卵子凍結について

卵子や精子にも寿命がある?受精能力の衰えは不妊の原因のひとつ

晩婚化が進み妊娠出産の年齢も上がっている昨今、ある程度年齢を重ねてから子供を迎えるご夫婦も多いでしょうが、「卵子や精子も歳をとる」と聞いたことはありませんか?

不妊治療の検査や治療を受けたことのある夫婦は今や約5.5組に1組です。

もう少ししたら子どもを迎えたいと考えている方、不妊治療が気になっている方へ。今回は年齢が卵子や精子の寿命と受精能力の関係と、卵子や精子の若さを保つ方法についてご紹介していきます。

年齢と卵子・精子の受精能力の関係

近年の医療の進歩により、加齢に伴って卵子や精子も歳をとり、受精能力が衰える、そして寿命があることがわかってきました。

以前から年齢による卵子の質の低下は耳にする機会もあったでしょうが、精子についても同様に質が低下し、その数も減少することがわかっています。

加齢によって妊娠確率が下がっている原因の1つとして、卵子や精子の受精能力が衰えてしまうことは大きいのではないでしょうか。

卵子の老化とは

まず卵子の老化についてですが、具体的に卵子の数の減少と卵子の質の低下が挙げられます。

女性の卵子というのは生まれた時すでに卵子の元になる細胞が体内で用意されています。

用意された細胞の数は決まっており、生まれた時がピークで加齢によって自然と減少していきます。

個人差はありますが生まれた時に100〜200万個、10代で30〜50万個、20代で10万個、30代で2〜3万個、閉経時には1,000個から限りなく0に近づいています。

月経の度に1,000〜2,000個がなくなり、タイミングの良い1つだけが排卵されるのです。

また卵子も生まれた時から体の年齢とともに歳を重ねるため、加齢によって妊娠に至る良質な卵子の数も減っていきます。

加齢のため受精する能力の低い卵子や、受精した後の細胞分裂がうまくいかない卵子が増えてしまします。

精子の老化とは

次に精子も卵子と同様で、その数と質が加齢によって変化します。

精子は常に精巣から新しいものが作られるのですが、老化によって射精時の精子の数が減ってしまいます。

そして精子の質の低下、DNAの損傷などによって受精能力が衰えることは30代半ば〜40代くらいから始まると考えられています。

25歳未満と35歳以上の男性では、1年以内に妊娠へ至る確率が2分の1になるという報告もあります。

(出典:公益社団法人 日本産婦人科医会

年齢別の妊娠確率

以下は女性の年齢別の妊娠確率です。

妊娠を希望し、避妊をせず性交渉をした場合の月経1周期あたりの妊娠確率と、1年間の場合の妊娠確率です。

受精の能力があったとしてもなかなか自然妊娠の確率は高くないことがわかります。

そして自然妊娠を試みても1年間妊娠しないことを不妊と言います。

30歳くらいまでの妊娠確率は大きく変わりませんが、35歳辺りから妊娠確率の低下が激しくなることがわかります。

1周期当たりの妊娠率(※1)

  • 25歳:25%~30%
  • 30歳:25%~30%
  • 35歳:18%
  • 40歳:5%
  • 45歳:1%

1年間避妊しないで性交渉をした場合の年代別妊娠確率(※2)

  • 20歳~24歳:86%
  • 25歳~29歳:78%
  • 30歳~34歳:63%
  • 35歳~39歳:52%
  • 40歳~44歳:36%
  • 45歳~49歳:5%
  • 50歳以上:0%

(※1、※2とも M.Sara Rosenthal.The Fertility Sourcebook.Third Edition よりデータ引用)

精子の若さを保つ方法

加齢によって精子の老化が起こるという事実は変えられませんが、普段からの生活習慣を改めることで老化のスピードを早めないようにすることはできます。

精子の質の低下を防ぐためには①ストレス発散、②喫煙を控える、③過度の飲酒を控える、④長風呂をしないなどがあげられます。

①~③までは体の健康を保つためにもよく知られたものですが、④は意外ではないでしょうか。

実は精子は熱に弱く、風呂以外でも下腹部を温めすぎることは精子の質の低下につながってしまいます。

卵子の若さを保つ方法

女性は妊娠出産のみならず、その体調なども女性ホルモンに作用されています。

卵子の若さを保つためにも、体の健康のためにも女性ホルモンの微妙なバランスを整えることは重要です。

そのためには①ストレス発散、②睡眠時間を確保する、③バランスの良い食事、④適度な運動があげられます。

当たり前のことを言っているようですが、月経に不順がある方などは特に普段からの健康的な生活を目指しましょう。

また、卵子を若いうちに採取して凍結保存をしておくという選択肢もあります。

卵子の若さを保つ「卵子凍結保存」とは

現在では医療が進み、健康な未婚の女性でも若いうちに卵子を凍結保存することができるようになりました。

凍結した卵子を元に戻してから体内に戻した場合、母体は妊娠適齢期を過ぎたとしても卵子は若く妊孕力も高いままです。

卵子が若ければ妊娠出産率が高いというデータがあります。

自社HPより抜粋(https://gracebank.jp/guide/#p_guide03

このように体外受精をした40代の出産率は20代のものと大きく変わりません。(米CDC、2013)

将来の妊娠また不妊治療の成功率を高めるために卵子を凍結保存しておくのは1つの選択肢になるのではないでしょうか。

国内最大級の卵子凍結保存のバンクであるGrace Bankでは、安全に採卵し、マイナス196℃の液体窒素で半永久的に卵子を保存することが可能です。

ここ数年で性能の進化や技術の向上により高い精度で卵子の融解後の生存率も90%を超えるようになりました。

Grace Bankは、国内シェア99%である民間人臍帯血バンクのステムセル研究所と提携し、今まで20年以上無事故を誇る専用大型タンクで凍結した卵子を一括管理しています。

保管施設は地震や津波に強いエリアに設置され、停電対策も万全、安心のシステムで大切な卵子を保管します。

まとめ

妊娠出産のためには卵子精子ともに寿命があり、受精能力のある若いものであることが大切です。

将来赤ちゃんを授かりたいと思ったときにタイムリミットがあとわずかとならないように、気がついた時点で卵子や精子を気づかうような生活習慣に変えられると良いでしょう。

また、今ではさまざまな医療が発達していますので、卵子の凍結保存のような選択肢もおすすめします。

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▼この記事の監修は…

医師紹介:名倉 優子(なぐら ゆうこ)
杉山産婦人科 日本産科婦人科学会専門医
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