ご妊娠を考えていらっしゃる方には、より健康な状態で赤ちゃんを授かれるよう食生活についてお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。今回は卵子にいい栄養素や食べ物をご紹介します。
目次
卵子について
女性は生まれるときに約200万個の卵母細胞を(卵子の元となる細胞)持っています。その後、初潮を迎えるころまでには、約30万個になっています。それ以後、月経毎に約1,000個後ずつ減り続け、38才で3万個、45才で1万個になり、閉経のころには約1,000個になります。卵母細胞は、年齢を重ねるごとに、髪質や皮膚などと同様に老化し、35才を過ぎると、老化するスピードが加速し、毎月排出される卵子の質も低下します。
卵子と食生活・栄養について
私たちの体は、食べたものによって作られていきます。例えば、髪の毛や皮膚が栄養状態によって変わることを実感しますが、体の内部も栄養状態によって影響を受けています。妊娠と直接かかわる「卵子」ももちろん食生活の影響を受けます。卵子の質が低下すれば、妊娠しにくくなってしまいます。しかし適切な栄養をとることで、卵子の老化もある程度防ぐことは可能と考えられます。質のよい卵子や老化防止のために…卵子にいい食べ物をご紹介します。
5大栄養素を毎日摂り、健康な体を維持
私たちの健康なからだに必要な5大栄養素は、たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルです。毎日の食事で、5大栄養素をまんべんなく摂るようにして、心も体も健康になりましょう。
そして、適正体重を維持するように気をつけましょう。太りすぎも痩せすぎもホルモンバランスを崩し、生理不順から排卵障害の原因になり得るので、注意が必要です。
5大栄養素をとるためには、一汁二菜の食事をお勧めします。主食(ごはん・パン・麺など)、汁(味噌汁・すまし汁・スープなど)、主菜(肉・魚・卵・豆腐など)、副菜(野菜・海藻・芋など)をそろえます。そこに乳製品と果物を加えると栄養バランスが整います。
4つの食器に盛り付けなくても、主食・主菜・副菜に当てはめて不足のものがないかチェックします。外食や市販品を取り入れるときも、同様に考えるようにしましょう。
朝・昼・夕食の3食を摂ることは重要です。欠食すると足りないものが出てしまい、栄養のバランスが崩れてしまいます。
とはいえ、料理が負担になり継続できなくなっては困ります。時には市販の物も利用して、無理のないようにしましょう。質の良い元気な卵子を育てるために、食事を大切にし、美味しくて楽しい食卓にしましょう。
卵子によい食べ物をご紹介します!
抗酸化作用のある食べ物
- ブロッコリー・青菜・ピーマンなどの緑黄色野菜
- ピーナッツ・アーモンドなどのナッツ類
- キウイフルーツ・イチゴ・ブルーベリーなどの果実類
- わかめ・こんぶ・ひじきなどの海藻類
- 緑茶・紅茶・ココアなどの飲み物
- 牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品
抗酸化作用のある食べ物は、細胞の酸化を防ぎ、アンチエイジング効果があるとして知られています。また抗酸化作用のある食べ物は、卵子・精子の老化を防ぐとともに、卵子・精子の質(受精して妊娠に至るための機能)を向上させる効果が期待できるといわれています。
女性ホルモンを整える食べ物
- 豆腐・納豆・豆乳などの大豆製品
- マグロ・サンマ・サバなどの赤身魚類
- 牛赤身・豚赤身・鶏ももなどの肉類
- シジミ・赤貝・カキなどの貝類
大豆製品に含まれる、大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た作用があり、生理周期の調節など、重要な働きをします。また、良質なたんぱく質を含み、ビタミンE・葉酸・カルシウム・鉄・亜鉛など、たくさんのビタミンやミネラルの供給源でもあります。
「卵子の老化」を止める方法はある?
バランスの取れた食事を意識し、卵子にも良い食品や栄養素についてご紹介しましたが、実践していただけたら大変幸いです。
さて、この様な方法以外で、卵子の老化を止める方法があるというと驚かれるかもしれません。ここからは今注目の「卵子凍結」についてご紹介させていただきます。「卵子凍結」は若く妊娠する能力の高い卵子を、凍結保存しておくことができます。
加齢にともなって妊娠確率が下がるリスクを避けるため、今から準備しておけるのが「卵子凍結」です。若く妊娠力の高い卵子を凍結保存するので、将来の不妊治療の際に役立つ可能性もあります。「卵子凍結」は、忙しい現代女性の将来のライフプランの選択肢としても、大変注目を集めています。
Grace Bankでは、卵子凍結をお考えの皆様に、より安心した選択肢となるように、有名不妊治療クリニックと連携、また安心の保管システム等を整えております。ご興味がある方がいらっしゃいましたら、Grace Bankホームページをご覧くださいませ。
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- グレイスバンクYouTube動画:https://youtu.be/PnoX5_N6JmI
まとめ
人間の体は、約60兆個の細胞から作られています。冒頭にも触れましたが、からだは食べる物から作られるので、食生活を大事にすることは、膨大な数の細胞を大切にすることとイコールになります。また、ご自分だけではなく、ご家族様・パートナー様などみなさまの健康を大切にすることにもつながります。
このように考えると、今日のご飯から早速、より一層、食生活を大切にしたい気持ちになりますね。
とはいえ、過度に食生活を改善しようと思うとストレスになりますので、缶詰や市販の惣菜を利用したり、味噌汁やスープを具だくさんにしたり、鍋物にしたり、負担にならない食事準備を工夫してみてはいかがでしょうか。食生活改善を、無理せず気軽にスタートさせてください。
管理栄養士紹介:小林 れい子(こばやし れいこ) 管理栄養士 長野県生まれ、東京農業大学栄養科卒業。保健所の生活改善推進員として、講義と調理講習を行う。この活動が認められ農林水産大臣賞を受ける。その後墨田区公立保育所に勤務、平行して職場内研修の講師を務める。その後は、調理専門学校で講義を行う。長年の保育所での実体験に基づいた乳幼児期の食育活動をライフワークとしている。 |
▼参考文献
- 「赤ちゃんがほしい人のための栄養レシピ」 定 真理子著 池田書店
名倉 優子 なぐら ゆうこ
日本産科婦人科学会専門医
グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)
杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
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