こしやすく、帝王切開での出産が必要になります。
胎児へのリスク
高齢出産は胎児へのリスクも高まります。卵子の老化により、染色体異常や先天性疾患のリスクが増加します。また、流産や早産の確率も高くなります。
高齢出産では、胎児の染色体異常の確率が高くなります。代表的な染色体異常には、ダウン症候群があります。染色体異常は、知的障害や身体的障害など、様々な発達障害の原因となります。ダウン症候群は21番染色体が1本多く存在することで起こる染色体異常です。特徴的な顔貌、知的障害、低身長、心臓奇形などを伴うことがあります。ダウン症候群は高齢出産で増加する代表的な染色体異常であり、35歳以上の妊婦で出生前診断を受ける人が増えています。
女性の年齢 | ダウン症候群の子が生まれる頻度 | 染色体異常をもつ子が生まれる頻度 | ||
出生人数あたり | 出生千対 | 出生人数あたり | 出生千対 | |
20歳 | 1/1667 | 0.6 | 1/526 | 1.9 |
25歳 | 1/1250 | 0.8 | 1/476 | 2.1 |
30歳 | 1/952 | 1.1 | 1/384 | 2.6 |
35歳 | 1/385 | 2.6 | 1/192 | 5.2 |
40歳 | 1/106 | 9.4 | 1/66 | 15.2 |
45歳 | 1/30 | 33.3 | 1/21 | 47.6 |
48歳 | 1/14 | 71.4 | 1/10 | 100.0 |
出典:「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」2013|厚生労働省より
高齢出産のメリット
高齢出産にはリスクだけでなく、メリットも存在します。経済的な安定や精神的な成熟などがあげられます。経済的に安定していることで、子育てに必要な費用を心配することなく、子供に十分な教育や経験を与えることができます。また、精神的に成熟していることで、子供に対して落ち着いた対応ができ、より良い親子関係を築くことができる可能性があります。加えて、人生経験が豊富であるため、子育てにおいて様々な知識や知恵を活かすことができるでしょう。

36歳で妊娠を希望する場合の選択肢
36歳で妊娠を希望する女性にとって、様々な選択肢が存在します。加齢による妊娠率の低下やリスクを理解した上で、自分に最適な方法を選択することが重要です。大きく分けて、不妊治療の開始(パートナーがいる場合)と卵子凍結という2つの選択肢があります。
不妊治療の開始(パートナーがいる場合)
36歳という年齢は、妊娠率が低下し始める時期です。そのため、妊娠を強く希望するのであれば、早めに不妊治療専門クリニックを受診し、検査を受けることをおすすめします。タイミング法、人工授精、体外受精など、様々な治療法があり、それぞれ費用や身体への負担も異なります。
不妊治療には、主に以下の種類があります。
治療法 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
タイミング法 | 排卵日を予測し、性交渉のタイミングを指導する。 | 数千円~数万円/月 |
人工授精 | 排卵日に合わせて、精子を子宮内に注入する。 | 1万~5万円/回 |
体外受精 | 卵子と精子を体外で受精させ、受精卵を子宮に戻す。 | 30万~70万円/回 |
顕微授精 | 体外受精の一種。精子を卵子に直接注入し受精させる。 | 40万~80万円/回 |
費用はあくまで目安であり、クリニックによって異なる場合があります。また、治療回数や併用する薬剤によっても変動します。治療を受ける前に、医師とよく相談し、費用や治療期間について十分に理解しておくことが大切です。どの治療法を選択するかは、年齢、不妊の原因、経済的な状況など、様々な要因を考慮して決定します。医師とのカウンセリングを通じて、それぞれの治療法のメリット・デメリットを理解し、自分に最適な治療プランを立てることが重要です。治療開始後も、定期的に医師と相談し、治療方針を調整していく必要があります。
卵子凍結という選択肢
将来の妊娠に備えて、若い卵子を凍結保存しておくという選択肢もあります。卵子凍結は、加齢による卵子の老化を防ぎ、将来の妊娠の可能性を高める効果が期待できます。特に、結婚や出産の予定がまだない女性や、仕事などの理由で妊娠を先延ばしにしたい女性にとって、有効な選択肢と言えるでしょう。
卵子が若ければ、母体が妊娠適齢期をすぎても、妊娠出産率が高いというデータがあります。(※米CDC、2021)
このように卵子凍結により「卵子の老化」を止めることができますが、卵子凍結においても、妊娠出産の際にかかる母体リスクも考慮して、早めに計画することが重要です。
卵子凍結のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
将来の妊娠の可能性を高める | 費用がかかる |
加齢による卵子の老化を防ぐ | 妊娠を保証するものではない |
自分のライフプランに合わせて妊娠できる | 身体的・精神的な負担がある |
卵子凍結の費用と保存期間
卵子凍結にかかる費用は、採卵費用、凍結費用、保管費用など、クリニックによって異なりますが、一般的には30万円~50万円程度が目安となります。
費用項目 | 概算費用 |
---|---|
準備(初回検査・ホルモン検査・採卵誘発剤など) | 15万円 |
採卵費用 | 20万円 |
凍結費用 | 3万円 |
保管費用 | 3~5万円/年 |
出庫費用 | 3万円 |
融解・体外受精費用 | 50万円 |
その他の費用 |
クリニックにより費用は異なります。また、採卵手術をする際に麻酔を希望する場合は局部麻酔で2万円、静脈麻酔で5万円ほどかかることがあります。凍結費用を凍結する個数により料金が異なることがあります。

クリニックによっては、費用を抑えるためのパッケージプランを提供している場合もあります。渋谷駅から徒歩4分、宮下公園向かいのcocotiビル5階にあるグレイス杉山クリニックSHIBUYAでは、各種検査、排卵誘発剤、局部麻酔、採卵・凍結費用を含む未受精卵凍結(卵子凍結)をパッケージ料金で提供しています。
<グレイス杉山クリニックSHIBUYAの卵子凍結パッケージプラン>
- 凍結個数 1個〜5個 330,000円(税込363,000円)
- 凍結個数 6個以上 380,000円(税込418,000円)
詳しい料金はこちら⇒https://grace-sugiyama.jp/price
自治体によっては助成金制度を設けている場合もあるので、お住まいの自治体の制度も確認してみましょう。2025年2月現在、以下の制度が利用できます。
- 厚生労働省「小児・AYA世代がん患者等に対する妊孕性温存研究促進事業」:小児・AYA世代のがん患者を対象とした助成金制度です。卵子凍結が対象となる場合があります。
- 東京都「卵子凍結にかかる費用助成」:東京都内に居住する18歳から39歳の女性を対象に、卵子凍結・保管費用を最大30万円助成する制度です。
- 大阪府池田市「卵子凍結費用助成事業」:大阪府池田市に居住する18歳から39歳の女性を対象に、卵子凍結・保管費用を最大30万円助成する制度です。
- 山梨県「卵子凍結支援事業」:山梨県に居住する18歳から39歳の女性を対象に、医療機関(及び調剤薬局)に支払った卵子凍結費用の総額の1/2、上限20万円(※県外医療機関の場合は上限10万円)を助成する制度です。
これらの制度の利用条件や申請方法は、それぞれの自治体によって異なります。また、企業によっては、福利厚生として卵子凍結費用の一部または全額を補助する制度を導入している場合もあります。卵子凍結を検討する際には、これらの助成金・補助金制度や企業の福利厚生制度についても、事前に確認することをお勧めします。
凍結卵子の保存は、一般的に一年更新のクリニックが多く、保存期間についても、事前にクリニックに確認しておきましょう。
36歳で妊娠出産を諦めた場合の選択
36歳で妊娠出産を諦めるという決断は、人生における大きな転換点となるでしょう。様々な感情が渦巻く中で、今後の自分の人生をどのように歩んでいくか、新たな視点を持つことが重要です。妊娠出産以外の選択肢を探求し、自分らしい幸せを見つけるための道を歩み始めましょう。

人生の他の選択肢に目を向ける
妊娠出産を諦めたことで、自由に使える時間やエネルギーが増えると考えることができます。これまで子育てに充てる予定だった時間やリソースを、自身のキャリアアップや趣味、自己啓発などに投資してみましょう。新たな目標を設定し、それに向かって努力することで、充実感や達成感を得られるはずです。
里親制度や特別養子縁組
どうしても子供を育てたいという強い希望がある場合は、里親制度や特別養子縁組という選択肢もあります。これらは、血縁関係がない子供を家族として迎える制度です。それぞれの制度の特徴や手続き、必要な心構えなどを理解した上で、自分に合った方法を選択することが重要です。
制度 | 概要 | 法的親子関係 | 期間 |
---|---|---|---|
里親制度 | 親のいない子供や虐待を受けている子供などを、一時的に家庭で養育する制度。 | 親子関係は発生しない。 | 数日~数年 |
特別養子縁組 | 6歳未満の子供を養子として迎え、戸籍上も実の親子となる制度。 | 実の親子となる。 | 永続的 |
里親制度の場合、都道府県や児童相談所などが実施する研修を受講し、里親として認定される必要があります。特別養子縁組の場合は、家庭裁判所への申し立てや実親との協議など、複雑な手続きが必要となります。どちらの制度も、子供にとって最善の利益が最優先されるため、養育環境や経済状況などが厳しく審査されます。また、子供を迎えるにあたっては、愛情と責任感を持って接することはもちろん、子供の背景や抱えている問題を理解し、適切な支援を行うための知識や心構えが求められます。 里親制度や特別養子縁組は、子供に温かい家庭を提供するだけでなく、自分自身の人生を豊かにする貴重な経験となるでしょう。子供との出会いを通して、新たな喜びや感動を味わうことができるはずです。これらの制度について深く理解し、十分に検討した上で、決断することが大切です。
まとめ
36歳で妊娠出産について悩んでいる方は、焦りや不安を感じているかもしれません。この記事では、36歳での妊娠出産を取り巻く様々な情報を提供しました。年齢を重ねるごとに妊娠率は低下しますが、36歳で自然妊娠、出産する方もいます。妊娠を希望する場合は、不妊治療や卵子凍結といった選択肢も検討できます。それぞれメリット・デメリットや費用、期間などが異なるため、自分に合った方法を選択することが重要です。
高齢出産には母体と胎児へのリスクが伴います。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症リスク、胎児の染色体異常のリスク増加などが挙げられます。しかし、医療技術の進歩により、リスクを最小限に抑えながら出産できる可能性も高まっています。リスクとメリットを理解した上で、最終的な判断はご自身で行う必要があります。
妊娠出産を諦めたとしても、人生には様々な選択肢があります。キャリアを積んだり、趣味に没頭したり、自分らしい生き方を見つけることができるでしょう。また、里親制度や特別養子縁組といった選択肢を通じて、子供を持つ喜びを経験することも可能です。
36歳だからといって人生の選択肢が狭まるわけではありません。様々な情報や選択肢を検討し、後悔のない選択をしてください。
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岡田 有香 おかだ ゆか
グレイス杉山クリニックSHIBUYA 院長
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