グレイスバンクについてセミナーレポート

【体験談】早期閉経、乳がんを経た私が伝えたいこと

妊活から不妊治療をする過程で「早期閉経」と診断された太田可奈さん(当時36歳 )。

その後、38歳で乳がんが発覚し、不妊治療を泣く泣く断念した経験を持ちます。

自分のライフプランの設計に何が必要だったのか、何度も過去を振り返ったと言います。

自分の人生を後悔しないために、太田さんが今だからこそ伝えたいことがあります。

「グレイス杉山クリニックSHIBUYA」の岡田有香院長と、グレイスバンクのエバンジェリスト、金藤美樹穂も加わって、太田さんの体験、そして女性たちへのメッセージを伺いました。

太田:30代半ばベンチャーで働く傍ら、不妊治療を行い、乳がんにもなりました。私の妊活から、ライフプランが崩れるまでをシェアしたいと思います。

今年は40歳です。私が34歳の時に、流行りの妊活をスタートしました。

タイミング療法を始めたのですが妊娠できず、36歳の時に紹介状を書いてもらって、不妊治療のクリニックに行きました。その後、37歳の時に「早発閉経」と診断されたのです。

採卵ができないという状況が続き、通っていたクリニックでの治療は厳しいということで卒業させられてしまったのが37歳の時。

その後、38歳で乳がんが見つかり、不妊治療を断念することになりました。

早発閉経:40歳未満で卵巣機能が低下して月経がなくなってしまう「早発卵巣不全」で、永久に月経が停止するもの。これ以外に、卵巣に卵胞が少数残っていて、非常に低い頻度であっても卵胞発育や排卵が起こるものもある。

私の見直しポイント

私が、ライフプランをどこでしくじったのか。振り返ってみると2つあって、しくじりポイント①が、妊活の準備の段階です。

当時、テレビでは「妊活」というワードが流行っていました。森三中の大島さんが妊活に入ったり、著名人の人たちが40歳近くで妊娠というニュースが出ていたのです。

私は34歳だったので「自分はまだ大丈夫」と思っていたのですね。仕事もしたいと思っていた頃。今思えば、私は34歳で妊娠の準備と言ってはいられなかったのです。

そしてしくじりポイント②は妊活です。最初は不妊という意識がないので、不妊治療の専門でなくレディースクリニックに行きました。

生理が遅れていたので、ホルモンバランスが崩れているから整えましょうとの診断でした。自分がまさか「不妊のはずがない」という思い込みがあり、自分に原因があったのに、夫に原因があるとすら思っていたのです。

そんなしくじりから、私は卵子が少ないにもかかわらず、2年間を無駄に過ごしてしまったのです。とてももったいない時間を過ごしてしまいました。

卵子には限りがあります。レディースクリニックへ行っていた時期は、卵子が無くなっているという感覚は全くありませんでした。卵子の数には限りがある、そして自分の子どもを出産する期間は有限だと知ったのです。

乳がん診断より辛いこと

実は「乳がん」と診断された時より、「早発閉経」と診断された方が辛かったですね。夫とは離婚を考えました。大切な人の赤ちゃんを産めないと思って、涙を流しました。

この時、「AMH検査」キットで血液から卵子の在庫を測ることができるということを、20歳の自分に教えてあげたいと思いました。

妊娠・出産を考える女性の人たちに、私のような後悔をしてほしくないと思っています。

金藤:早発閉経のが辛かったというのが響きました。

太田:結婚してから、毎年夫婦で人間ドックに行っています。人間ドックで胸部に関しては「石灰化の経過観察」という診断だったりしたので、乳がんに関してはある種の知識がありました。

けれども早発閉経は、婦人科のオプションにも入ってないので完全に見落としていました。「病気に関して予防してきたのに何でだろう」という思いが大きかったのです。

乳がんはステージ1で早期発見だと、まだまだ生きられます。自分が頑張って治療すれば治る。それに比べて、早期閉経はやりようがない、ゴールがないというのがきつかったですね。

早期閉経が増える理由

金藤:できることがあるのかどうか、は大きな違いですよね。

岡田:本当にそうですね。早発卵巣不全」は、妊娠に至るのが難しいものです。

いろいろな方法が試されていて、再生医療として幹細胞を注入して卵巣の再生を図るというものもありますが、成果出てないのが現状です。

早発閉経は増えていて、20代で1000人に1人、30代は100人に1人と言われていたのが、今は3〜5人になってきています。

事前にこのような体質であるとわかっていたら、「キャリアプラン変えたのに」という人が多いのです。

将来、早期卵巣不全になる可能性が高い人もわかるので、ぜひAMH検査は活用してほしいと思っています。

金藤:なぜ30代で、早期閉経が増えてるのでしょう。

太田:私もクリニックで医師から、遺伝、卵巣を手術した時に傷付いて影響が出る、薬、生理が重かったりする女性が多い、など原因を聞いています。

そこでとても衝撃だったのは、昔の女性は若い年齢で子どもを産んでいて、30代で出産していないから、という理由でした。そういうことは性教育で習っていません。

岡田:50年ほど前の話ですが、当時は16歳で生理が始まって、20代前半で出産して、授乳も含めた期間が1年半とすると、2〜3年は卵巣が働かない「休み」の期間があります。

子どもを多く出産し、例えば4回妊娠・出産となると、8年は卵巣が休むことになります。そういう経過をたどって、30歳くらいになる。

すでにその時点で、まだ7年分の卵子しか消費されてないということになります。それに比べて、今は生理が始まる年齢も早く、11歳くらいから始まって、30歳まで生理が休みになることがないと、卵子は継続的に消費されていきます。

そのため、30代の前半で、卵子の数が減っているという場合があるのです。

AMH値からわかること

太田:どちらかというと30代で初めて出産するのは、人間の体の仕組みからすると違うぞというのがあるのですよね。

岡田:早期閉経は、突然なってしまう人もいます。卵巣の中の卵子を攻撃する病気で、突然始まる人もいるのです。

先ほど太田さんが、20代でAMH検査をとお話ししていましたが、20代の前半で一度、後半で一度、30代では一年ごとに採血してもらうと状況がしっかりわかって良いかなと思っています。

金藤:AMHの値の減る速度はわかっていますか。

岡田:卵子に関しては、1度の生理周期で通常は400〜500個。 少なくて200個、多くて1000個と言われています。一月でこれだけ減ってしまうのです。

AMHの値は1年で0.5ほど減っていくと言われていますが、そこは個人差が大きく、「早発卵巣不全」に突然なるという人もいるので、やはり毎年測ってもらえると安心ですね。

AMHの値が低すぎる人は早発卵巣機能不全になりやすく、高い人は多嚢胞性卵巣症候群になりやすいと言われています。

「AMHの値が少ない」というのは1よりも低い場合で、早発卵巣機能不全の発症確率は3〜5%と言われています。

そして、早発卵巣機能不全の人が自身の卵子で妊娠できる可能性は5〜10%とされているのです。

「自分は大丈夫」はない

太田:国にも支援をしてもらって、成人式の時にAMH検査ができるようになればと思います。また親が意識して、娘にクリニックに行ってみるように勧めるのは大切ですね。私の母も知リませんでした。

岡田:そうですね、早期閉経は親子で共通していたということもあるので、チェックしてほしいですね。

太田:私の場合は遺伝でした。母も早期閉経だったのですが、母は早くに子どもを産んでいたので、気がつかなかったのです。

私の体験を聞いて「もしかして私も早期閉経?」と考える人もいます。「生理不順で、なかなか来ない」って。

私も同じでしたが、生理不順というのが先にくるので、まさか閉経の可能性があるとは思わないんです。

卵子の在庫が減っているのに、生理不順になっているだけと思っている人もいるので、だからこそAMH検査をしてほしいのです。

岡田:定期的に生理が来ていた人が1〜2日遅れたり、ちょっと周期が短くなると言われています。どのような兆候が出ていましたか。

太田:私の場合は、生理がちゃんと順調にきていまして、34歳の時くらいから、少しずれたりしたのです。その度に「妊娠したのかも」と思っていました。

AMH検査はレディースクリニックではやっていないところもあります。こういうサインを見逃さずに、体調をチェックしてもらいたいですね。

体に起きる変化をしっかり知ろう

金藤:生理を止めるのに、ピルはお勧めなのでしょうか。

岡田:生理を止めるには、ピルをお勧めしますが、卵子の在庫をキープできるのかというと、これはできません。

ピルは卵巣にダメージを与える病気「内膜症」の予防になるので、その意味で使ってもらうと良いでしょう。今ある正常な卵子のキープはできますが、減るのはどうしても減っていってしまうのです。

金藤:ピルを長年使うと、妊娠に弊害はあるのでしょうか。

岡田:弊害はありません。ピルは、妊活の3カ月前にやめていただければ大丈夫です。これで、90%の人は排卵が戻ってきます。

卵子の数は決まっている

太田:やはり、知識というインプットが大切ですよね。卵子には在庫があるんだよということを伝えたいのです。

私たちが学校で受けた教育では、卵子が成熟して排卵するというイメージしかありませんでした。

それだけではないこと、そして親世代にも知ってもらうことが大切だと思うのです。

先ほどもお話したように、若い世代の女性たちに向けた検査や、気軽にできるような取り組みを、国が主導してできるといいかなと思っています。


◆ 本記事の内容に関しては、2022年6月1日に行った
『「後悔してほしくない!今だからできる選択肢』セミナーの動画にてより詳しくご視聴いただけます。

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