卵子凍結を選択したあと、時間の経過やライフステージの変化によって「やっぱり子どもは持たなくていいかもしれない」「今は欲しいと思えなくなった」そんな気持ちが芽生えることも、決して珍しいことではありません。
卵子凍結は“必ず妊娠・出産をしなければならない”という契約ではなく、将来の可能性を自分の意思で選べるようにするための手段です。だからこそ、「使わない」という選択も、正しい選択のひとつです。
目次
卵子凍結を検討する上での注意点
将来の選択肢として卵子凍結を検討する際には、いくつかの重要な注意点を理解しておく必要があります。これは、あなたの未来の選択をより確実なものにし、後悔のない決断をするために不可欠なステップです。
卵子凍結後のライフプランニング
卵子凍結は、将来の可能性を広げるための「保険」のようなものですが、凍結したからといって、その後の人生設計が自動的に決まるわけではありません。凍結後のライフプランニングもまた、重要な注意点です。
まず、現在の「子供は欲しくない」という価値観が、将来的に変化する可能性を認識しておくことが大切です。人生の節目や経験を通じて、気持ちが変わることもあれば、変わらないままのこともあります。その際、凍結卵子をどのように活用するか、あるいは活用しないかといった具体的な選択肢を、漠然とでも考えておくことが、将来の自分を助けることになります。
また、卵子の保管期間には上限があることが一般的です。多くのクリニックでは、一定期間ごとに更新手続きが必要となり、その都度保存費用が発生します。これらの経済的な負担や、手続きの煩雑さも考慮に入れ、長期的な視点で計画を立てる必要があります。
さらに、卵子凍結はあくまで「妊娠の可能性を温存する」ものであり、妊娠・出産を保証するものではないという現実も理解しておくべきです。凍結した卵子を将来利用する際には、解凍後の生存率、受精率、着床率など、さまざまな要素が関わってきます。これらの限界を理解した上で、精神的な準備もしておくことが、後悔のない人生を送る上で重要です。
GraceBank(グレイスバンク)の保管期間と更新手続きについて
Grace Bank(グレイスバンク)では、原則として満50歳の誕生日まで凍結卵子の保管が可能です。ただし、ご本人のご意向を確認し、それ以上の保管を希望される場合は、お問い合わせよりご相談いただけます。※実際に融解して使用する際には、母体の安全を考慮した上で専門医が実施の可否を判断します。あらかじめご了承ください。
更新は自動更新となり、お支払いは、登録いただいておりますクレジットカードより毎年、自動決済となります。マイページにて更新日時、ご利用明細をご確認いただけます。カードの有効期限切れなどによる決済エラーの場合は、ご登録いただいておりますメールアドレスもしくはお電話にてお知らせさせていただきます。
卵子凍結をしても子供が欲しくならない場合どうなる
「今は子供が欲しくないけれど、将来の選択肢のために卵子凍結を検討している」という方にとって、もし将来も子供を望まなかった場合に、凍結した卵子がどうなるのかは大きな疑問でしょう。
もし、将来的に子供を望まないという気持ちが変わらず、凍結卵子を使用しないと判断した場合、いくつかの選択肢があります。最も一般的なのは、クリニックや凍結保管サービスに依頼して卵子を廃棄することです。また、一部のクリニックでは、研究目的での提供を打診されるケースもありますが、これはあくまで選択肢の一つであり、強制されるものではありません。
「結局使わなかったら費用が無駄になるのでは」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、卵子凍結は、将来の可能性を確保するための「保険」のようなものです。たとえ最終的に使用しなかったとしても、「いつでも選択できる」という安心感や、「年齢による焦りから解放される」という精神的なメリットは計り知れません。後悔のない人生を送るための、重要な投資と捉えることもできます。
GraceBank(グレイスバンク)での手続きについて
Grace Bank(グレイスバンク)での保管を終了する際は、更新料お支払いの2ヶ月前までにHPお問い合わせへ、保管終了を連絡します。※更新料決済後のお申し出につきましては、返金できませんのであらかじめご了承ください。
その後、凍結卵子保管終了兼同意書がメールで届くので、必要事項をご記入の上メールで返送します。保管終了に伴う同意書に記載していただく必要事項は、グレイスバンクのマイページ>「採卵報告一覧」よりご確認いただけます。
- ケーン番号:ケーン数をクリック後、ケーン番号が表示されます。(デバイス番号の記入の必要はございません)
- 凍結卵子数:採卵報告一覧の、卵子個数をご確認
- 採卵日:採卵日をご入力
まとめ
「子どもは欲しくない」「今はその選択をしない」その気持ちは、あなたの人生や価値観に基づいた、大切な意思です。
卵子凍結は、妊娠・出産を義務づけるものではなく、将来の選択肢を自分の手元に残しておくための手段です。最終的に凍結卵子を使わないという決断をしたとしても、それまでに得られた「選べる安心感」や「時間的・心理的な余裕」は、決して無意味なものではないでしょう。
大切なのは、
・保管期間や費用、更新手続きといった現実的な条件を理解すること
・凍結卵子の使用できる期限やリスクも含めて、正しい情報を知ること
・その上で、自分の人生設計に照らして納得のいく判断をすることです。
卵子凍結を「使うか・使わないか」ではなく、「自分がどう生きたいか」を考えるための一つの選択肢として捉えること。それが、後悔のない決断につながります。
名倉 優子 なぐら ゆうこ
日本産科婦人科学会専門医
グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)
杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!



