今話題の「卵子凍結」ですが、いざ卵子凍結をするとなると気になるのが卵子凍結の流れや通院回数ではないでしょうか。特にお仕事をされている方は、業務との両立ができるのか気になるところです。今回は実際にグレイスバンクで卵子凍結をされたユーザー様にアンケートを実施し、卵子凍結の通院スケジュールについて調査をしました。
目次
卵子凍結の流れ
卵子凍結は不妊治療クリニックでおこなうのが一般的で、下記の流れで進めます。
- 診察・検査
- 排卵誘発
- 採卵
- 卵子凍結・保管
各項目を詳しく見ていきましょう。
診察・検査
採卵前の検査には、血液検査、超音波検査などがあります。また、ホルモン値、卵巣機能、卵子の数(AMH値)なども調べます。
排卵誘発
質の良い卵子を複数採取するため、排卵誘発剤を使用して、多くの卵子を成熟させます。注射や内服薬など、方法は様々あります。また、年齢、卵巣機能、体への負担やご自身の希望なども考慮して、その人に合った方法によって行われます。
採卵
腟に超音波機器をいれて超音波画像を見ながら、卵巣のなかの卵胞に針をさし、卵胞液とともに卵子を吸引・採取します。
卵子凍結
耐凍剤濃度の高い溶液に卵子をひたし、マイナス196℃の超低温で凍結し、液体窒素タンクのなかで保管します。何十年も状態変化なく保存させることができます。
卵子凍結までにかかる通院回数は?
1回の採卵に必要な通院回数は、約4~5回になります。具体的には、初診で1回、卵巣の刺激を開始してから採卵日の決定までに2~3回、採卵で1回、採卵後の状態確認と結果説明で1回、合計で4~5回通院していただきます。
採卵周期の通院スケジュールのモデルケース
回数 | 所要時間 | 時期・内容 |
初回 | 約1時間 | 月経の3日目以内にご来院いただき、採血と超音波で卵巣の状態を確認し、卵胞の刺激方法の選択を決定します。 |
2回目 | 約1時間 | 月経7~9日目頃です。採血と超音波で卵胞の発育具合を確認して薬剤の量を調整します。 |
3回目 | 約1時間 | 月経10~12日目頃です。採血と超音波で卵胞の発育具合を確認して採卵日を決定します。 |
4回目 | 午前中いっぱい | 月経12日目頃に採卵日となります。 |
採血と超音波検査などは、予約とクリニックの場所にもよりますが、半休取得やフレックスをうまく活用すればお仕事との調整も可能です。とはいいつつも、このモデルケースのようにスムーズに採卵が進むのか?と疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。
そこで、今回はグレイスバンクで卵子凍結をされたユーザー様の声を調査してみました。
グレイスバンクユーザー様の実際の声を大調査!卵子凍結のスケジュール調整は大変だった?
今回のアンケートは、グレイスバンクがサービスを開始した2020年8月から2023年11月までの間に、当サービスを利用した卵子凍結経験者(※登録者総数非公開)に対してインターネット調査を実施し、155名から回答を得ました。
今回のアンケートにお答えいただいた方について
採卵時の年齢
- 25~29歳:5.2%
- 30~34歳:27.7%
- 35~39歳:51.6%
- 40歳~:15.5%
職業
- 会社員:73.5%
- 専門職:7.7%
- 公務員:5.8%
- 自営業:4.5%
- 無職:2.6%
- パートアルバイト:1.3%
- 学生:0.6%
- 専業主婦:0.6%
- 医師・医療従事者:1.2%
- その他:1.2%
採卵時のスケジュール調整は大変だった?有給取得は取得した?
採卵にあたり約4割のユーザーが有給休暇を取得しなかったという結果になりました。半休やフレックス勤務をうまく活用したり、クリニックでの診療を始業前に予約したりすることで上手にスケジュール調整をしていた方もいらっしゃいました。なかにはクリニックの待合室でお仕事をしている方も…。クリニックの診療時間や待合室の雰囲気などもクリニック選びの重要な要素になりそうですね。
Q1:採卵にあたり有給休暇を何日取得しましたか?
- 取得しなかった:41.1%
- 1日:21.9%
- 2日:21.9%
- 3日:6.8%
- 4日:2.1%
- 5日以上:6.2%
Q2:採卵にあたり半休やフレックス勤務を何日取得しましたか?
- 取得しなかった:29%
- 1日:20%
- 2日:16.6%
- 3日:14.5%
- 4日:7.6%
- 5日以上:12.4%
Q3:通院にあたって工夫したことは?
- フレックス制度をうまく利用した
- テレワークの日を中心に通院した
- 始業時間に合わせて、朝一の診察を利用した
- クリニックにPCをもっていったり、近隣のカフェなどで仕事をしつつ受診した
- 遠方からだったので、初診時に採卵日までのスケジュールを決定、初診を含めて計3回で実施できた(医師と細かく確認・希望日を伝えた)
- できるだけ土日の受診をした
- 繁忙期はなるべく避けた
- 夏季休暇など長期休暇に合わせて実施した
- ピルを服用して生理日を調整した
- 会社・上司・先輩など周囲の人に相談した
Q4:通院にあたって苦労したことは?
- 仕事の調整(出張・急なオンライン会議・残業など)
- 卵胞の育ち具合で採卵日や通院日が変わること
- 予想外に待ち時間が長かった場合のスケジュール調整
- クリニックが遠方だったこと
- 通院理由を公にできず仕事を休めなかったため、投薬前後や採卵後の体調不良でも仕事をしなければならなかったこと
Q5:クリニックを選んだ理由
- 通いやすさ(家・職場から近い)
- 予約の取りやすさ
- 価格が明瞭
- 友人の紹介
- 会社の紹介(福利厚生制度の対象)
- 他院からの紹介
- 女医さんがいる
- 日曜日も採卵を行っている
- 認知度(杉山産婦人科系列など)・評判の良さ・クリニックの雰囲気
- セミナー・ネット記事・雑誌
クリニックを選ぶポイントとして、通いやすさや診療時間・予約の取りやすさ、クリニックの清潔さや雰囲気が挙げられました。また価格が明瞭であることを重視されている方も多くいらっしゃいます。
渋谷駅から徒歩4分、宮下公園向かいのcocotiビル5階にあるグレイス杉山クリニックSHIBUYAでは、各種検査、排卵誘発剤、局部麻酔、採卵・凍結費用を含む未受精卵凍結(卵子凍結)について、38万円(税込価格41万8千円、初回採卵時)のパッケージ料金で提供しています。さらには、2023年12月1日より凍結個数に応じた返金プランがスタートし、採卵終了後、凍結個数が5個以下だった場合には、採卵日に5万円の返金があります。
詳しい料金はこちら⇒https://grace-sugiyama.jp/price
また、グレイスバンクでは、確かな実績を持つクリニックのみと提携し、全国にネットワークを作っています(現在およそ40院、随時拡大予定)。採卵をするクリニックをお探しの方は、以下のクリニック一覧から、ご自身のライフスタイルにぴったりのクリニックを探してみてはいかがでしょうか。
グレイスバンクの全提携クリニック一覧はこちら
グレイスバンクユーザーAさんの通院スケジュールをご紹介
プロフィール
- お名前:Aさん(都内在住)
- 採卵時の年齢:34歳
- 職業:会社員(職種:IT系企業の会社員、フルタイム・フレックス制度あり)
Aさんの採卵スケジュール(期間24日間、通院回数4回)
卵子凍結のきっかけを教えてください。
年齢が一番の理由です。卵子凍結をするのはできるだけ若い時の方が良いと、30歳くらいのときに参加したセミナーで聞いていたので、34歳になることを期に卵子凍結をすることを決意しました。
採卵したクリニックを選んだ理由を教えてください。
職場に近かったからです。職場から近かったお陰で、お昼休憩中にパソコンを持って移動し、診察待ちのときに仕事をする、診察が終わればすぐに職場に戻る、ということができたので良かったです。
フルタイム勤務とのことですが、有給休暇やフレックス制度などは利用されましたか?
主に半休やフレックスを使用しました。卵子凍結をすることを会社の上司にも伝えたうえで、リモートワークを利用してスキマ時間に通院しました。
卵子凍結をすることを会社の上司に相談されたんですね。職場の反応はいかがでしたか?相談することに抵抗などはありませんでしたか?
直属の上司にのみ伝えました。「(私にとって)大切なことなんだと思うので、どうぞやって来て下さい」という反応でした。上司も会社のセミナーで不妊治療や卵子凍結について聞いていたようで、相談することに抵抗はなかったです。
最後に卵子凍結に悩む女性へメッセージをお願いします。
安い買い物ではないので私も躊躇しましたが、お金はまた頑張って稼げば返ってくる、と割り切って実施することを決意しました。実際、卵子凍結をしたことで気持ち的にも余裕が生まれ、よりやりたい仕事ができたり、結果的に収入が増えるといったことにも繋がりました。卵子凍結したからといって誰しもが良い方向に物事が進むわけではないと思いますが、私は何よりも精神的な余裕が持てるようになったことが最大のメリットでした。
まとめ
今回は、グレイスバンクユーザー様の通院スケジュールの調整についてお届けしました。仕事と両立しながら採卵に臨むには、スケジュール調整が大変ですが、半休やフレックスなどをうまく使えば、仕事に支障なく通院できそうです。
また、会社の上司や同僚に相談をするなど周囲の理解を得られると、仕事との両立がしやすくなりそうですが、まだまだ会社の上司や同僚には相談しにくいという風潮があるのも事実です。グレイスバンクでは企業のヘルスリテラシー向上・卵子凍結の有用性の理解促進・女性活躍推進における福利厚生制度設計の支援を行っています。管理職や社員向けのセミナーの開催もご相談いただけます。
卵子凍結は、忙しい現代女性の将来のライフプランの選択肢として、今大変注目を集めています。日本では、2022年から、不妊治療は保険適用となり、より身近なものとなりました。日本でも、福利厚生制度としての普及が進みつつあります。また、東京都では、健康な女性の卵子凍結にかかる費用1人あたり30万円の助成を開始しています。卵子凍結について検討される際は、一度グレイスバンクの無料セミナー等をご利用してみてはいかがでしょうか。