卵子凍結について

不妊治療を考えている30代の方へ|人工授精とは?卵子凍結とは?東京都の卵子凍結の助成制度についてもご紹介

そもそも人工授精とは?

人工授精とは(AIH:Artificial Insemeination withHusband’s semen)女性側の排卵の時期に合わせて、パートナーの精子を子宮内に注入する方法の事をいいます。歴史は古く、1799年イギリスの外科医であるHunterにより始まった、不妊治療(※1)のひとつの方法です。

参考HP 人工授精(AIH:Artificial Insemination with Husband’s semen) – 日本産婦人科医会 (jaog.or.jp)

人工授精は、運動率の良い精子を選び、直接子宮に精子を注入するため、自然妊娠よりも妊娠確率が高くなります。また、自然妊娠に限りなく近い方法なので、心理的な負担も少ない、副作用などもないメリットも挙げられます。また費用面の負担も少ない事も、利点として考えられます。

※1 不妊治療について

不妊治療は、様々な検査に始まり、タイミング法から、人工授精、体外受精、顕微授精といった高度な治療まであります。一般的な不妊治療の流れとしては、検査で異常が見当たらなければ、まずは、「タイミング法」(排卵日を推測しその前後に性交渉を持つ、場合によっては排卵誘発剤を使う)を行います。それでも妊娠できなかった場合、人工授精が次のステップとして試されることになります。さらに次のステップとしての体外受精は、女性の身体から卵子を取り出して、培養器の中で男性の精子を受精させてしばらく培養した後に子宮に戻します。顕微授精の場合は、顕微鏡を使って精子を卵子に直接送り込んで受精させる点が、体外受精とは異なります。

では、人工授精の手順とは?~大きく分けて3段階~

STEP1 排卵日を予測する各種検査

排卵日を予測するための各種検査を、必要に応じておこないます。超音波検査で、卵胞の育ち具合などをみます。また、頸管粘液検査では排卵日に向けて増加する頸管粘液をみます。さらに尿検査では、排卵日直前に急増する成分LHを測定します。

STEP2 排卵日前日~人工授精当日

パートナーの精子を採取して、洗浄・濃縮し、運動率の良い精子を選びます。樹脂製カテーテルを腟から子宮内に挿入し、精子を注入します。痛みはほとんどなく、治療時間は全部で10分前後です。治療後には、当日の入浴、激しい運動などは制限される場合もあります。また2日間は感染症予防のため、抗生物質を服用する場合もあります。

STEP3 人工授精の翌日以降排卵確認・着床サポート

超音波検査で、排卵がおこなわれたどうかの確認を行います。HCG注射(黄体ホルモンの分泌を促す筋肉注射)や黄体ホルモン剤による黄体補充療法で、排卵を促す治療や着床率を高める治療が行われる場合もあります。

気になる費用については?

2022年4月から保険適用となった不妊治療。人工授精(AIH)1回あたりの実施料は約6,070円と言われています。その他、診察、検査、処方薬の費用などが加算されるため、1回あたり約1万円の費用が必要となっています。

30代の妊娠確率を高める3つの方法は?

30代のみなさんの妊娠確率が少しでも上昇することを願って、3つの方法についてもご紹介します。1点目は、なるべく若いうちに妊娠出産の準備を始めることです。2点目は、女性ホルモンバランスを整えることです。最後に、なるべく若いうちに卵子凍結保存をしておくという方法をご紹介します。

なるべく若いうちに妊娠出産の準備を

年齢を重ねるごとに、自然妊娠・不妊治療ともに妊娠確率は低くなり、リスクは高くなる傾向にあります。これらの原因は母体の加齢だけでなく、卵子の加齢による減少および質の低下にあるといわれています。いわゆる「卵子の老化」という問題です。卵子の老化は、正常な受精卵になるための卵子の機能(妊孕性)の低下の事を言い、この低下は35歳ぐらいから閉経にかけて急激に進行すると言われています。30代で妊娠を望んでいる人は、なるべく早めに、妊娠のための検査や不妊治療の準備をする必要があるといえます。

女性ホルモンバランスを整える

女性ホルモン(エストロゲンとプロエストロゲン)は、生理周期(28日)に合わせて、増減しながらバランスをとっています。具体的には、排卵前になるとエストロゲンが徐々に増量し、一時的にピークを迎え、排卵を迎えるとともに減少します。排卵後の、卵胞は黄体という塊になります。この黄体がエストロゲンとプロエストロゲンを分泌し、エストロゲンは再び穏やかに増量し、プロエストロゲンも増量します。生理前には、両方のホルモンは急激に減少します。生理周期に合わせて、2種類の女性ホルモンの量が変化することが「ホルモンバランス」であり、これらが正常に作用していれば、「整っている」ということになります。

また、女性ホルモンは、脳の視床下部の司令により分泌されます。視床下部は、自律神経系の中枢もあるため、心やからだのストレスの影響を受けやすい部位でもあります。疲労、睡眠不足、栄養不足などによって自律神経の乱れが生じると、連動して女性ホルモンのバランスが乱れてしまうのです。その結果、生理周期の乱れが生じると、妊娠確率を下げることにもつながってしまいます。ですから、女性ホルモンのバランスを整えることが大切になります。疲労回復・バランスのとれた食事・十分な睡眠・適度な運動・リラックスなどが、ホルモンバランスを整えることにつながります。場合にとっては、サプリや漢方も効果を期待できます。生理不順や不正出血などがある場合は、一度婦人科へ行って検査・治療するのが望ましいです。

なるべく若いうちに「卵子凍結保存」をしておく

若く妊孕力の高いうちに卵子を凍結保存する「卵子凍結」が、将来の不妊治療(体外受精)の際に妊娠確率を上げる可能性もあります。

不妊治療を経験した先輩から「30代前半の今がチャンス」と卵子凍結を勧められたことです。なぜチャンスかというと、その方が30代後半からの不妊治療に時間と費用をかけたからこそ、年齢が卵子の質(妊娠能力)に影響することを理解していたためです。今の若い卵子が将来妊娠・出産の可能性を高めて、長期間の不妊治療が不要になれば、結果的に安いと思って。身近な友人が乳がんを患い、がん治療の始まる前に卵子凍結が必要になったことにも背中を押されました。それまで卵子凍結を「自分ごと」ととらえきれないでいましたが、このような出来事を受けて、今行動を起こすことの意味を強く感じ、34歳の誕生日に決断しました

https://gracebank.jp/tonatama02/

1年でも卵子が若いうちに、卵子凍結保存をしておくことが、数年後の不妊治療の成功率を大きく左右する可能性があることから、妊娠確率を上げる選択肢としてご検討いただければと思います。

東京都で健康な女性への支援を開始、今注目の「卵子凍結」とは?

卵子凍結とは?

卵子凍結とは、将来の体外受精を見据えて自身の未受精卵を凍結する技術で、採卵時とほぼ変わらない出産率を維持できます。卵子凍結保存は確実に卵子を採取するため、排卵誘発剤を使って卵巣刺激を行い、いくつかの卵胞を育てて採卵に臨みます。そうすることで、1回で複数個の卵子を採取することができるのです。採卵した卵子は、高速で凍結する急速ガラス化法により凍結され、マイナス196℃の液体窒素内に保存することにより、半永久的にそのままの状態を保つことができます。

将来の妊娠に備える卵子凍結ならGrace Bank

将来のために妊娠力を維持するための選択肢として、「卵子凍結」をご紹介しましたが、ご自身の卵子を凍結保管できる「Grace Bank」をご存知でしょうか?

不妊治療の実績あるクリニックで採卵し、安心して卵子を保管できるのがGrace Bankの特徴です。

  1. 確かな実績を持った経験豊富な有名不妊治療クリニックと提携
  2. 従来の不妊クリニックのような小型の液体窒素タンクによる保管とは異なり、臍帯血バンクのステムセル研究所と提携し、今まで20年以上無事故を誇る、同社の専用大型タンクで一括管理
  3. 保管施設は地震や津波に強いエリアに設置され、停電対策も万全、安心のシステムで大切な卵子を保管

凍結した卵子は、20年以上無事故という信頼の置ける場所で管理できるので安心です。卵子を融解する際についても、全国の有名不妊治療クリニックで使用できるというメリットも得られます。もし、将来転勤などで居住地が変わっても、凍結した卵子を使える安心感は大きいでしょう。

今は仕事などが忙しいけれど将来妊娠を希望するという方は一度、Grace Bankの卵子凍結について検討してみてはいかがでしょうか。

東京都 「卵子凍結に係る費用助成」とは?

東京都の「卵子凍結に係る費用助成」とは、将来の妊娠に備える選択肢の一つとして、「卵子凍結・保存費用」及び「凍結卵子を使用し、卵子融解・授精・胚培養・胚凍結・胚移植・妊娠確認をする費用」を補助する助成制度です。卵子凍結に係る費用の助成額は合計で30万円(最大)、凍結卵子を使用した生殖補助医療の助成額は、凍結卵子を融解し受精を行った場合に1回につき上限25万円支払われます。

これまで東京都では、がんの治療のために女性が妊娠するための力(妊孕性:にんようせい)を温存する方法として、卵子凍結への支援をしていましたが、健康な女性の将来への備えとしての卵子凍結を支援するのは初めてです。東京都が、女性の出産とキャリアの両立が難しい点などを考慮して、女性の選択肢を増やすために支援を開始したことは、とても画期的なことです。

東京都は15日、将来の妊娠を望む人への具体的な支援策を公表した。凍結した卵子を活用した生殖補助医療を利用する人に対し最大150万円を助成する。都は2022年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子供の数)が1.04と全国で最も低い。妊娠を希望する人への支援を広げ、将来の妊娠の可能性を残せるようにする。

対象となるのは妻の年齢が43歳未満で、凍結卵子を使った生殖補助医療を受ける夫婦。1回につき25万円を上限に最大6回まで助成する。10月16日から申請を受け付ける。

加えて18〜39歳の都内在住の女性が都の指定する医療機関で卵子の凍結保存をする場合、最大30万円を助成する。都の調査への協力や説明会への参加が必要で、凍結する年度に上限20万円、次年度以降は年に2万円を最大5年間助成する。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC1564G0V10C23A9000000/

今後ますます注目を集める「卵子凍結」、是非Grace Magagineの体験談をご覧いただき、ご検討いただけたら幸いです。

▼参考HP

厚生労働省 不妊に関する取り組み 不妊治療に関する取組 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

監修者

岡田 有香 おかだ ゆか

グレイス杉山クリニックSHIBUYA 院長

日本産科婦人科学会専門医
da Vinci certified First Assistant (ダビンチ認定資格取得術者)
日本母体救命システム普及協議会J-CIMELSプロバイダー


グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)

杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!

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