卵子凍結関連NEWS(海外)

家族を遅く持つ女性にとって、効率が良いのは卵子凍結

不妊治療の成果に関する米国最大規模の報告書によると、38歳未満で卵子を凍結し、後日少なくとも20個の卵子を解凍した女性の70%が子どもを授かっていることがわかりました。

これはアメリカでトップレベルにあるNYUグロスマン医科大学と、NYUランゴン不妊治療センターの専門家が行った調査により導き出されたものです。

新しい発見は、15年間の凍結卵子を解凍した結果に基づいています。この研究は、5月18日に「Fertility and Sterility(不妊症・不育症)」誌のオンライン版で発表され、かなりの数の女性が卵子保存によって2人以上の子どもを得ていることも明らかになりました。この研究では、卵子凍結によって合計で211人の子どもが生まれたと報告しています。

高齢の体外受精より事前の卵子凍結

疾病管理予防センター(CDC)が全米約500の不妊クリニックから集めた統計でによると、妊娠を希望する女性の新鮮な卵子や胚を使った場合、40歳になって体外受精で妊娠するのは30%以下で、その結果で出産するのは20%以下になることが明らかになっているのです。

このことから、高齢で出産を考えた場合、将来に凍結卵子を融解することで、生殖補助医療で新鮮な胚を使うよりも高い妊娠成功率が得られると、この研究の著者たちは述べています。

「重要なのは、私たちの研究が実際の臨床経験に基づいていることです」と研究をリードしたサラ・ドランケンミラー・カスカンテ博士は話し、「年齢によって生殖能力低下するなか、卵子凍結による出生率に対するより良い理解は、患者の意思決定にとても必要なもの」とも付け加えています。

増え続ける高齢出産

今回の調査で重要なのは、研究が実際の臨床経験に基づいていることです。カスカンテ博士は「これまで卵子凍結による出産の可能性について発表されてきた調査のほとんどが、限られたデータをもとにして割り出した、数学的なモデルに基づく結果でした」とも話しています。

 アメリカでは、高齢で子どもを産む女性の数は30年間増え続けています。この傾向は今後も続くと考えられていて、アメリカの国勢調査局によると、出生率は20代の女性で低下し、30代後半と40代前半の女性で急上昇しています。初産の平均年齢は1984年の19歳から2021年には30歳まで上昇していて、多くの大都市圏で高くなっているのです。

卵子凍結の数は3年で約3倍

ランゴン不妊治療センターで働く専門家たちは、卵子凍結技術の開発で最先端を走っており、2005年7月に、卵子凍結による最初の子どもが誕生しています。同センターでは、2022年に卵子凍結サイクルを始める女性の数が、2019年と比較して約3倍に増加しました。このような全国的な傾向が強まるなかで、生殖の未来を確保しようとする女性たちに情報を提供するために、より多くのデータが必要とされているのです。

(調査の詳細について)

この研究では、543人の患者が参加しました。最初の卵子凍結時の平均年齢は38歳で、卵子凍結の最適年齢(35歳以下)よりも高くなっています。患者は、2005年から2020年の間に、800回の卵子凍結、605回の卵子融解、436回の胚移植を行いました。

その結果、27歳から44歳の女性の39%(※卵子凍結時は35歳から40歳が中心年齢)が凍結卵子から1人以上の子どもを授かっていました。これは年齢を一致させた体外受精の成績と同程度であることがわかりました。

すべての年齢層で、20個以上の成熟卵を融解した女性の出産率は58%でした。実際、41〜43歳で卵子を凍結した14人の患者が、凍結卵子から子どもを授かることに成功しました。

前述のように、20個以上の卵子を融解した38歳以下の女性では、患者一人当たり70%の生児誕生率を達成しました。凍結卵子の保存期間は成功率に変化を及ぼしませんでした。

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