34歳で妊娠を考えている方、将来の妊娠に不安を感じている方にとって、妊娠率や卵子凍結は気になるテーマではないでしょうか。この記事では、34歳女性の妊娠率の現実をデータに基づいて解説し、卵子凍結のメリット・デメリット、費用や期間、注意点などを詳しく説明します。34歳で妊娠を希望する際に知っておくべき情報、妊娠しやすい体づくり、パートナーとのコミュニケーションの重要性、専門家への相談のメリットなど、多角的な視点から検討をし、最適な選択をしましょう。
目次
34歳女性の妊娠率
34歳という年齢は、妊娠を考える上で一つの転換期と言えます。妊娠を望む場合、自身の年齢による妊娠率の変化を理解することが重要です。ここでは、34歳女性の妊娠率の現状について詳しく解説します。
34歳女性の自然妊娠率
34歳女性の自然妊娠率は、一般的に1周期当たり20%程度と言われています。これは、20代後半の女性の自然妊娠率と比較すると低下している数値です。30代前半までは比較的安定していた妊娠率も、35歳を境にさらに急激に低下していく傾向があります。そのため、34歳で妊娠を希望する場合は、年齢による妊娠率の変化をしっかりと認識しておく必要があります。
1周期当たりの妊娠率(※1)

- 25歳・・・25~30%
- 30歳・・・25~30%
- 35歳・・・18%
- 40歳・・・5%
- 45歳・・・1%
(※1)婦人科ラボ「実は思っているほど高くない「自然に妊娠できる確率」」よりデータ引用
34歳女性の体外受精の妊娠率
自然妊娠が難しい場合、体外受精という選択肢があります。34歳女性の体外受精の妊娠率は、1回の胚移植当たり40%程度と言われています。これは、自然妊娠率よりも高い数値ですが、年齢とともに低下していく傾向は変わりません。また、体外受精には、身体的・精神的・経済的な負担も伴います。そのため、体外受精を選択する場合は、メリットとデメリットを十分に理解した上で、医師とよく相談することが大切です。

参考:日本産婦人科学会 2022年体外受精・胚移植等の臨床実施実績
※ 上記の数値はあくまで目安であり、個々の状況によって異なります。
加齢による妊娠率低下の原因
加齢による妊娠率の低下には、主に以下の原因が挙げられます。
- 卵子の老化:加齢とともに卵子の数と質が低下していきます。卵子の染色体異常の発生率も高まり、流産のリスクも増加します。
- 子宮の変化:加齢とともに子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症などの疾患の頻度が高くなり、着床に悪影響を与えることがあります。
- 卵管の機能低下:卵管は卵子を子宮に運ぶ役割を担っていますが、加齢とともに子宮内膜症などの合併症に伴い癒着による閉塞のリスクが高くなります。
- ホルモンバランスの変化:加齢とともにホルモンバランスが変化し、排卵が不安定になったり、妊娠を維持することが難しくなることがあります。
- 生活習慣病のリスク増加:加齢とともに生活習慣病のリスクが高まり、妊娠や出産に影響を与える可能性があります。例えば、高血圧、糖尿病、肥満などは、妊娠合併症のリスクを高める要因となります。
これらの要因が複合的に影響し合い、加齢とともに妊娠率が低下していくと考えられています。妊娠を希望する場合は、これらの要因を理解し、適切な対策を講じることが重要です。具体的には、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、ストレス軽減など、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。また、婦人科で定期検診を受け、自身の身体の状態を把握しておくことも重要です。必要に応じて、不妊治療専門クリニックを受診し、専門医のアドバイスを受けることも検討しましょう。
卵子凍結とは?
卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、若い頃の健康な卵子を採取し、凍結保存しておく技術です。加齢とともに卵子の質や数は低下するため、将来妊娠を希望する女性にとって、妊娠の可能性を残すための選択肢の一つとなっています。晩婚化やキャリア形成など、様々な理由で妊娠・出産のタイミングを先延ばしにする女性が増加する中で、注目を集めています。
卵子凍結の仕組みと流れ
卵子凍結は、大きく分けて以下の流れで行われます。
- 排卵誘発:注射や内服などの排卵誘発剤で卵胞を複数育てることで、一度に多くの卵子を採取できるようにします。
- 採卵:腟から針を刺し、超音波ガイド下で卵巣から卵子を吸引します。静脈麻酔を用いる場合は、痛みはほとんどありません。(麻酔の種類はクリニックの方針によって異なります。)
- 卵子の凍結:採取した卵子は、急速凍結されます。これにより、卵子の老化を防ぎ、長期間保存することが可能になります。凍結方法は、ガラス化法と緩慢凍結法の2種類があり、現在ではガラス化法が主流となっています。
- 保存:凍結された卵子は、液体窒素で満たされたタンクの中で、マイナス196℃という極低温で保管されます。
- 融解・体外受精:将来、妊娠を希望する際に、凍結保存されていた卵子を融解し、体外受精を行います。融解した卵子は、精子と受精させ、胚(受精卵)を作ります。
- 胚移植:できた胚を子宮内に戻します。
卵子凍結にかかる費用と期間
卵子凍結にかかる費用と期間は、クリニックによって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
項目 | 費用(目安) | 期間(目安) |
事前検査 | 数万円 | 半日~1日 |
排卵誘発 | 10~20万円 | 約2週間 |
採卵~卵子の凍結 | 20~30万円 | 1日 |
凍結保管 | 3~5万円/年 | 1年間 |
融解・体外受精・胚移植 | 40~60万円 | 約2週間 |
費用は、採卵回数や凍結卵子数、保存期間などによって変動します。また、自治体によっては助成金制度が設けられている場合もあります。詳しくは、各クリニックや自治体に問い合わせて確認することをお勧めします。
2025年3月現在、国や自治体から補助金が支給されるケースとしては、以下の4つが挙げられます。
- 厚生労働省「小児・AYA世代がん患者等に対する妊孕性温存研究促進事業」:小児・AYA世代のがん患者を対象とした助成金制度です。卵子凍結が対象となる場合があります。
- 東京都「卵子凍結にかかる費用助成」:東京都内に居住する18歳から39歳の女性を対象に、卵子凍結・保管費用を卵子凍結を実施した年度に上限20万円、次年度以降は1年ごとに2万円(2028年度まで)を助成する制度です。
- 大阪府池田市「卵子凍結費用助成事業」:大阪府池田市に居住する18歳から39歳の女性を対象に、卵子凍結・保管費用を最大30万円助成する制度です。
- 山梨県「卵子凍結支援事業」:山梨県に居住する18歳から39歳の女性を対象に、医療機関(及び調剤薬局)に支払った卵子凍結費用の総額の1/2、上限20万円(※県外医療機関の場合は上限10万円)を助成する制度です。
また、企業の福利厚生制度として卵子凍結費用の一部または全額を負担してくれる企業も増えていますので、ご自身の勤務先に確認してみるのも良いでしょう。
卵子凍結は、妊娠を100%保証するものではありません。加齢による卵子の老化は凍結によって止めることはできますが、融解後の生存率や体外受精の成功率は、凍結時の年齢や卵子の質に影響されるため、若い年齢で凍結する方が妊娠の可能性は高くなります。また、体外受精には、身体的・精神的・経済的な負担も伴います。そのため、卵子凍結を行う前に、メリット・デメリットをよく理解し、医師と十分に相談することが重要です。将来のライフプランを考慮し、自分に合った選択をするようにしましょう。
34歳で卵子凍結をするメリット
34歳という年齢で卵子凍結を行うことは、様々なメリットをもたらします。将来の妊娠の可能性を広げるだけでなく、ライフプラン設計の自由度を高めることにも繋がります。ここでは、34歳で卵子凍結をする主なメリットについて詳しく解説します。
34歳で卵子凍結をするメリット①将来の妊娠の可能性を残せる
34歳を過ぎると、女性の卵子の数は減少し、質も低下していくため、自然妊娠の確率は下がっていきます。卵子凍結は、若い頃の質の良い卵子を保存することで、将来、加齢によって妊娠が難しくなった場合でも、妊娠の可能性を残すことができます。妊娠のタイミングをコントロールできるようになり、将来の不安を軽減できます。
特に、現時点でパートナーがいない、またはパートナーとの妊娠のタイミングが合わないといった状況にある方にとって、卵子凍結は将来の選択肢を広げる有効な手段となります。加齢による卵子の老化を心配することなく、将来の妊娠に備えることができます。
34歳で卵子凍結をするメリット②仕事やプライベートのライフプランを立てやすい
30代は、キャリアアップを目指したり、趣味や旅行などプライベートを充実させたい時期でもあります。卵子凍結をすることで、妊娠のタイミングを自身でコントロールできるため、仕事やプライベートの計画を立てやすくなります。キャリアを優先したい方や、特定の時期に妊娠を避けたい方にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
例えば、昇進試験や資格取得の勉強に集中したい時期、長期の海外赴任やプロジェクトなどを控えている場合でも、卵子凍結によって将来の妊娠の可能性を確保しながら、目の前の目標に集中することができます。
34歳で卵子凍結をするメリット③パートナーとのタイミングを気にせず妊娠できる可能性を高める
パートナーと妊娠のタイミングがなかなか合わない、晩婚化なども現代社会における課題です。卵子凍結は、パートナーの都合や年齢に左右されずに、妊娠の可能性を高めることができます。パートナーとの将来設計をじっくりと話し合い、お互いにとって最適なタイミングで妊娠・出産を検討できるという安心感を得ることができます。
また、不妊治療が必要になった場合でも、凍結しておいた若い頃の卵子を使用することで、治療の成功率を高める可能性があります。特に、男性側の要因で不妊治療が必要な場合、女性の年齢による卵子の質の低下を心配することなく、治療に臨むことができます。
34歳で卵子凍結をするデメリット
34歳で卵子凍結を検討する際には、メリットだけでなくデメリットも理解しておくことが重要です。将来の安心材料となる一方で、費用や身体的負担、そして妊娠の保証がないことなど、いくつかのデメリットが存在します。
34歳で卵子凍結をするデメリット①費用が高額である
卵子凍結は決して安価ではありません。初期費用として採卵費用、凍結費用、保管費用などがかかり、総額で40万円から80万円程度が相場と言われています。その後も、保管期間に応じて毎年保管費用が発生します。クリニックによって費用は異なるため、事前に複数のクリニックで費用を確認し、自身で負担可能な範囲内かどうかを慎重に検討する必要があります。また、凍結した卵子を使って体外受精を行う場合、別途体外受精の費用がかかることも忘れてはいけません。
34歳で卵子凍結をするデメリット②100%妊娠を保証するものではない
卵子凍結は将来の妊娠の可能性を高める手段ではありますが、凍結した卵子を使って必ず妊娠できるという保証はありません。卵子の生存率、受精率、着床率は年齢や卵子の質、体外受精の技術など様々な要因に影響を受けます。34歳という年齢は、すでに卵子の老化が始まっている時期であるため、若い年齢で凍結した場合と比較して妊娠率は低くなる傾向があります。また、凍結保存の過程で卵子が損傷する可能性もゼロではありません。過度な期待を抱かず、現実的な妊娠率を理解しておくことが大切です。
卵子の質は年齢とともに低下するため、凍結時の年齢が若いほど、将来の妊娠率は高くなります。34歳で凍結した場合、妊娠率は30歳で凍結した場合と比べて低くなることを理解しておきましょう。また、将来、体外受精を行う際の母体の年齢も妊娠率に影響します。凍結した卵子を使用しても、加齢による母体の妊娠率の低下は避けられません。
34歳で卵子凍結をするデメリット③身体への負担がある
卵子凍結は、ホルモン注射による排卵誘発や、採卵手術が必要となるため、身体への負担は避けられません。排卵誘発剤の使用により、腹部の張りや痛み、吐き気、めまいなどの副作用が現れる場合があります。また、採卵手術は、全身麻酔または局所麻酔下で行われますが、術後の腹痛や出血のリスクも伴います。これらの身体的負担を理解し、仕事や日常生活への影響も考慮した上で、卵子凍結に臨む必要があります。副作用やリスクについては、医師からしっかりと説明を受け、納得した上で治療を受けるようにしましょう。
排卵誘発に伴うリスク
排卵誘発剤を使用することで、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を発症するリスクがあります。OHSSは、卵巣が腫れて腹部に水が溜まる症状で、軽度であれば自然に治癒しますが、重症化すると入院が必要となる場合もあります。OHSSのリスクについても医師とよく相談し、適切な排卵誘発方法を選択することが重要です。
34歳で妊娠・卵子凍結を考える際の注意点
34歳で妊娠や卵子凍結を検討する際には、様々な注意点があります。情報収集をしっかり行い、後悔のない選択をすることが大切です。正しい知識を身につけ、自分に合った方法を見つけることで、将来の安心へと繋がります。
信頼できるクリニック選びの重要性
妊娠、特に体外受精や卵子凍結を検討する際は、信頼できるクリニック選びが非常に重要です。クリニックによって技術力や費用、治療方針などが異なるため、複数のクリニックを比較検討することが大切です。下記のポイントを参考に、自分に合ったクリニックを選びましょう。
項目 | 確認事項 |
実績 | 体外受精や卵子凍結の実績、特に年齢別の妊娠率などを確認しましょう。日本産科婦人科学会が公表しているデータも参考になります。 |
技術力 | 最新の技術や設備を導入しているか、医師やスタッフの経験や専門性などを確認しましょう。培養士の資格や経験も重要なポイントです。 |
費用 | 体外受精や卵子凍結にかかる費用を明確に提示しているか、追加費用が発生する可能性があるかなどを確認しましょう。 |
通いやすさ | 自宅や職場からのアクセス、診療時間なども考慮しましょう。治療中は定期的に通院する必要があるため、通いやすいクリニックを選ぶことが大切です。 |
医師やスタッフの対応 | 医師やスタッフの説明が丁寧で分かりやすいか、親身になって相談に乗ってくれるかなども重要なポイントです。カウンセリングの機会を設けているかどうかも確認しましょう。 |
緊急時の対応 | 夜間や休日の緊急時の対応体制が整っているかを確認しましょう。 |
年齢による卵子の質の変化を理解する
女性の卵子の数は生まれた時に既に決まっており、年齢とともに減少していきます。また、卵子の質も加齢とともに低下し、染色体異常の発生率も高くなります。34歳は妊娠適齢期後半に差し掛かっており、卵子の老化は避けて通れない問題です。卵子の質の低下は妊娠率の低下に直結するため、妊娠を希望する場合は早めに行動することが重要です。年齢による卵子の質の変化を理解し、現実的な判断をすることが大切です。
AMH検査の重要性
AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査を受けることで、卵巣内に残っている卵子の数を推定することができます。AMH値は卵巣予備能の指標となり、将来の妊娠の可能性を判断する上で役立ちます。婦人科で検査を受けることができますので、一度相談してみましょう。
妊娠・出産のリスクについて理解する
妊娠・出産は、母体にとって大きな負担となる可能性があります。年齢を重ねるごとに妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのリスクも増加します。また、早産や低出生体重児のリスクも高まります。高齢出産のリスクについて十分に理解し、産科医と相談しながら妊娠・出産に臨むことが大切です。母体を守るためにも、定期的な妊婦健診を受け、健康管理に気を配りましょう。
流産のリスク
加齢とともに流産のリスクも高まることを理解しておきましょう。流産は誰にでも起こりうることであり、決して母親のせいではありません。しかし、精神的な負担は大きいため、パートナーや家族のサポートが重要です。
これらの注意点を踏まえ、自分にとって最適な選択ができるように、しっかりと情報収集を行いましょう。信頼できる医師や専門家との相談も非常に重要です。
34歳で妊娠を希望する方へのアドバイス
34歳で妊娠を希望する方にとって、正しい情報を得て適切な行動をとることは非常に重要です。妊娠の可能性を高めるための生活習慣の改善、パートナーとの協力、専門家への相談など、多角的なアプローチが効果的です。ここでは、34歳で妊娠を希望する方への具体的なアドバイスを4つの側面からご紹介します。
34歳で妊娠をするために①妊娠しやすい体づくり
妊娠しやすい体を作るためには、日常生活における様々な工夫が大切です。バランスの良い食事、適度な運動、質の高い睡眠、ストレス管理など、心身ともに健康な状態を維持することが重要です。具体的には、以下の点に注意しましょう。
バランスの取れた食事
葉酸、鉄分、カルシウムなど、妊娠に必要な栄養素を積極的に摂取しましょう。緑黄色野菜、魚介類、乳製品、豆類などをバランスよく取り入れることが大切です。加工食品やファストフード、過剰な糖分や脂分の摂取は控えましょう。
適度な運動
ウォーキングやヨガなど、軽い運動を習慣化することで血行が促進され、妊娠しやすい体づくりに繋がります。ただし、過度な運動は逆効果になる場合があるので、無理のない範囲で行いましょう。
質の高い睡眠
睡眠不足はホルモンバランスを崩し、妊娠しにくくなる可能性があります。毎日7~8時間の睡眠を確保し、質の高い睡眠を心がけましょう。寝る前にカフェインを摂取したり、スマートフォンを長時間見たりすることは避けましょう。
ストレス管理
過度なストレスはホルモンバランスを乱し、妊娠の妨げになる可能性があります。趣味やリラックスできる時間を設け、ストレスをうまく発散しましょう。アロマテラピーや瞑想なども効果的です。
禁煙
喫煙は卵子の老化を早め、妊娠率を低下させるだけでなく、流産や早産のリスクを高めます。妊娠を希望する場合は禁煙しましょう。
34歳で妊娠をするために②基礎体温の記録
基礎体温を毎日記録することで、排卵日を予測することができます。基礎体温計を用いて、毎朝起床時に体温を測り、記録をつけましょう。排卵日が近づくと体温が上昇する傾向があります。
34歳で妊娠をするために③パートナーとのコミュニケーション
妊娠は女性一人だけの問題ではありません。パートナーとの協力が不可欠です。妊娠に関する不安や希望を共有し、二人で一緒に妊娠に向けて取り組むことが大切です。
妊娠への希望を共有する
妊娠に対する考えや希望、不安などをオープンに話し合いましょう。お互いの気持ちを理解し、協力体制を築くことが重要です。
生活習慣の見直しを一緒に取り組む
禁煙、バランスの取れた食事、適度な運動など、妊娠しやすい生活習慣をパートナーと一緒に見直しましょう。お互いをサポートすることで、より効果的に取り組むことができます。
不妊治療への理解
不妊治療が必要になった場合、治療内容や費用、期間などについてパートナーとよく話し合いましょう。治療に対する理解を深め、協力体制を築くことが大切です。
34歳で妊娠するために④専門家への相談
妊娠に関する正しい知識を得るためには、専門家への相談が不可欠です。婦人科医や不妊治療専門クリニックに相談することで、個別の状況に合わせたアドバイスを受けることができます。
婦人科検診の受診
定期的な婦人科検診を受診し、子宮や卵巣の状態をチェックしましょう。早期に異常を発見することで、適切な治療を受けることができます。
不妊治療専門クリニックへの相談
妊娠がなかなかできない場合は、不妊治療専門クリニックへの相談も検討しましょう。専門医による検査や治療を受けることで、妊娠の可能性を高めることができます。タイミング法、人工授精、体外受精など、様々な治療方法があります。
不妊治療に関する正しい情報の入手
インターネットや書籍などから不妊治療に関する情報を集めるだけでなく、信頼できる医療機関から正しい情報を得ることが重要です。厚生労働省や日本産科婦人科学会のウェブサイトなども参考になります。
34歳で妊娠を希望する方は、焦らず、正しい情報に基づいて行動することが大切です。上記で紹介したアドバイスを参考に、積極的に妊娠しやすい体づくりに取り組み、パートナーと協力しながら、専門家のサポートも得ながら、妊娠の実現を目指しましょう。
卵子凍結以外の選択肢
34歳で妊娠を希望する場合、卵子凍結以外にも選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況や希望に合った方法を選択することが重要です。ここでは、代表的な方法として体外受精と人工授精について解説します。
体外受精
体外受精は、卵子と精子を体外で受精させ、受精卵を子宮に戻す方法です。34歳という年齢で自然妊娠が難しい場合や、卵子の質に不安がある場合に有効な手段となります。体外受精には、様々な方法があります。
体外受精の種類
種類 | 説明 | メリット | デメリット |
体外受精 | 培養液の中で卵子と精子を一緒にして受精させる方法 | 体外受精の基本的な方法であり、実績が多い | 男性不妊の場合、受精率が低い可能性がある |
顕微授精 | 顕微鏡下で精子を卵子に直接注入する方法 | 重度の男性不妊の場合でも受精が可能 | 費用が比較的高い |
融解胚移植 | 受精卵を凍結保存し、後日融解して移植する方法 | 身体的負担を軽減できる | 凍結・融解の過程で胚が損傷する可能性がある |
体外受精のメリット・デメリット
体外受精のメリットは、妊娠率が比較的高いことです。特に、顕微授精は重度の男性不妊に対しても有効です。また、凍結胚移植を行うことで、採卵を行った周期と移植を行う周期を分けることが可能になり、身体的・精神的負担を軽減できます。一方で、デメリットとしては、費用が高額であること、身体への負担が大きいこと、そして100%妊娠を保証するものではないことが挙げられます。
人工授精
人工授精は、精液を子宮内に直接注入する方法です。タイミング法で妊娠が難しい場合や、軽度の男性不妊の場合に検討されます。体外受精に比べると、身体への負担や費用は少なくて済みます。
人工授精のメリット・デメリット
人工授精のメリットは、体外受精に比べて費用が安く、身体への負担が少ないことです。通院回数も比較的少なくて済みます。ただし、デメリットとして、体外受精に比べて妊娠率は低いことが挙げられます。また、重度の男性不妊の場合には適応外となることもあります。
34歳で妊娠を希望する際には、それぞれの方法のメリット・デメリットを理解した上で、医師とよく相談し、ご自身に合った方法を選択することが大切です。年齢や卵巣予備能、パートナーの状況などを考慮し、最適な治療法を選択しましょう。また、治療を受ける際には、信頼できる医療機関を選ぶことも重要です。それぞれのクリニックの治療実績や費用、医師との相性なども考慮し、納得のいく選択をしてください。
まとめ
34歳で妊娠を考える女性にとって、妊娠率の低下は大きな悩みの種となるでしょう。この記事では、34歳女性の自然妊娠率や体外受精の妊娠率の現状、そして加齢による妊娠率低下の原因を解説しました。卵子凍結は、将来の妊娠の可能性を残すための選択肢の一つです。費用や身体的負担といったデメリットがある一方で、ライフプランを立てやすく、パートナーとのタイミングを気にせず妊娠できる可能性を高めるといったメリットもあります。
妊娠・出産は人生における大きな決断です。信頼できるクリニックを選び、専門家との相談を通して、年齢による卵子の質の変化や妊娠・出産のリスクを理解することが重要です。また、体外受精や人工授精といった他の選択肢も検討し、パートナーとよく話し合いながら、自分に合った方法を選択しましょう。妊娠しやすい体づくりを心がけ、後悔のない選択をするために、正しい情報に基づいて行動することが大切です。
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名倉 優子 なぐら ゆうこ
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