「卵子凍結 失敗」と検索しているあなたは、きっと卵子凍結の成功率やリスクについて不安を感じているのではないでしょうか。卵子凍結は将来の妊娠の可能性を広げる技術ですが、100%成功するとは限りません。この記事では、医師監修のもと、卵子凍結が失敗するケースとその原因、年齢別の成功率、そして成功率を上げるための秘訣を詳しく解説します。採卵できないケース、凍結保存中のトラブル、融解後の卵子が使えないケースなど、具体的な失敗例を挙げながら、それぞれの原因や対策を分かりやすく説明しています。この記事を読めば、卵子凍結に関する不安を解消し、自分に合った選択をするための情報を得ることができるでしょう。安心して将来の妊娠について考えられるよう、ぜひ最後まで読んでみてください。
卵子凍結とは何か
卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、若い頃の健康な卵子を採取し、凍結保存しておく技術です。加齢とともに卵子の質や量は低下していくため、将来妊娠の可能性を高める手段として注目されています。未受精卵子を凍結保存し、将来、希望する時期に解凍し、体外受精を行い、妊娠を目指すという流れになります。晩婚・晩産化が進む現代において、将来の妊娠の可能性を残しておくための選択肢の一つとして、重要な役割を担っています。
卵子凍結のメリット・デメリット
卵子凍結には、様々なメリットがあります。
卵子凍結のメリット
将来の妊娠の可能性を高める:加齢による卵子の老化を回避し、若い頃の質の良い卵子で妊娠を目指すことができます。
ライフプランの選択肢を広げる:キャリア形成やパートナー探しのタイミングに左右されずに、妊娠・出産の時期を検討することができます。
がん治療前の妊孕性温存:抗がん剤治療などにより卵巣機能が低下する可能性がある場合、治療前に卵子を凍結保存することで、将来の妊娠の可能性を残すことができます。
メリットだけでなく、デメリットも理解しておくことが重要です。
卵子凍結のデメリット
100%の妊娠保証はない:卵子凍結は妊娠を保証するものではありません。凍結・融解の過程や、体外受精・胚移植の成功率も考慮する必要があります。
身体的・経済的負担:卵巣刺激のための注射や採卵手術が必要であり、身体的負担がかかります。また、費用も高額になる場合があります。
卵子凍結は、あくまでも将来の妊娠の可能性を高めるための手段であり、妊娠を確約するものではありません。メリット・デメリットを十分に理解し、医師とよく相談した上で、自身にとって最適な選択をすることが重要です。
卵子凍結が失敗するケースとは
卵子凍結は、将来の妊娠の可能性を残すための技術ですが、必ずしも成功するとは限りません。失敗には、大きく分けて以下の3つのケースが考えられます。
卵子凍結が失敗するケース① 採卵できない
卵子凍結の最初のステップである採卵ができない場合があります。これは、いくつかの要因によって起こります。
加齢による影響
年齢を重ねるにつれて卵子の数は減少し、質も低下します。そのため、加齢は採卵の成功率に大きく影響します。35歳以上になると、採卵数が少なくなるだけでなく、採卵できたとしても成熟卵が得られない可能性が高まります。40歳以上になると、さらに採卵が難しくなる傾向があります。
卵巣刺激法への反応が悪い
卵子凍結では、複数の卵胞を育てるために卵巣刺激法を行います。しかし、体質によっては、この刺激法に十分に反応せず、卵胞が十分に育たない場合があります。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの疾患がある場合、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクを避けるため、薬の量を調整する必要があり、結果としてポテンシャルに比して採卵数が少なくなることがあります。
その他の疾患
子宮内膜症や卵巣の腫瘍など、婦人科系の疾患が採卵を困難にする場合があります。また、甲状腺機能異常や自己免疫疾患なども、卵巣機能に影響を与える可能性があります。早発閉経なども採卵できない原因となります。
卵子凍結が失敗するケース② 採卵した卵子が凍結できない
採卵できたとしても、凍結保存の過程で問題が発生する可能性があります。
採卵した卵子が凍結できない
卵子の状態は実際に採卵しないとわかりません。採卵した直後の卵子は以下の3つに分類され、このうち卵子凍結できるのは成熟卵子のみです。

成熟卵子 | 35歳以下の場合、採取された卵子の90%程度が成熟卵と予想されます。 (個人差があり、未成熟卵も成熟卵と同様に多く取れてしまう方もいます。) |
未成熟卵子 | 採卵した卵子の10~15%程度が未成熟卵子です。 採卵後、数時間で成熟卵子になれば凍結保管が可能です。 |
変性卵子 | 受精能のない変性した卵子です。変性卵子は凍結保管はできません。 採卵した卵子の5%以下ですが、38歳を越えると変性卵の割合が著明に増加します。 |
卵子凍結が失敗するケース③ 融解後の卵子が使えない
凍結保存されていた卵子を融解した後、以下の理由で使用できない場合があります。
融解後の生存率
凍結保存されていた卵子を融解した際に、すべての卵子が生存するとは限りません。卵子の質や凍結方法、融解技術によって生存率は異なります。
項目 | 確率 |
凍結卵子融解後の卵子生存の確率 | 80~95% |
融解後の卵子に精子を注入した場合の受精率 | 60~80% |
受精率
融解後の卵子が生存していたとしても、必ずしも受精するとは限りません。卵子の質や年齢、精子の状態、そして顕微授精などの技術によって受精率は変動します。
質が良好な受精卵(10個あたり)が確保できた場合に妊娠できる確率を見ていきます。こちらは採卵時の年齢によって割合が異なります。

年齢 | 妊娠確率 (凍結卵子を融解後に質が良好な受精卵が確保できた場合※10個あたり) |
30歳以下 | 80%程度 |
31~34歳 | 75%程度 |
35~37歳 | 53%程度 |
38~40歳 | 30%程度 |
41歳以上 | 20%以下 |
参考:グレイス杉山クリニックSHIBUYA 卵子凍結における妊娠率
卵子凍結の成功率を上げるには?
卵子凍結の成功は、将来の妊娠の可能性を高めるために非常に重要です。成功率を上げるためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。事前にしっかりと準備を行い、自分に最適な方法を選択することで、より高い確率で成功へと導くことができるでしょう。
適切な年齢で受ける
卵子凍結は、年齢が若いほど妊娠出産率=成功率が高い傾向にあります。卵子の質は年齢とともに低下するため、35歳未満での実施が推奨されています。もちろん、35歳以上でも卵子凍結は可能ですが、成功率は低くなることを理解しておく必要があります。年齢による卵子の質の変化を理解し、将来の妊娠計画に合わせて適切な時期に検討することが大切です。
信頼できるクリニック選び
卵子凍結の成功率は、クリニックの技術や設備にも大きく左右されます。信頼できるクリニックを選ぶことは、成功への近道です。クリニック選びで注目すべき点は以下のとおりです。
実績のある医師:卵子凍結の実績が豊富で、経験豊富な医師が在籍しているクリニックを選びましょう。医師の経歴や専門分野、学会発表などを確認し、信頼できる医師かどうかを見極めることが重要です。日本生殖医学会のウェブサイトなどで、認定医の情報を確認することもできます。
先進的な設備:最新の設備が導入されているクリニックは、より精度の高い卵子凍結が期待できます。特に、卵子を凍結保存する技術や設備は日進月歩で進化しているので、最新の技術を採用しているクリニックを選ぶことが大切です。クリニックのウェブサイトなどで、設備に関する情報を積極的に収集しましょう。
丁寧なカウンセリング:丁寧なカウンセリングは、患者にとって非常に重要です。卵子凍結に関する疑問や不安を解消し、納得した上で治療を受けることができるように、カウンセリングを重視しているクリニックを選びましょう。カウンセリングでは、治療の流れや費用、リスクなどを詳しく説明してくれるか、患者の希望や不安に寄り添ってくれるかなどを確認しましょう。
生活習慣の改善
健康的な生活習慣は、卵子の質を高めるために重要です。具体的には、以下の3つのポイントに注意しましょう。
食生活:バランスの良い食事を心がけ、ビタミンC・D・Eや葉酸、亜鉛などを積極的に摂取しましょう。加工食品やファストフード、過剰な糖分や脂質の摂取は控え、新鮮な野菜や果物、良質なタンパク質をバランスよく摂ることが大切です。例えば、ほうれん草、ブロッコリー、ブルーベリー、鮭、鶏肉などがおすすめです。
運動:適度な運動は、血行を促進し、卵巣への栄養供給を改善します。ウォーキングやヨガ、水泳など、無理のない範囲で体を動かす習慣を身につけましょう。ただし、過度な運動は逆効果になる場合があるので、バランスが重要です。
睡眠:質の高い睡眠は、ホルモンバランスを整え、卵子の質を向上させるのに役立ちます。毎日7~8時間の睡眠時間を確保し、睡眠の質を高めるために、寝る前のカフェイン摂取を控えたり、リラックスできる環境を整えたりするなど工夫しましょう。
安心できる卵子凍結保管サービスを選ぶ
卵子の凍結保管には大きな4つのリスクが伴います。1点目は保管タンクの高頻度の開閉や液体窒素の注ぎ忘れによる温度管理不全、2点目は自然災害等による停電や施設の倒壊、3点目はセキュリティ、4点目は卵子の取り違えです。
卵子凍結を実施している不妊クリニックでは、一般的に、各クリニック内に小型の液体窒素タンクを保有し、液体窒素を手動で補充しながら、凍結した受精卵と一緒に未授精の凍結卵子を保管しています。もちろん、クリニックでの保管も高水準ではあるのですが、災害時の建物の耐震性、セキュリティ、人為的なミス等などのリスクがある可能性も否めません。
凍結卵子保管サービスのGrace Bankが提携している株式会社ステムセル研究所の施設は、卵子の凍結保管の4つのリスクに対応しています。
- 巨大なタンクへの液体窒素の自動供給システムで徹底された温度管理
- 保管施設は地震や津波にも強いエリアに所在・高い耐震性で大切な凍結卵子を保管
- 24時間365日の遠隔管理システムと厳重なセキュリティシステム
- Grace Bankの卵子凍結保管管理システムで取り違えの防止
設立以来25年以上無事故の施設で、大切な卵子を守ります。
まとめ
この記事では、卵子凍結の失敗について、その原因や確率、成功率を上げる秘訣などを解説しました。卵子凍結は、加齢や卵巣刺激法への反応の悪さ、その他の疾患などによって採卵できない場合や、凍結保存中、あるいは融解後の卵子が使えない場合に失敗とみなされます。成功率は年齢やクリニック、個人の状態によって異なり、加齢とともに低下する傾向にあります。卵子凍結を成功させるためには、適切な年齢で受けること、生活習慣を改善すること、実績のある医師や先進的な設備を備えた信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。将来の妊娠の可能性を広げる卵子凍結ですが、メリット・デメリットを理解し、自分に合った選択をすることが大切です。この記事が、読者の皆様の卵子凍結に関する理解を深める一助となれば幸いです。
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- Grace Bank所属スタッフが、グレイスバンクのサービス内容・ご利用の流れ・お手続き・クリニック選び等のご不明な点について個別にお応えします。
- グレイス杉山クリニックSHIBUYAで実際に卵子凍結業務にあたる培養士カウンセラーが、卵子凍結自体のご質問や、医学的なご相談に個別でお受けします。

名倉 優子 なぐら ゆうこ
日本産科婦人科学会専門医
グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)
杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!