卵子凍結について

改善しよう生理不順!おすすめのサプリメントもご紹介

生理不順、何となく毎月見過ごしてしまうことも多いですが、放置していると将来の病気や不妊の原因になったりもします。今回のコラムでは、生理不順についてや、おすすめの食べ物やサプリメントをお伝えし、改善につながる情報をお伝えします。

そもそも生理不順とは?

正常な生理は、25~38日周期、3~7日程度で終わり、経血量は20~140mlといわれています。

生理不順は、正常な生理ではない状態、すなわち下記のような、生理周期、期間、経血量の異常がある状態のことをいいます。

  • 生理周期の異常(39日以上あく場合は稀発月経、24日以下は頻発月経)
  • 経血量の異常(レバーのような塊が出る過多月経、ナプキンに薄くつく程度の過少月経)
  • 生理期間の異常(8日以上ダラダラ続く過長月経、2日以内に終わる過短月経)

上記のような異常が3ヶ月以上継続する場合は、生理不順といいます。

生理を記録してみましょう

とはいえ、忙しい毎日で、つい生理のことを見逃してしまうこともあります。そこで、有効な方法として、記録をルーティンにするのはいかがでしょうか?最近の新聞記事(※1)に、「Circatrigintan―女性健康手帳 約30日 東洋出版 1320円」という10年分の女性手帳が出版されたと掲載がありましたのでご紹介します。

約30日を周期とする生理のリズムを「サーカトリジンタンリズム」というそうです。女性の健康のバロメータであるこのリズムを毎日記録し、健康管理に役立ててほしいという願いのもとに作られ、生理や健康に関する情報を書き込む記録欄や、健康診断やがん検診などの結果を書き込めるなど、長期にわたり記録することが可能とのこと。簡単な記録であっても、健康の自己管理に役立つことができるそうなので、ご活用いただくのはいかがでしょうか?

東京新聞 2022年6月15日 夕刊

 

生理不順を放置すると?

生理不順は、不正出血、黄体機能不全(※2)などが原因となっている可能性や、子宮筋腫、子宮線筋症、子宮体がんなどの病気が隠れている可能性もあります。さらに、子宮内膜が十分に作られない為に、妊娠しにくい不妊体質になるリスクも生じてきます。また、肌荒れ・髪質悪化・更年期障害や老化が早まったり、子宮体がんや骨粗鬆症のリスクが高まるといった、女性にとって嬉しくない影響も心配されます。

気になる状態がある場合は、まず産婦人科を受診しましょう。病気が原因でない場合も、生理不順を放置するのではなく、改善することがとても大切になってきます。

※2 黄体機能不全
子宮内膜の着床のための準備が十分にととのっていない状態をいう。卵が成熟して排卵すると、卵巣に残った卵胞は黄体化してプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌するが、このプロゲストロンの量が少ない、または分泌期間が短いと、着床しづらいことがある

生理不順を改善するには?

生理不順の改善には、女性ホルモン(※3)のバランスを整えることが大切といわれています。女性ホルモンは、脳にある視床下部の司令により分泌されます。視床下部は、自律神経と様々なホルモンの調整をするための司令塔です。視床下部はストレスの影響を受けやすく、ストレスを抱えると分泌が乱れたり、影響を受けてしまいます。

※3 そもそもホルモンとは?
体内の情報伝達物質の一つで「刺激する」という意味のギリシャ語「ホルマオ」に由来します。ホルモンは、100種類以上あり、視床下部、下垂体、甲状腺、副腎、すい臓、卵巣、精巣などの内分泌器官で作られ放出されます。体の様々な臓器や、内分泌器から分泌されたホルモンは、各部位に届き機能します。卵巣で分泌されるホルモン、すなわち女性ホルモンは、「エストロゲン」と「プロエストロゲン」です。前者は、肌や髪質など美容に影響したり、骨や血管を丈夫にする作用等があり、後者は、妊娠維持のために働きます。

女性ホルモンを整える成分とは?

もちろん、ストレスを減らす事を心掛けたいですし、バランスの取れた食事も意識したいものです。具体的には、下記のような女性ホルモンバランスを整える成分を含む食事をとることや、葉酸のサプリメントを摂取することがおすすめです。

  1. 大豆イソフラボン
  2. エクオール
  3. ビタミン
  4. 亜鉛
  5. 葉酸

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは、女性らしさ・肌や髪の健康などをつかさどる女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをする成分をもちます。ただし過剰摂取すると、胃腸障害・肥満・肌荒れなどの副作用がでることもあるので、注意しましょう。

  • 1日の理想的な摂取量は40~50mg、上限摂取量は70~75mgが目安(※)
  • 日本人の平均的な大豆イソフラボン摂取量は18㎎/日(※)

(※)農林水産省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」

大豆イソフラボンは、豆乳1パックを毎日飲むようにし、それに加えて納豆・豆腐・味噌汁・きな粉などの大豆製品をチョイスして、摂るようにするとよいでしょう。食事では、過剰摂取にはほぼなりません。

エクオール

大豆イソフラボンを原料として、腸内細菌によってつくられる成分で、エクオールが働くことで、大豆イソフラボンの効果を高めます。

エクオール摂取のためには、原料の大豆製品の他に食物繊維が豊富な海藻・きのこ・いも・根菜・果物などを食べて腸内環境を整えることが大切です。腸内の善玉菌を増やし運動、睡眠にも気を付けることで、エクオールがしっかり働きます。

ビタミンE・ビタミンB6

ビタミンEには、血行促進・抗酸化作用のほか、女性ホルモンを整える効果があります。

ナッツや魚などに多く含まれているので、おやつにナッツを、そして食事にツナ缶などの魚の缶詰や刺身を食べるのはいかがでしょうか。

ビタミンB6はエストロゲンの合成を助ける働きがあります。また、イライラなどを鎮めて情緒を安定させるのに必要なため、更年期症候群にも効果的と言われています。肉類・レバー・マグロ・バナナなどに含まれています。

亜鉛

亜鉛は、多くの酵素を構成する栄養素です。不足すると女性ホルモンのバランスを乱してしまいます。魚・肉類・レバー・貝類やナッツに多く含まれていますが、吸収されにくいという弱点があります。吸収率をアップさせるために、ビタミンCを含む野菜や果物を一緒に食べるようにしましょう。

葉酸

焼き海苔や青菜のお浸し・ブロッコリー・枝豆などを食べて葉酸を摂りましょう。

食事の改善を始めたばかりで間に合わない場合は、赤ちゃんの先天性異常予防のために、妊娠前から葉酸をサプリメントで補うことも考えましょう。

生理不順が卵子の老化を早める?

ストレスを減らしたり、サプリメントを摂取したり…生活習慣や心掛けで生理不順の改善が期待できると何よりだと思います。しかしながら、年を重ねることを止めることはできず、卵子も年を重ねていきます。

そもそも卵子は、皮膚や髪質と同様に老化し、35才を過ぎる老化するスピードは加速し、毎月排出される卵子の質も低下します。生理不順の状態は、女性ホルモンのバランスが乱れた状態といえるため、卵巣機能が衰え、卵子の老化も早まるおそれも出てくるかもしれません。

さらに、卵子の加齢による質低下=妊娠確率の低下、胎児の染色体異常の増加などの原因にもつながる可能性があります。40代での妊娠確率はわずか数%にまで減少するといわれますが、子どもを望んでいて不妊治療しても、「年齢」によって妊娠が、難しくなることも生じてきます。そこで、最近注目を集めているのが、卵子が若いうちに凍結保存をおこない、将来の不妊治療に備える「卵子凍結」です。

今注目されている「卵子凍結」について

最近は、卵子が若いうちに凍結保存をおこない、将来の不妊治療に備える「卵子凍結」が話題です。現在、不妊治療などの医療技術や費用補助の体制はどんどん進んでいるが、女性の妊娠適齢期(=卵子の年齢)が20〜30代前半であることは変わりません。加齢に伴う妊娠確率が下がるリスクを避ける選択肢のひとつとして、今は仕事で忙しいけれど、将来の妊娠出産を考えて…という女性は「卵子凍結」を検討されてみてはいかがでしょうか。

卵子凍結保存は、国内最大級・全国有名不妊治療クリニックと提携・20年以上無事故の安心保管システムの「Grace Bank」をおすすめします。

まとめ

女性にとって生理不順の状態は、体からの大切なシグナルです。お忙しいとは思いますが、見過ごすことなく、病院を受診されたり、食事・運動・睡眠の生活習慣を良好なものにされることをお勧めいたします。また、将来妊娠を考えている人は、なお一層ご健康を大切にされて、「卵子凍結」の選択肢もぜひご検討ください。

管理栄養士紹介:小林 れい子(こばやし れいこ)
管理栄養士
長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。その後は、調理専門学校で講義を行う。長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。
管理栄養士紹介 小林 れい子(こばやし れいこ) 管理栄養士 長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。 その後は、調理専門学校で講義を行う。 長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。

▼参考文献

  • 「女性ホルモンの美バランスの秘訣」 松村圭子著 大泉書店
  • 「赤ちゃんが欲しい大百科」 吉田淳監修 主婦の友社
監修者

名倉 優子 なぐら ゆうこ

杉山産婦人科 日本産科婦人科学会専門医


杉山産婦人科 (東京都新宿区)

70年あまりの歴史を持ち、過去10000人以上の患者様と向き合ってきた生殖医療専門クリニックのトップ施設。
不妊検診センター、内視鏡手術、体外受精など生殖医療に特化。
新宿駅至近の好立地で、19時まで診療しており、仕事と生殖医療の両立をサポート。

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