卵子凍結について

ストレスが妊娠確率を下げる2つの原因とは?妊娠しやすい体をつくる方法

赤ちゃんを授かりたい、けれどなかなか妊娠しないと悩むカップルは、7組に1組といわれています。どうして妊娠しないのかしら?とお悩みの方も多いかもしれません。

「妊娠を妨げる原因」や「ストレスと妊娠確率について」また「ストレスを減らし、妊娠しやすい体を作るには」…これらについて考えていきたいと思います。

妊娠を妨げる原因について

妊娠しない理由はさまざまです。原因となるトラブルは、

  1. 卵の問題
  2. 子宮と卵管の問題
  3. 男性側の問題

また、これらが重なる問題もあります。

「卵」の問題について

卵巣機能不全」「PCOS(多のう胞性卵巣諸侯群)」「高プロラクチン血症」などが挙げられます。これらは、不妊の原因の約3割を占めるといわれています。

卵巣機能不全」とは、卵巣の中で眠っていた卵子ホルモンの影響で成熟して排卵するという過程のどこかに問題があるため、卵子が十分に育たなかったり、卵子が成熟しても、きちんと排卵しなかったりする状態のことです。視床下部、脳下垂体、卵巣自体のいずれか、または複数にわたって異常がある場合もあります。自覚症状としては、「月経不順」や「無月経」です。最近では、ストレスが卵巣機能不全を引き起こすケースが増えているようです。後ほど、なぜストレスが悪影響なのかについても述べたいと思います。

「子宮と卵管」の問題について

卵管狭窄(きょうさく)」「卵管閉塞」「ポリープや筋腫などの子宮の病気」などが挙げられます。

卵管狭窄とは、排卵した卵が通り抜ける事ができず、精子と出会えない状態の事を言います。「卵管閉塞とは、卵管が完全にふさがった状態をさします。

「男性側」の問題について

乏精子症」「精子無力症」「射精障害」などが挙げられます。

乏精子症」とは、健康な男性であれば、精液1ml中に1,500万個以上の精子が存在していますが、何らかの理由でこれよりも精子数が少ない状態を言います。

ストレスが妊娠確率を下げてしまう?その原因は?

「ストレスは万病の元」と言われていますが、先ほど挙げた「卵巣機能不全」のような不妊との関連も医学的に明らかになってきています。

ストレスが妊娠確率を下げる原因には、さまざまなホルモン分泌の作用が深く関わっていると言われています。大きく分けると、以下のようなことです。

  1. ストレスによるホルモン分泌の作用
  2. 女性ホルモンの乱れ

ストレスによるホルモン分泌の作用とは

人間は本来、ストレスを感じると、プロラクチン(※1)やコルチゾール(※2)といったストレス耐性を増強するホルモン分泌が盛んになります。これらのホルモンは体にとって必要ですが、同時に、排卵や女性ホルモンの分泌を抑制する作用があります。

結果的に、ストレスによって分泌されるホルモンが、妊娠確率を下げる原因となります。

プロラクチン(※1):プロラクチンには、胃潰瘍などを抑制するストレス耐性作用・乳汁を分泌する作用があり、妊娠中や産後は、赤ちゃんに授乳するためにプロラクチン分泌が盛んになります。同時に排卵抑制の作用もあるため、ストレスを感じてプロラクチン分泌が盛んになると、無排卵になったり生理が止まったりし、結果的に妊娠確率が下がるということになります。

コルチゾール(※2):コルチゾールは、ストレスを感じたときに心拍数をあげたり体を緊張状態にするなど、ストレスから身を守るための防御反応に作用します。一方、コルチゾールは女性ホルモンの分泌を低下させる作用もあるため、無排卵や生理不順などの原因となり、妊娠しにくい体質、妊娠確率を下げることになってしまいます。

女性ホルモンの乱れ

自律神経のバランスが乱れると、胃腸の調子がわるくなったり、睡眠や呼吸が浅くなったり、イライラや気分の落ち込みなど様々な症状がでるほか、女性ホルモンのバランスにも影響します。

女性ホルモンのバランスが乱れると、無排卵や生理不順などの原因となり、妊娠しにくい体質になることになります。

自律神経とは、呼吸や血液の循環、消化などが自然に行われるよう、内臓のはたらきを調整している神経のことを言い、「交感神経」と「副交感神経」という2種類の神経からなります。「交感神経」が働くと活発モードになり、血管の収縮、発汗の他、胃腸の働きを抑えるなどの作用がおこります。「副交感神経」が働くとリラックスモードになり血管の拡張、胃腸の働きを促進するなどの作用があります。

ストレスを極力減らし、妊娠しやすい体を作るには?

入浴でリラックスボタンスイッチオン!

湯船につかると、自律神経のバランスが整い、体温調節がうまく行えるようになります。

具体的には、就寝1~2時間前の、ぬるめの38~39℃のお湯に、半身浴で15~20分位の入浴で、副交感神経を刺激しリラックスボタンにスイッチをいれましょう。

運動でリフレッシュ!

運動をして筋肉を動かすと、血行が良くなり、血液が、卵巣や子宮など全身に行きわたり正常に機能することにつながります。ウォーキングやヨガなど、自分の好きな運動を取り入れたり、ひと駅分歩いたりすることで、基礎代謝を上げ、ホルモンバランスを整えることにもつながります。

良い食生活、医食同源!

ストレスを食生活からも軽減し、体調管理できたら素敵ですね。

食品数を増やし、バランスの良い食生活を意識することがまず大切ですが、特に女性が意識して摂取したい食品成分は、「大豆イソフラボン」です。

大豆は昔から日本人の健康長寿を支えてきました。しかし、近年は食べる量が減っているようです。大豆に含まれるイソフラボンという成分は、植物性女性ホルモンとも呼ばれて、エストロゲンと同じような働きをします。意識して大豆製品をとるようにしましょう。オフィスで昼食をとられる方も、豆乳やお味噌汁、きな粉入りドリンクなどを追加されるのはいかがですか?

まとめ

ストレスは、ゼロにすることは難しいかもしれません。現在、妊活中・不妊治療中という人は、それ自体がストレスに感じられることもあるかもしれません。しかし、心掛けしだいで少なくすることは出来そうです。本日ご紹介した、入浴、運動、食生活など…無理なく、負担なく始められそうな事をご家族様、パートナー様と話合っていただき、ひとつでも取り入れていただけたら幸いです。ご自身に合ったストレス削減法が見つかれば何よりです。

管理栄養士紹介:小林 れい子(こばやし れいこ)
管理栄養士
長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。その後は、調理専門学校で講義を行う。長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。
管理栄養士紹介 小林 れい子(こばやし れいこ) 管理栄養士 長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。 その後は、調理専門学校で講義を行う。 長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。

▼参考文献

  • 「女性ホルモン 美バランスの秘密」 大泉出版 松村圭子著
  • 「ビジュアル版 赤ちゃんが欲しい大百科」 主婦の友社 監修吉田淳 
  • 「国語辞典」三省堂
監修者

岡田 有香 おかだ ゆか

グレイス杉山クリニックSHIBUYA 院長

日本産科婦人科学会専門医
da Vinci certified First Assistant (ダビンチ認定資格取得術者)
日本母体救命システム普及協議会J-CIMELSプロバイダー


グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)

杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
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