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卵活ってなに?なぜ必要?
字のごとく「卵」の質を高めるための「活動」が「卵活」です。元気で質がよい「卵子」であればあるほど妊娠しやすいため、妊娠したいときは、「卵」の質を高める「活動」である卵活が重視されます。この卵活が必要な理由としては、年齢とともに妊娠率が下がること、特に35歳から急激に妊娠率が低下するといわれているので、年齢を重ねても妊娠したい場合に、卵子の質を高める活動が必要となります。年齢と妊娠確率については、こちらの記事もご参照ください。
卵活の目指す「質のよい卵子」とは?
質がよい卵子とは、すなわち下記の3つのパワーを有するということになります。
- 卵巣で目覚めて、成長していけるパワー
- 受精できるパワー
- 受精後、妊娠に至るまで細胞分裂していけるパワー
従って、「質のよい卵子」を育む卵活では、卵の成熟と卵の成長とを促すことが必要となってきます。
卵活の質を高める3つの方法
では、具体的にどのような事を行えば「質の良い卵子」を育むことにつながることができるのでしょうか?実は「ミトコンドリア」(※1)という細胞内に存在する細胞内小器官の生成するエネルギーが関与しているのです。ミトコンドリアは、卵子成熟〜受精〜胚発育〜着床まで成り立つことに関与し、ミトコンドリアの機能を高めることこそが「質の良い卵子=卵活」につながります。
(※1)「ミトコンドリア 細胞内に存在する細胞内小器官で、ATPの生成やアポトーシス(細胞死)において重要な働きを担っている。参照:ミトコンドリア | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
体を温める
暖かい環境でミトコンドリアは活性化するといわれています。夏場ですと、冷房で体を冷やし過ぎないようにしましょう。また、冷たい飲み物などの飲みすぎなどに気を付けましょう。
食事に気をつける
卵子の質の低下を防ぐために、ミトコンドリアの活性に有効なカリウムを食事で摂取しましょう。カリウムは、藻類、いも類、豆類、肉類、魚介類、野菜類、果実類などに含まれています。水溶性なので、汁ごと食べる味噌汁やスープ、生野菜や果物を摂るようにしましょう。食事には、肉・魚・大豆製品などの主菜に野菜たっぷりの汁物、デザートに果物を組み合わせ、海藻やいもなども意識して摂るとよいでしょう。
「人体に必要なミネラルの一種で、成人の体内には約120gから200gが含まれています。遊離イオンやリン酸塩、たんぱく質との結合体としてそのほとんどが細胞内にありますが、ごく一部は血液やリンパなどの体液(細胞外液)や骨にも含まれています。カリウムは、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。一方、不足するとこれらの働きに影響することはもちろん、脱力感・食欲不振・筋無力症・精神障害・不整脈などの症状がみられることがあります。日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、生活習慣病の予防を目的とした成人1人1日当たりのカリウム摂取の目標量を、男性3,000mg以上、女性2,600mg以上としています」
カリウム | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
有酸素運動をする
ミトコンドリアは酸素で活性化します。ジョギング、ウォーキング、ヨガなどの長時間継続して行う有酸素運動を取り入れるのがおすすめです。仕事帰りに、休日に、電車や車を使わないで、歩いてみるなど生活スタイルに合わせて無理なく始められてはいかがでしょうか?
妊活と卵活の違いは?
ところで、妊活は妊娠に向けて行う活動のことですが、ここまでご紹介してきた卵活は、妊活と似ていると思う人も多いでしょう。妊活と卵活は、確かに妊娠に関わる活動として共通項がありますが、卵活においては、若いうちの卵子を凍結保存する「卵子凍結保存」が含まれるという相違点があります。次章で「卵子凍結保存」について詳しくご紹介します。
卵子凍結保存とは?
残念ながら「卵子の老化」に抗うことはできませんが、「卵子凍結保存」すれば若い卵子を未来に残すことができます。妊孕性の高い卵子を凍結保存する「卵子凍結保存」は、将来の妊娠に備えられる点では、「卵活」にもなるといえます。卵子凍結保存の仕組みを簡単にご紹介いたします。まず、不妊治療クリニックでさまざまな検査を行ったのち、年齢や卵巣機能、体の負担や希望を考慮して、排卵誘発を行い採卵します。その後、耐凍剤濃度の高い溶液に卵子をひたし、マイナス196℃の超低温で凍結し、液体窒素タンクの中で保管します。ちなみに、卵子凍結までの期間は、状況により異なりますが、通院回数は約5~6回と言われています。費用は1回の検査・排卵・凍結費用に30~50万、保管費用は、初期費用に加えて年間3~5万円かかります(状況、クリニックにより変動します)。
Grace Bankでは、全国に組織化された、国内最高峰の厳選クリニックを組織化しております。また凍結した後の卵子は、25年以上もの間、さい帯血の凍結保管システムを無事故で運用してきたステムセル研究所と連携し、安心の保管システムで保管をしています。
卵子凍結体験談「ゆいさん」~将来はこどもが欲しいかまだわからないけれど…
ゆいさんは、将来の結婚や出産などはまだわからないけれど、どんな可能性も考慮して卵子凍結に踏み切ったとのことです。
「35歳までの出産が望ましい」とよく耳にしてきたなかで、なんとなく年齢は意識していました。そして迎えた33歳--。35歳までの出産から逆算し、今からそこに至るのは現実的ではないと判断しました。
https://gracebank.jp/magazine/taiken/tonatama05/
とはいえ、将来結婚したいのか、子供が欲しいのかははっきりわからなかったんですけどね」「今はわからないけれど、環境で気持ちは変化しますから、どんな可能性もあると思っています。いざ子どもを持ちたいと感じた時に後悔しない決断をしたくて、情報収集を始めました。」
まとめ
卵活は卵子の質を高めるための活動で、具体的には、ミトコンドリアの活性化をすることが重要ですので、今回ご紹介した方法を是非試してください。また、卵活として若い卵子を凍結保存し、妊娠の確率をアップできる「卵子凍結保存」をご検討ください。この機会に卵子凍結保存ができるGrace Bankにどうぞご相談ください。
管理栄養士紹介:小林 れい子(こばやし れいこ) 管理栄養士 長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。その後は、調理専門学校で講義を行う。長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。 |
名倉 優子 なぐら ゆうこ
日本産科婦人科学会専門医
グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)
杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!