妊娠や出産だけでなく、女性らしい体つきや肌の美しさなどにも関係すると言われる女性ホルモン。女性の美や健康にかかわる重要なホルモンですから、女性ホルモンを増やしたいと考える方は多いでしょう。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類がありますが、現在、女性ホルモンを増やすと認められたサプリは存在していません。(ちなみに妊活において推奨できるサプリは葉酸とビタミンDです。)
女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするエクオールは食物から摂取することができます。
大豆製品の大豆イソフラボンを摂取することで、体内でエクオールに代謝されることが期待できるのです。
また、エクオールはサプリでも摂取することができますが、安易にサプリに頼るのではなく、まずは、日々の生活を整えることが重要です。女性ホルモンを整えるために身体バランスを整える、という考え方が大切なのです。
目次
女性ホルモンに似た働きをする成分|大豆イソフラボンとエクオール
女性ホルモンを整えるには大豆イソフラボンとエクオールを効果的に摂取する方法もあります。詳しくみてみましょう。
大豆イソフラボン
日本で古くから食生活を支えてきた大豆製品。その大豆に含まれる大豆イソフラボンが女性の健康によいことは広く知られています。
大豆イソフラボンは、納豆や豆腐などの食事から摂取することをおすすめします。食事から摂ることで、その他の栄養素やビタミンなどもバランスよく摂取することができるのです。
エクオール
また研究が進むにつれて、大豆製品のイソフラボンの恩恵をすべての人が享受できるわけではないことが明らかになってきました。
大豆イソフラボンを摂取することで、ダイゼインを素に腸内細菌によりエクオールが産出されます。女性ホルモンであるエストロゲンに似た構造をもっているエクオールこそが、女性の美と健康をサポートしていると言われています。
しかし、このエクオールをすべての人が産出できるわけではありません。
エクオールを産出するには、産出する腸内細菌をもっていなければなりません。日本人でも約半数しかエクオールを産出できないと言われています。
このように食べ物から摂取できない人についてはエクオールを補充するサプリもおすすめします。
女性ホルモンを整える3つのおすすめ方法
女性ホルモンを整える方法として、運動や睡眠、食事などに気をつけることも効果的です。
運動
ホルモンバランスと密接な関わりをもつ自律神経ですが、活性化するためには運動が有効です。
運動というと、ウォーキング、軽いジョギング、エクササイズ、ヨガ、ピラティスなどを思い浮かべる方もいるかもしれません。あるいは、ジムに行くことを想像する方もいるかもしれません。
時間や好みにあわせて、できる範囲で意識的に運動を取り入れてみてください。ストレス解消や、代謝アップ・血行促進による冷え改善にも効果的です。
自律神経を整えるリズム運動(一定のリズムで筋肉の緊張と弛緩を繰り返す運動)がおすすめです。
睡眠
睡眠は健康の基盤ですが、女性ホルモンを整える観点からも重要です。現代女性は、仕事やプライベートで忙しく、睡眠不足になりがちです。
睡眠環境も整えて、質の高い睡眠をとり、疲労回復に努めてみましょう。
食事
牡蠣、レバー、ごま
亜鉛が不足してしまうと女性ホルモンの分泌量が減少し、子宮内膜は早くはがれ落ちて生理不順を引き起こします。亜鉛をしっかり摂取することが、女性ホルモンを整える保つポイントとなります。
牡蠣やレバーには亜鉛が多く含まれています。赤身肉、小魚、かつお節にも比較的亜鉛が多く含まれています。こちらは日常手に入りやすい食品ですので、毎日積極的に摂取することをお勧めします。
肉・魚・卵・乳製品
女性ホルモンは動物性たんぱく質からできています。女性ホルモンを整えるためには適切な量の動物性たんぱく質を摂取する必要があります。
特に、ダイエット中の女性は不足しがちです。無理なダイエットは控え、ダイエット中であっても動物性たんぱく質は適正量をしっかりと取りましょう。
うなぎ、ツナ缶、青魚、アボカド、ナッツ類
これらの食品は、特にビタミンB群、E群や食物繊維を豊富に含んでいます。これらのビタミンB群、E群は体の正常な代謝を助け、女性ホルモンの調整に重要な役割を担っています。3食にこれらの食品を摂り、おやつにナッツ類を適量(10粒くらい)食べるようにするとよいでしょう。
女性ホルモンを整えて、卵子の老化を予防しよう
女性が持っている卵子は、他の細胞のように細胞分裂で数を増やすことができません。そのため加齢にともなって数が減少してしまいます。また同時に卵子の質も低下します。
加齢とともに妊娠確率は下がることはよく知られていますが、その原因は卵子年齢の老化にあることが近年の研究でわかってきました。
女性ホルモンが乱れていると、肌、髪だけでなく、卵子の老化も促進されてしまうおそれがあるのです。
女性ホルモンが乱れないようにすることは大切ですが、近年は、若い卵子を将来のために凍結保存しておくという選択肢を選ぶことも可能になりました。
卵子凍結保存とは
若く妊娠力の高いうちに卵子を凍結保存し、将来の不妊治療に備える「卵子凍結」という方法があります。いざ不妊治療をするとなった時に、加齢による妊娠確率の低下を補うことが期待できます。
「Grace Bank」は国内最大級の卵子凍結バンクです。20年以上無事故の安心保管システムを持ち、国内最高峰クリニックと連携して現代女性を支えてまいります。無料のオンラインセミナーも開催しておりますので、卵子凍結保存にご興味のある方はぜひご参加ください。
まとめ
女性ホルモンを整えることは大切です。女性の美と健康を司っているといっても過言ではないです。
特に妊活においては切っても切れないほど重要事項です。正しい知識を得て、日頃の生活から整えていきましょう。それでも補完できない部分はサプリを活用するのもよいでしょう。それと同時に将来の選択肢を増やすために、卵子凍結についても、ぜひご検討ください。すべての女性がいきいきと輝くことを私たちも願っています。
▼参考サイト
- https://www.otsuka.co.jp/eql/tab/equol/about.html
- https://www.otsuka-plus1.com/shop/pages/story_equ_fhormone.aspx
- https://jineko.co.jp/lp/setumei
- https://www.mhlw.go.jp/content/000776926.pdf
- https://www.otsuka.co.jp/college/laboratory/05.html
- https://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/200607/mame.htm
- https://woman-type.jp/wt/feature/2800
- https://www.kose.co.jp/kose/aging/aging29.html
管理栄養士紹介:小林 れい子(こばやし れいこ) 管理栄養士 長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。その後は、調理専門学校で講義を行う。長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。 |
名倉 優子 なぐら ゆうこ
日本産科婦人科学会専門医
グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)
杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
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