卵子の質を少しでも良くしたい
採卵に向けて、できる準備はすべてやりたい
卵子凍結や不妊治療を検討する中で、こうした思いを抱く方は少なくありません。ホルモン剤などの西洋医学的なアプローチは即効性がありますが、その効果を最大限に引き出すための「土台」を作るのが、東洋医学(漢方)の役割です。
今回は、古くから女性の悩みに寄り添ってきた「漢方」が、卵子の質や卵巣機能にどう働きかけるのか、医学的な視点を交えて解説します。
目次
東洋医学で考える「卵子」と「漢方」の関係
西洋医学では、卵子は「細胞」として捉えられますが、東洋医学では「腎(じん)」と「血(けつ)」の結晶として考えます。
- 腎(生命エネルギー): 卵子の「若さ」や「発育力」を司る。
- 血(栄養と潤い): 卵子に栄養を運び、ホルモンを届けるルート。
漢方治療の目的は、直接的に卵子の数を増やすことではありません。
「卵巣という工場の血流環境を整え、質の良い製品(卵子)が出荷されやすい状態にする」こと。これが、漢方が得意とする「体質改善」のアプローチです。
あなたに必要なのは?妊活・採卵でよく使われる「3大漢方薬」
一口に「妊活に良い漢方」と言っても、体質によって選ぶべき薬は全く異なります。ここでは、婦人科や不妊治療クリニックでも頻繁に処方される代表的な3つの漢方薬をご紹介します。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

こんな人におすすめ:
- 冷え性で貧血気味
- 疲れやすく、めまいがする
- 色白で華奢なタイプ
卵子への働きかけ:「血」を補い、余分な水分を排出します。卵巣への血流をサポートし、栄養不足による発育不良を防ぎます。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

こんな人におすすめ:
- 肩こりや頭痛がある
- 生理痛が重い、経血に塊が混じる
- 足は冷えるが顔はのぼせるタイプ
卵子への働きかけ:滞った血流(お血)を改善する「駆お血剤(くおけつざい)」の代表格。卵巣や子宮周りの微小な血管の詰まりを取り除き、ホルモン剤が届きやすい環境を作ります。
八味地黄丸(はちみじおうがん)

こんな人におすすめ:
- 腰痛や頻尿がある
- 手足が冷える
- 35歳以上で卵巣機能の低下(AMH低下)が気になる
卵子への働きかけ:加齢とともに衰える「腎」のエネルギーを補う「補腎剤(ほじんざい)」です。卵巣のアンチエイジングを目的として処方されることが多く、卵子の質の低下が気になる世代の強い味方です。
漢方を始めるベストなタイミングは?
採卵の直前から飲み始めても意味がありますか?
A:漢方は即効性のある薬ではありません。体質が変わる細胞のサイクルを考えると、採卵や妊活を予定している「3ヶ月〜半年前」から飲み始めるのが理想的です。



市販の漢方でも大丈夫ですか?
A:手軽に試せますが、ご自身の体質(証)に合っていないと効果が出ないばかりか、胃腸を壊すこともあります。また、不妊治療中の薬との飲み合わせも考慮する必要があるため、できれば漢方に詳しい産婦人科医や薬剤師に相談して処方してもらうことを強くおすすめします。
漢方×卵子凍結=「時間を味方につける」戦略
卵子凍結は、将来の妊娠のために卵子の時間を止める技術です。一方、漢方は、その卵子を育む今のあなたの体を整える技術です。
「採卵に向けて、毎日コツコツ漢方を飲む」
その行為自体が、自分の体と向き合い、大切にする時間になります。また、漢方で血流が良くなることは、採卵時の排卵誘発剤の反応を良くしたり、将来妊娠した際のマイナートラブル(むくみや冷え)を予防したりすることにも繋がります。
漢方は魔法の薬ではありませんが、西洋医学の治療を底上げしてくれる心強いパートナーです。
- 西洋医学: 最先端の技術で卵子を確実に採取・凍結する。
- 東洋医学(漢方): 体全体のバランスを整え、質の良い卵子が育つ土壌を作る。
この両輪をうまく回すことで、納得のいく「卵子凍結」、そしてその先の「妊娠・出産」を目指しましょう。
卵子凍結について興味がある方・実際に検討されている方は、ぜひGrace Bankの無料セミナー等もご活用ください。より詳しく卵子凍結の相談・検討をしたい場合は無料の個別相談がおすすめです。Grace Bank所属スタッフが、グレイスバンクのサービス内容・ご利用の流れ・お手続き・クリニック選び等のご不明な点について個別にお応えします。ぜひご活用ください。


名倉 優子 なぐら ゆうこ
日本産科婦人科学会専門医
グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)
杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!




