昔から妊娠確率を下げる原因のひとつと言われているのが「冷え性」です。なぜ冷え性だと妊娠確率が低くなるのでしょうか?今回は3つの冷え性のタイプがわかるチェックリストと妊娠しやすい体をつくる冷え性改善の6つの方法をご紹介いたします。
目次
冷え性だとなぜ妊娠確率が低くなる?
冷え性とは、血行不良が原因で起きてしまう症状のことです。冷え性になると様々な不調が現れやすくなります。血行不良が起こると、卵巣・子宮にも栄養素が行き渡らず、女性ホルモンの分泌が悪くなります。そのため、生理不順や子宮内膜症など、不妊につながる症状や病気の原因になることがあります。
あなたはどの冷え性タイプ?チェックリスト
冷え性には様々なタイプがあります。ここでは特に多い末端冷え性タイプ、内蔵冷え性タイプ、下半身冷え性タイプの3つのタイプをチェックリストとともにご紹介いたします。
末端冷え性タイプ
【チェックリスト】
- 手足が冷える
- あまり汗をかかない
- 少食
- 肌荒れを起こしやすい
- 生理不順
末端冷え性タイプは手足の血管収縮が原因の冷え性です。ストレスなどで常に緊張気味の人や10~20代の若い女性に多いタイプです。末端冷え性タイプの場合、生理不順と冷えが進行すると妊娠確率低下の原因となります。
内蔵冷え性タイプ
【チェックリスト】
- お腹や腰が冷える
- 胃腸が弱い
- むくみやすい
- トイレ(尿)が近い
- 筋肉が少ない
内臓冷え性タイプは、手足は冷えないため自覚がないことも多い隠れ冷え性です。末端冷え性タイプよりも冷え性レベルは高く、内臓機能の低下にもつながるため妊娠確率低下の原因となります。
下半身冷え性タイプ
【チェックリスト】
- お尻、太もも、ふくらはぎなど下半身が冷える
- 顔やわきなど、上半身に汗をかきやすい
- 顔のほてり、のぼせを感じやすい
- 便秘がち
- 運動不足
- イライラしやすい
下半身冷え性タイプは下半身の筋肉のコリや筋力低下が原因の冷え症です。デスクワークが多い人や40~50代女性に多いタイプです。末端冷え性タイプや下半身冷え性タイプよりさらに冷え性レベルは高く、更年期障害や妊娠確率低下の原因となります。
妊娠しやすい体をつくる冷え性改善6つの方法
体をあたためる食べ物をとる
大根、人参、ごぼうなど根菜類は体をあたためる効果があります。生姜、ニンニク、とうがらしなどの香辛料も体をあたためてくれます。これらをとると体が内側から温まり、冷え性の改善につながります。すべての冷え性タイプにおすすめです。
軽い運動を習慣にする
ウォーキング、ジョギング、水泳など全身の血行をよくする有酸素運動は冷え改善に効果的です。運動する時間がない場合は、1駅分歩いたり階段の上り下りを積極的にしたりするだけでも良いでしょう。すべての冷え性タイプにおすすめです。
冷え性改善に効く漢方薬をのむ
血や気の巡りをよくして、女性ホルモンのバランスを整える漢方薬があります。これらの漢方薬は冷え性、生理不順、更年期障害などの症状を緩和します。すべての冷え性タイプにおすすめです。
「当帰芍薬散(トウキシャクヤクトウ)」:血の巡りをよくして冷えを改善します。生理不順や生理痛の緩和に効果があります。
「加味逍遥散(カミショウヨウサン)」:血の巡りをよくして、イライラなどの精神症状を緩和します。更年期障害やストレスによる心身症状に効果があります。
「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」:血の巡りをよくして、のぼせ・頭痛・肩こり・ニキビや皮膚炎などを緩和します。生理不順、生理痛、更年期障害、肌トラブルに効果があります。
首・手首・足首をあたためる
首・手首・足首の3つの首は太い動脈が通っているため、冷やすと血液が冷えて全身が冷える原因となります。冬はマフラー、手袋、レッグウォーマーなどで防寒しましょう。夏もなるべく素足は避けて、クーラーの効いた室内では靴下を履くのがおすすめです。特に末端冷え性タイプにおすすめです。
下腹部・腰をあたためる
下腹部や腰が冷えると全身が冷え、疲れ、だるさ、生理不順、生理痛などの原因になります。冬は腹巻きやカイロなどであたためると良いでしょう。夏でも半身浴や足湯で下半身の血行をよくすると冷えが改善されます。特に内蔵冷え性タイプと下半身冷え性タイプにおすすめです。
リラックスできる時間をつくる
ストレスや緊張で交感神経が優位な状態が続くと、毛細血管が収縮して冷えの原因になります。自律神経のバランスは、体温調節にも重要です。十分な休養、睡眠、リラックスで自律神経のバランスを整えると冷え性改善につながります。特に末端冷え性タイプにおすすめです。
まとめ
冷えは万病のもとです。自分の冷え性タイプを理解して、体を内側、外側から温めて冷え性を改善し、妊娠しやすい体をつくりましょう。
もちろん、冷え性だけが妊娠確率を下げる原因ではありません。妊孕性(にんようせい:妊娠できる力のこと)の低下は、卵子の年齢によるところが大きいと言われています。卵子も歳をとり、数が減ります。若く妊娠力の高いうちに卵子を凍結保存できることをご存じですか?卵子凍結は将来の不妊治療に役立つ可能性があります。
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冷え性を改善して妊娠しやすい身体のベースを整えながら、将来に備えて、若い卵子を凍結保存しておくのはいかがでしょうか。
▼この記事の監修は…
医師紹介:岡田 有香(おかだ ゆか) 産婦人科学会専門医、グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長 順天堂大学医学部卒/聖路加国際病院8年勤務 現在まで産科、婦人科全ての領域に携わる。不妊治療を行う中で、不妊予防に興味を持ち、自身のInstagram(@dr.yuka_okada)でも生理痛や不妊、妊活の知識を発信している。
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▼参考文献
- 「赤ちゃんがほしいご夫婦のための不妊治療バイブル 不妊治療から妊娠、出産まで」 不妊治療情報センター