生理不順…何となく見逃してしまいがちな体からのサインです。生理不順を放置していると、将来の病気や不妊の原因にも。
今回は、「生理不順」について「食事という日常の生活で改善できること」をご紹介します。
目次
そもそも正常な生理とは?
みなさんの生理は普段はどのようなものですか?
- 生理周期 25~38日
- 生理持続期間 3~7日
- 経血量 20~140グラム
こちらが正常な生理の目安です。そのほか、経血の色や生理痛の有無なども考慮することが必要です。
意識していないと、自分の生理の状態を把握できないことも多いので、生理が始まった日や、終わった日、また痛みなどの体調を手帳につけて体の変化を見えるようにすることも大切かもしれません。
では「生理不順」の原因は?
- 女性ホルモンのバランスの乱れや不足によるもの
- 病気
によっておこると考えられています。
女性ホルモンのバランスの乱れ・不足
女性ホルモンをコントロールしている脳の視床下部は自律神経の働きもつかさどっています。自律神経(※1)は、疲労・ストレスなどにより影響を受けやすいため、これらの原因で女性ホルモンのバランスを崩します。また、過剰なダイエットや運動、冷え、年齢的な要因も影響する場合もあります。
(※1)自律神経と女性ホルモン
女性ホルモンに関わるホルモンは脳下垂体から分泌されますが、脳下垂体にホルモン分泌の指令を出したり、分泌量を調整したりするのは視床下部です。一方、ホルモン分泌に異常が起きると、視床下部も影響を受け、その結果、自律神経が乱れることがあります。また、自律神経も女性ホルモンのバランスに影響を与えることがあるため、過度なストレスがかかると、生理の周期が乱れたり、止まったりします。つまり、女性ホルモンの乱れと自律神経の乱れはつながっているというわけです。自律神経と女性ホルモンは、一方が悪くなるともう一方も悪くなってしまうのです。(「女性ホルモン整えレッスン」より抜粋)
病気が原因の場合
多嚢胞性卵巣症候群など、卵巣機能のトラブルや、バセドウ病や橋本病など、ホルモン分泌のトラブル(甲状腺ホルモン低下による乳汁分泌ホルモンの増加)などが考えられます。
生理不順を改善しよう!

女性ホルモンのバランスは毎日の生活習慣に左右されています。
生活習慣、特に食生活に気を配り、自律神経や、女性ホルモンのバランスを整えることが大切になってきます。
なるべく規則正しいお食事を
規則正しく食事をすることで、自律神経が整ってきます。唾液が出やすくなり、消化がスムーズに行われます。
おすすめの食品をとる
- 大豆製品 女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンを含みます
- 牡蠣、レバー、ごま 亜鉛を多く含み、女性ホルモンの分泌を助けます
- 肉・魚・卵・乳製品 動物性たんぱく質 女性ホルモンのもととなります
- うなぎ、アボカド、ナッツ類 ビタミンB群、E群を豊富に含みます
これらの食品は、手に入りやすいので、毎日食べたいものです。例えば、亜鉛の多い赤身肉・小魚・かつお節、ビタミンB群やE群の多いツナ缶・青魚なども適宜取り入れて食べるようにしましょう。
よく噛んで食べる
よく噛むと脳が刺激されて、唾液の分泌がよくなり、食べ物が消化液と混ざりやすくなります。
おすすめ「生理不順改善レシピ」

きな粉入り豆乳バナナドリンク
- 豆乳(無調整) 200ml
- バナナ 1本
- きな粉 小さじ2
バナナをスプーンで小さく削りながらカップに入れ、きな粉を加え、小さな泡たて器で潰して、豆乳と混ぜます。または、ミキサーに小さくカットしたバナナ、豆乳、きな粉を入れて攪拌します。
ここにすりごまやはちみつを加えても健康ドリンクになります。バナナはビタミン類や食物繊維など豊富な栄養素を含んでいます。そして豆乳は大豆イソフラボンが豊富で、コップ1杯(約200ml)で大豆イソフラボンの1日の理想摂取量(約50mg)がとれます。忙しい朝にも、サッと作れるお勧めのドリンクです。
具だくさんのみそ汁
「具だくさんのみそ汁」ときくと、豚汁などを思い浮かべることも多いかと思います。しかし、特に、決められた「レシピ」というのではなく、冷蔵庫に残っているお野菜を小さく刻み、豚肉や鶏肉、豆腐・油揚げ、最後に発酵食品の味噌を加えると「具だくさん」のみそ汁になります。温かな汁物は、体だけでなく、心もほっこりさせてくれます。
毎日の献立をパーフェクトに考えることは、とても難しいことです。そんな難しいことに悩みを抱えたり、ストレスを感じるのではなく、自分自身を、また家族を大切にするために選択できる食事のスタイルを取り入れてみてはいかがでしょう。
まとめ
食生活を大切に
生理不順を改善するための、食生活からの視点を主に書きましたが、食事だけでなく、良質な睡眠・適度な運動・ストレス解消など、健康的な生活を心がけることが大切です。
生活習慣は、毎日の積み重ねが大切になってきますが、それがかえってストレスになっても大変です。ご自分の健康を大切にすることは、ご家族の健康を守ることにもつながるかと思います。
注目されている選択肢「卵子凍結」
また、生理不順を改善すれば女性ホルモンのバランスが整い、これから妊娠を望む方にとっても良い妊娠力をキープすることにつながります。妊娠力をキープすることの、ひとつの選択肢として、最近では若い卵子を凍結保存する「卵子凍結」にも注目が集まっています。
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▼この記事の監修は…
医師紹介:岡田 有香(おかだ ゆか) 産婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 順天堂大学医学部卒/聖路加国際病院8年勤務 現在まで産科、婦人科全ての領域に携わる。不妊治療を行う中で、不妊予防に興味を持ち、自身のInstagram(@dr.yuka_okada)でも生理痛や不妊、妊活の知識を発信している。 資格:da Vinci certified First Assistant (ダビンチ認定資格取得術者) 、日本母体救命システム普及協議会J-CIMELSプロバイダー 所属学会:日本産婦人科学会、日本生殖医学会、日本女性医学会、日本産科婦人科内視鏡学会、NPO法人日本内膜症啓発会議 |
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管理栄養士紹介:小林 れい子(こばやし れいこ) 管理栄養士 長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。その後は、調理専門学校で講義を行う。長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。 |

▼参考文献
- 「女性ホルモン 整えレッスン」神藤 多喜子著