近年では、第1子の平均出産年齢は30.9歳となっています。また、経産婦による、2人目・3人目…の出産も含めると、30代後半になってから妊娠出産する人は多くなっています。
(厚生労働省の人口動態調査 令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)より)
しかし、年齢とともに、妊娠の確率は下がると言われています。一体、37歳前後の妊娠確率はどれぐらいなのでしょうか。また、何歳まで妊娠することができるのでしょうか?
以下の様々な視点から探ってみましょう。
目次
年齢別の妊娠確率|37歳は約11~30%
女性が自然妊娠する確率は、35歳だと18%、40歳だと5%となっています。(※1)37歳の確率は、約11.5%となります。
20~30代前半の頃と比較すると、37歳の妊娠確率は低いことがわかります。特に、35歳以降からは妊娠確率が急激に下がっていきます。
(※1)1周期当たりの妊娠率
- 25歳 25%~30%
- 30歳 25%~30%
- 35歳 18%
- 40歳 5%
- 45歳 1%
婦人科ラボ「実は思っているほど高くない「自然に妊娠できる確率」」よりデータ引用
ダウン症などの染色体異常の妊娠確率|37歳は4.4%
加齢によって妊娠確率が下がるだけでなく、ダウン症など、受精卵が形成される際に染色体異常が起こる確率は高くなってしまいます。
37歳の場合は、約4.4%です。35歳以降から、その確率は年々増えていきます。
女性の年齢と子どもの染色体異常の頻度
女性の年齢 | ダウン症候群の子が生まれる頻度 | 染色体異常をもつ子が生まれる頻度 | ||
出生人数あたり | 出生千対 | 出生人数あたり | 出生千対 | |
20歳 | 1/1667 | 0.6 | 1/526 | 1.9 |
25歳 | 1/1250 | 0.8 | 1/476 | 2.1 |
30歳 | 1/952 | 1.1 | 1/384 | 2.6 |
35歳 | 1/385 | 2.6 | 1/192 | 5.2 |
40歳 | 1/106 | 9.4 | 1/66 | 15.2 |
45歳 | 1/30 | 33.3 | 1/21 | 47.6 |
48歳 | 1/14 | 71.4 | 1/10 | 100.0 |
出典:「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」2013|厚生労働省より
第1子の出産年齢|35~39歳は16.6%
2022年に「第1子」を出産した女性のうち、35~39歳で第1子を出産した人は、全体の16.6%にあたります。(厚生労働省の人口動態調査による)
25~34歳が、全体の約68%と過半数となっています。
第2子の出産年齢|35~39歳は26.5%
同じように「第2子」の出産年齢を見てみましょう。2022年に出産した女性のうち、35~39歳で第2子を出産した人は、全体の26.5%にあたります。
全体の約40%と大多数なのは、30~34歳です。
第3子の出産年齢|35~39歳は37.2%
では「第3子」はどうでしょうか。2022年に第3子を出産した女性のうち、35~39歳で第3子を出産した人は、全体の37.2%です。
30~39歳が、全体の約73%です。37歳前後が大多数となっています。
なぜ37歳になると妊娠確率が下がる?原因は「卵子の老化」
女性が持っている卵子は、他の細胞のように細胞分裂で数を増やすことができません。そのため加齢にともなって数が減少してしまいます。また同時に卵子の質も低下します。排卵が行われても染色体異常があったり、そのため着床しても流産してしまったりすることが多くなってしまうのです。
卵子の老化は35歳ぐらいから始まり、40代での妊娠確率はわずか数%にまで減少してしまいます。そのため、子供を望んで不妊治療しても「年齢」によってあきらめてしまう人が多いのです。
高齢出産は何歳から?なぜリスクが高いのか?
35歳以上の初産を、医学上「高齢出産」と呼びます。初産年齢が年々あがっている現在、高齢出産は決して珍しくありません。しかし、体の仕組みとして、35歳を過ぎると胎児の染色体疾患・母体の異常などのリスクが急激に上がっていくことは事実なのです。
ですから、妊娠を望む場合は、年齢を考慮して早めに準備することが大切になります。
将来妊娠を望む女性が、今から準備しておくべき2つのこと
将来の妊娠に備えて、今から準備できることを2つご紹介いたします。
女性ホルモンのバランスを整える
女性ホルモンのバランスはとても重要です。女性ホルモンの乱れは不妊につながる恐れがあります。生理不順・PMS(月経前症候群)・肌荒れ・冷え性・不眠などの体からのサインを見逃さないようにしましょう。
日頃から、疲労回復・バランスのとれた食事・十分な睡眠・適度な運動・リラックスなども大切にしてください。
これらのことは、妊娠する力につながるだけでなく、美容と健康維持にとっても重要なことです。
卵子を凍結保存する
若く妊娠力の高いうちに卵子を凍結保存し、将来の不妊治療に備える「卵子凍結」という方法があります。不妊治療をするとなった時に、加齢による妊娠確立の低下を補うことが期待されます。
36歳を過ぎると、1年ごとに不妊治療の成功確率などが大きく下がってしまいます。卵子が若いうちに、1年でも早く卵子凍結保存をしておくことが、2年後・3年後の不妊治療の成功率を大きく左右する可能性があります。
卵子凍結には年齢制限があり、採卵は40歳未満・凍結卵子の利用は50歳未満が目安となっています。
「Grace Bank」は国内最大級の卵子凍結の保管サービスです。20年以上無事故の安心保管システムと国内最高峰クリニックとの連携で、女性の不妊治療に真摯に向き合っております。
まとめ
ここまでご覧いただいたように、女性の妊娠確率は35歳ぐらいから顕著に下がり始めます。
同時に、胎児と母体の異常といった危険なリスクも高まります。
37歳は、卵子の妊孕力(妊娠できる力)が下がり始める年齢です。いま妊娠を考えている方、または将来妊娠を考えているという方は、早めに妊娠出産の準備を始めましょう。
卵子凍結ができるのは40歳未満が目安です。あとで慌てないためにも、検討や準備はお早めにされることをおすすめいたします。
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