卵子凍結について

女性ホルモンを整えよう!4つのおすすめ方法をご紹介

女性ホルモンは「増やす」よりバランスよく分泌されることが大切

女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)から成り、卵巣から分泌されています。例えば、エストロゲンは、弾力のある肌をつくったり、髪質をよくしたり、女性の美容面での魅力を高めてくれるため、増えればきれいになる、健康になると思ってしまいがちです。しかしエストロゲンの量が多い期間が長く続くと、乳腺や子宮内膜に過剰なストレスがかかり、正常な状態を維持することが難しくなり、乳がんの発症率や子宮内膜症の発症率が高まったりするのです。エストロゲンは、多くてもよくないし、少なくてもよくないものであり、プロゲステロンにおいても同様です。ですから、女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンがバランスよく分泌されることが大切になります。

女性ホルモンがバランスよく整っている状態とは?

女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)は、生理周期(28日)に合わせて、増減しながらバランスをとっています。具体的には、排卵前になるとエストロゲンが徐々に増量し、一時的にピークを迎え、排卵を迎えるとともに減少します。排卵後の、卵胞は黄体という塊になります。この黄体がエストロゲンとプロゲステロンを分泌し、エストロゲンは再び穏やかに増量し、プロゲステロンも増量します。生理前には、両方のホルモンは急激に減少します。生理周期に合わせて、2種類の女性ホルモンの量が変化することが「ホルモンバランス」であり、これらが正常に作用していれば、「整っている」ということになります。

女性ホルモンのバランスを整えると良いことは?

先ず、エストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンの働きにより、生理周期の安定という女性にとって嬉しい効果が期待できます。PMS、月経困難症などの不調が起こりににくかったり、生理周期が安定することで、自分の体の状況を把握することが容易になり、排卵時期なども予想が立てやすくなります。妊娠を望まれている方は、妊娠確率の上昇にもつながりますね。また、美肌や美髪などの美容面での効果も期待できますし、骨粗しょう症や女性器系疾患のリスク低下につながることも考えられます。

そもそも女性ホルモンが乱れる原因は?

女性ホルモンは、脳の視床下部(※1)の司令により分泌されます。視床下部は、自律神経系の中枢もあるため、心やからだのストレスの影響を受けやすい部位でもあります。疲労、睡眠不足、栄養不足などによって自律神経の乱れが生じると、連動して(※2)女性ホルモンのバランスが乱れてしまうのです。
また、この他に女性ホルモンが乱れる原因は、多嚢胞性卵巣症候群など、卵巣機能のトラブルや、バセドウ病、橋本病、高プロラクチン血症など、ホルモン分泌のトラブルも考えられます。

(※1)自律神経系や内分泌系のコントロールをしさまざまな調整機能を持つ脳の部位です。
(※2)視床下部と下垂体、卵巣は、それぞれが分泌するホルモンでお互いのホルモン分泌を調整しあっています。(フィードバック機能といいます)

女性ホルモンを整える4つのおすすめ方法をご紹介

適度な運動

ウォーキングや、軽いジョギング、ヨガ、ピラティスなど。
普段はヒールをはいてお仕事に行かれている方は、フラットシューズか、スニーカーデイを作って、ひと駅分歩く、階段を使う、などはいかがでしょうか?

正しい姿勢で歩く・座る

運動の時間がとるのは難しい、という方におすすめなのは、正しい姿勢を意識するということです。
実は、女性のからだの骨盤は、生理周期に合わせて閉じたり開いたりするそうです。女性ホルモンは卵巣で作られるため、骨盤をゆがませるような姿勢や歩き方をしているとスムーズに分泌されません。そこで以下を参考に、骨盤を意識することを取り入れてみませんか?

正しい歩き方

  • 目線は先をみるとよい
  • おへそが前に引っ張られているよう気持ち
  • かかとから着地する

正しい座り方

  • 深く腰掛けない
  • 骨盤は立てるイメージ
  • 脚を閉じる

参考:「きれい」を育てる 女性ホルモン整えレッスン 神藤 多喜子 池田書店

バランスのとれた食事

私たちの体は、食べたもので作られていますので、食生活も大切にしたいですね。女性ホルモンを整える食品としては、大豆食品がおすすめです。大豆製品には、女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンが豊富に含まれています。また、大豆イソフラボンの働きを更に高める腸内細菌エクオール産生のためには、原料の大豆製品の他に食物繊維が豊富な海藻・きのこ・いも・根菜・果物などを食べて腸内環境を整えることが大切です。

また、ホルモンの合成や分泌に作用する亜鉛、酸素を血液中のヘモグロビンとして全身に運ぶ働きをする鉄分は、女性ホルモンや生理前後の体調に関わる重要なミネラルです。これらの栄養素を多く含むものとしては、牡蠣やレバ-があります。他には赤身肉・貝類・大豆製品・海藻類・種実類などにも、牡蠣・レバ-に比べると少量ですが含まれています。いくつか組み合わせて食べることで、必要量に達します。これらの吸収率を上げるために、ビタミンCを含む果物や生野菜を一緒に食べると効果的です。

質の良い卵子を作るためには、たんぱく質が不可欠です。3食しっかり食べること、欠食しがちな朝食に卵・納豆・ツナなどのたんぱく質を摂ることは、生活リズムを整えてストレスの軽減にもつながります。バランスのとれた食事とは、食べたものが体内に効率よく消化吸収され、健康維持のために、いろいろな栄養素を過不足なく食べることです。3食以外のおやつには、ナッツやドライフルーツなどをチョイスする意識を身につけると良いでしょう。

補助的にサプリや漢方を使う

女性ホルモンの作用を助けたり、女性ホルモンのバランスを整える成分が入っているサプリも補助的に役に立つ場合もあります。サプリメント使用時に注意することとしては、摂取に上限がある場合が多いので、よく確認することが必要になります。

  • 大豆イソフラボン:女性ホルモンに似た働きをする
  • エクオール:大豆イソフラボンの働きを高める作用
  • ビタミンE群、B群:血行促進・抗酸化作用・イライラなどを鎮めて情緒を安定させる効果

また、漢方も血や気の巡りをよくして、女性ホルモンのバランスを整えることに役に立つ場合もあります。ドラッグストアや薬局などで気軽に買えるほか、病院で処方してもらえることもあります。

  • 温経湯(ウンケイトウ):女性ホルモンの分泌を促進する作用があり、生理不順に効果
  • 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン):血の巡りをよくして冷えを改善する。生理不順や生理痛の緩和に効果

女性ホルモンを整えて、卵子の老化を予防しよう

女性の体は、肌や髪質などの老化同様、卵子も老化していきます。加齢とともに、妊娠確率が下がる事はよく知られていますが、その原因は卵子年齢の老化にある事が、近年の研究でわかってきました。女性ホルモンが乱れていると、生理不順、月経困難症、美容面でのトラブルだけではなく、卵子の老化が促進されてしまう恐れがあるのです。

注目の卵子凍結保存について

近年、若い卵子を将来の妊娠に備えて凍結保存する方法も可能になったことはご存知でしょうか?
まず、不妊治療クリニックでさまざまな検査を行ったのち、年齢や卵巣機能、体の負担や希望を考慮して、排卵誘発を行い採卵します。その後、耐凍剤濃度の高い溶液に卵子をひたし、マイナス196℃の超低温で凍結し、液体窒素タンクの中で保管します。ちなみに、卵子凍結までの期間は、状況により異なりますが、通院回数は約5~6回といわれています。

国内最大のシェアを誇る卵子凍結保管サービスのGrace Bankでは、臍帯血バンクのステムセル研究所と提携し、今まで20年以上無事故を誇る専用大型タンクで一括管理をしています。保管施設は地震や津波に強いエリアに設置され、停電対策も万全、安心のシステムで大切な卵子を保管します。卵子凍結のことがよくわかる無料のオンラインセミナーも開催していますので、ぜひご参加ください。

まとめ

ホルモンは、体内を循環する血液などの体液により離れた場所まで運ばれ、少ない量でも体に大きな影響を与えます。ですから、少しでもホルモンバランスが崩れると、不快な症状を感じてしまうのです。なんとも繊細な働きに、改めて驚かされるものです。
今回お伝えした女性ホルモンを整える方法が、少しでもお役に立てればと願っております。
また将来妊娠をお考えで、仕事の疲れやストレスで、女性ホルモンの乱れが気になるという方は、若いうちに卵子の凍結保存することもひとつの選択肢としてお考え下さい。

▼参考文献

  • 女性ホルモンがつくる、キレイの秘密 松村 圭子 長岡書店
  • 「きれい」を育てる 女性ホルモン整えレッスン 神藤 多喜子 池田書店
管理栄養士紹介:小林 れい子(こばやし れいこ)
管理栄養士
長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。その後は、調理専門学校で講義を行う。長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。
管理栄養士紹介 小林 れい子(こばやし れいこ) 管理栄養士 長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。 その後は、調理専門学校で講義を行う。 長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。
監修者

名倉 優子 なぐら ゆうこ

日本産科婦人科学会専門医


グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)

杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!

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