卵子凍結について

妊娠しやすい体質の3つの条件とは?

これから赤ちゃんを迎えようと思っている方、もしくは妊娠出産はもう少し先にと考えている方…さまざまな夫婦のタイミングがあると思います。メディアなどでも「不妊」という言葉を聞く機会が多い昨今、ちゃんと妊娠できるのだろうかと不安に思う女性は少なくありません。

実は不妊でなくても、健康な夫婦が赤ちゃんを望んでいても自然な妊娠確率というのはそれほど高くはありません。できれば自分の体を妊娠しやすい体質にしておきたいものです。

妊娠しやすい体質には3つの条件があります。今回はその3つの条件と、女性が妊娠しやすい体質になるための方法についてご紹介します。

妊娠しやすい体質① 女性ホルモンバランスが整っている

1つめの条件が女性ホルモンです。

女性ホルモンは女性の生殖機能を司っています。

毎月の排卵と生理、妊娠そして出産、その後の授乳と女性ならではの機能がありますが、その全てが女性ホルモンの働きによるものです。

それだけでなく、日々の心身の健康のために欠かせないのも女性ホルモンです。

女性ホルモンがきちんと分泌されていてバランスが整っていることが妊娠しやすい体質に欠かせない1番の条件です。

女性ホルモンバランスとは

女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)があります。

この2種類の女性ホルモンが生理周期にあわせて増減することで卵胞期、排卵期、黄体期、月経期が順にやってきます。

卵胞期は生理が終わる頃から約1週間、卵巣の中で卵子が育ちます。卵胞期に成熟した卵子は排卵期に入ると排卵し、その後約2週間の黄体期では、妊娠に備えて子宮内膜の性状が変化します。そして妊娠が起こらないと月経期に入り、子宮内膜が剝がれて生理が起こる、という28日ほどのサイクルは女性ホルモンのバランスによって成り立っています。

女性ホルモンバランスが崩れるとどうなる?

女性ホルモンは繊細で疲労・ストレス・睡眠不足・ダイエットによる栄養不足・加齢などの影響ですぐにバランスを崩してしまいます。

  • 肌荒れ、むくみ、髪のパサつき
  • イライラや気分の落ち込み
  • 更年期障害
  • 骨粗しょう症や子宮がんなどの病気

などが起こりやすくなります。

女性ホルモンバランスを整えるためにできること

女性ホルモンのバランスを整えるためには健康的な生活習慣を送ることが1番の方法です。

十分な睡眠をとり、バランスの取れた食事をする、適度な運動をして、ストレスを発散できれば体も整ってきます。

女性ホルモンに有効な栄養素

大豆イソフラボン女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをします。
エクオール大豆イソフラボンが腸内で代謝されてできる腸内細菌で、エストロゲン様作用を高めます。
亜鉛亜鉛が不足すると、女性ホルモンの分泌量が減少し、生理不順を引き起こす要因になります。ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がります。
ビタミンビタミンEは強い抗酸化作用をもちその他血行促進の効果も、ビタミンBは疲労の回復、肌荒れの予防、イライラなどを鎮めて情緒を安定させる効果があります。

漢方

以下の漢方は血の巡りを良くして生理不順や生理痛に効くものです。

  • 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
  • 加味逍遥散(カミショウヨウサン)
  • 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

妊娠しやすい体質② 血行が良い

2つめの条件は血行です。

「冷え」に悩む女性は多いですが、血液循環が悪くなると卵巣や子宮に栄養が行き渡らず女性ホルモンの分泌が悪くなります。

その影響で生理不順や子宮内膜症など不妊につながる症状や病気の原因になる可能性があります。

妊娠しやすい体質になるためには血行を良くするようにしていきましょう。

血行不良=「冷え」を改善する方法

「冷え」に悩んでいる方は改善するためにできることがあります。

まずは首・手首・足首のいわゆる3つの首を冷やさないこと。

その他、下腹部や腰をカイロや腹巻きなどで温めます。

シャワーだけで済ませずにゆっくり入浴したり足湯も効果的です。血液や臓器が集まっているお腹や末端を流れている血液が心臓に帰っていく部分(手首や足首)を外から温めることで効率よく血行を良くしましょう。

また冷えを改善するツボを気がついたときに押す習慣をつけるのも良いです。

山陰交(さんいんこう)内くるぶしから指4本分上に上がった場所にあるツボです。女性ホルモンバランスを整える作用もあります。
足三里(あしさんり)膝のお皿の外側のくぼみから指4本分下に下がった場所にあるツボです。生理不順や生理痛の緩和にも効果があります。
血海(けっかい)ひざの皿の内側から指3本分あがった場所にあるツボです。生理痛の緩和にも効果があります。
湧泉(ゆうせん)足裏の真ん中、指をぎゅっと曲げた時にできるくぼみの場所にあるツボです。生理不順や生理痛の緩和にも効果があります。

最後に体を温める食べ物や飲み物を取りましょう。

にんじん・かぶ・れんこん・芋などの根菜類をはじめ、生姜・ニンニク・玉ねぎ・長ネギなど、果物ではリンゴ・ブドウ・桃などが体を温めるといわれています。また、納豆・味噌・ヨーグルトなどの発酵食品も酵素の働きで体を温めます。

飲み物では、発酵茶の紅茶・ウーロン茶・ほうじ茶、ポリフェノールを含むココアなどは、体を中から温めます。また、起床時に白湯を飲んで内臓の温度を上げ消化吸収を活性化させることも知られています。

妊娠しやすい体質③ 卵子年齢が若い

条件の3つめは卵子の年齢です。

女性の卵子は元となる細胞が胎児の時につくられるため、体の年齢と共に歳をとり、歳を重ねるごとにその数の減少や質の低下が起こります。

質の低下とは卵子が受精しても正常な受精卵になれなくなることで、妊娠確率が低くなります。

一般的に、女性の妊娠適齢期は20〜30代前半で、40代前半頃までが妊娠可能年齢の目安です。

妊娠を望む健康な夫婦が1ヶ月の間に自然に妊娠をする確率は25~30歳で25~30%、35歳で18%、45歳で1%(※)と言われます。

(※1)1周期当たりの自然妊娠の確率

  • 25歳:25%~30%
  • 30歳:25%~30%
  • 35歳:18%
  • 40歳:5%
  • 45歳:1%

婦人科ラボ「実は思っているほど高くない「自然に妊娠できる確率」」よりデータ引用

卵子年齢を若く保つためにできること

では卵子の年齢を若く保つためにできることはあるでしょうか。

1つは先述の女性ホルモンのバランスを整えることです。

バランスを良くすることである程度卵子の状態を良く保つことはできますが、やはり老化を止めることはできません。

そこで今は仕事などの理由で妊娠するのが難しい、または未婚であるけれどもいつかは赤ちゃんを迎えたいと思っている方などは卵子を凍結保存する選択肢を考えてみても良いかもしれません。

卵子凍結保存とは?

卵子の凍結保存とは、若く妊娠する能力の高い卵子をその時の状態のまま凍結保存しておけるものです。もともと卵子凍結は抗がん剤や放射線治療を行う女性が将来妊娠できるように治療前に卵子を残すためのものとして行われてきました。

取り出した卵子はマイナス196℃の液体窒素で半永久的に保管することが可能です。凍結した卵子は将来、解凍して体外受精に使用できます。

このような凍結融解した卵子から産まれた子どもに染色体異常、先天異常、発育障害のリスクが増大することはないという見解があり、現在では健康な未婚の女性が将来の妊娠に備えて保管できるようになりました。

凍結した当時の自分自身の若い卵子で体外受精ができるため、将来不妊治療をする際に成功率アップが期待できます。

https://gracebank.jp/guide/#p_guide03

卵子が若ければ40代の体外受精による出産率は20代と大きく変わりません。(米CDC、2013)

卵子凍結保存ができる年齢は、凍結するのは40歳未満・凍結卵子の使用は45~50歳未満までが目安です。

卵子凍結を行っている「Grace Bank」は確かな実績を持った経験豊富な有名不妊治療クリニックと提携しています。

また従来の不妊クリニックのような小型の液体窒素タンクによる保管とは異なり、臍帯血バンクのステムセル研究所と提携し、今まで23年間無事故を誇る、同社の専用大型タンクで一括管理をしています。保管施設は地震や津波に強いエリアに設置され、停電対策も万全、安心のシステムで大切な卵子を保管します。

もし卵子凍結についてご興味がありましたら是非「Grace Bank」のホームページをご覧ください。

まとめ

このように、妊娠しやすい体質になる為の条件として挙げられるのが①女性ホルモンバランス、②血行、③卵子の年齢でした。

ホルモンバランスのためには健康的な生活習慣を手に入れること、血行促進のためには体を温めることを習慣づけるようにしましょう。

毎日少しずつの努力を重ねることで変化が起き、妊娠しやすい体質になることができるでしょう。

その一方で年齢を重ねるごとに妊娠確率が下がってしまうことは習慣を変えることだけではなかなか難しいのも事実です。

2022年の初産年齢は平均約30.9歳で、35歳を超えての妊娠出産はいまや珍しいことではありません(令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)/厚生労働省)が、一般的には35歳ぐらいから卵子の老化が始まり、妊娠確率の低下・妊娠後の流産・子どもの染色体異常・分娩時の異常といったリスクが急激に高まることは事実としてあります。

今妊娠を望んでいる人も、いつか子供が欲しいと思っている人も、将来の妊娠出産の計画は早めに話し合い、準備をしておくのがおすすめです。

若いうちに妊娠しやすい卵子を凍結保存しておくことも、現代女性の新たなライフスタイルの選択肢として注目されています。

管理栄養士紹介:小林 れい子(こばやし れいこ)
管理栄養士
長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。その後は、調理専門学校で講義を行う。長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。
管理栄養士紹介 小林 れい子(こばやし れいこ) 管理栄養士 長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。 その後は、調理専門学校で講義を行う。 長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。

監修者

名倉 優子 なぐら ゆうこ

杉山産婦人科 日本産科婦人科学会専門医


杉山産婦人科 (東京都新宿区)

70年あまりの歴史を持ち、過去10000人以上の患者様と向き合ってきた生殖医療専門クリニックのトップ施設。
不妊検診センター、内視鏡手術、体外受精など生殖医療に特化。
新宿駅至近の好立地で、19時まで診療しており、仕事と生殖医療の両立をサポート。

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