卵子凍結について

【専門医監修】子宮筋腫でも妊娠できる?卵子凍結で未来の可能性を広げる方法

子宮筋腫を抱えながら妊娠を望むあなたへ。この記事では、子宮筋腫があっても妊娠が十分に可能であること、そして卵子凍結があなたの未来の選択肢を大きく広げる有効な手段であることを、具体的な情報と専門医の知見に基づいて解説します。子宮筋腫の種類が妊娠にどう影響するか、妊娠を希望する場合の治療選択肢、さらには卵子凍結の具体的なプロセス、費用、メリット・デメリットまで、あなたの不安を解消し、希望ある妊娠への道筋を見つけるための確かな情報が得られます。子宮筋腫と向き合いながら、後悔のない妊活を進めるための一歩として、ぜひご一読ください。

子宮筋腫があっても妊娠できる可能性

子宮筋腫と診断された場合、多くの女性が「自分は妊娠できるのだろうか」という不安を抱くことでしょう。しかし、子宮筋腫があっても妊娠・出産を経験する女性は少なくありません。子宮筋腫が妊娠に与える影響は、その種類、大きさ、位置、数によって大きく異なります。

重要なのは、自身の筋腫の状態を正確に把握し、適切な情報と専門医のサポートを得ることです。子宮筋腫と診断されたからといって、すぐに妊娠を諦める必要はありません。適切な治療や管理によって、妊娠の可能性を十分に追求することができます

子宮筋腫の種類と妊娠への影響

子宮筋腫は発生する場所によって主に3つのタイプに分類され、それぞれ妊娠への影響が異なります。自身の筋腫がどのタイプに属するかを知ることは、妊娠計画を立てる上で非常に重要です。

筋腫の種類発生部位特徴と妊娠への影響
漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)子宮の外側(子宮表面を覆う漿膜の下)子宮の外側にできるため、通常は子宮内腔や卵管を圧迫することが少なく、妊娠への直接的な影響は比較的少ないとされています。しかし、非常に大きくなると他の臓器を圧迫したり、まれにねじれたりする(茎捻転)ことがあります。
筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)子宮の筋肉の中(子宮壁の筋層内)最も多く見られるタイプです。筋腫の大きさや数、位置によっては、子宮の収縮を妨げたり、子宮内腔を歪めたりすることで、着床障害、流産、早産の原因となる可能性があります。特に、子宮内膜に近い位置にある場合や、巨大な筋腫が多数ある場合には影響が大きくなります。
粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)子宮の内側(子宮内腔に突出)子宮内腔に突出してできるため、妊娠への影響が最も大きいとされています。受精卵の着床を妨げたり、着床しても胎盤の形成を阻害したりすることで、不妊症や流産の原因となることがよくあります。また、不正出血や過多月経の原因にもなります。

これらの主要な分類に加え、筋腫の大きさ、数、成長速度、そして女性の年齢なども、妊娠への影響を判断する上で重要な要素となります。個々のケースで影響は異なるため、専門医による正確な診断と評価が不可欠です。

妊娠を希望する場合の治療選択肢

子宮筋腫がありながら妊娠を希望する場合、筋腫の種類、大きさ、症状、そして女性の年齢や妊娠希望の度合いなどを総合的に考慮し、最適な治療選択肢を検討することが重要です。治療の目的は、筋腫による症状を緩和し、妊娠しやすい子宮環境を整えることにあります。

経過観察

筋腫が小さく、無症状である場合、または妊娠への影響が少ないと判断される漿膜下筋腫などの場合は、定期的な検査による経過観察が選択されることがあります。この場合、筋腫の成長や症状の変化を注意深く見守りながら、自然妊娠を目指すことが可能です。

薬物療法

薬物療法は、筋腫の症状(過多月経、貧血など)を一時的に緩和したり、手術までの期間に筋腫を小さくしたりするために用いられます。主な薬剤には、GnRHアゴニスト/アンタゴニスト製剤や低用量ピルなどがありますが、これらは妊娠を希望する期間中は使用できない、または使用を中断する必要があるものがほとんどです。妊娠を目指す上では、薬物療法単独で筋腫を根本的に治療し、妊娠率を上げることは難しいとされています。

手術療法

妊娠を強く希望する女性にとって、子宮筋腫核出術は非常に重要な治療選択肢です。これは、子宮を温存したまま筋腫のみを取り除く手術であり、術後に妊娠の可能性が期待できます。手術方法は、筋腫の位置や大きさによって、開腹手術、腹腔鏡手術、子宮鏡手術が選択されます。

  • 子宮筋腫核出術:妊娠を希望する場合に最も検討される手術です。子宮を温存するため、術後の妊娠・出産が可能です。しかし、手術によって子宮に傷が残るため、術後の妊娠では帝王切開が推奨されることが多いです。また、筋腫が再発する可能性もあります。
  • 子宮全摘術:子宮全体を摘出する手術です。筋腫の根本的な治療となりますが、子宮がなくなるため、妊娠を希望する女性には選択されません

その他の治療

子宮動脈塞栓術(UAE)や集束超音波治療(FUS)といった治療法もありますが、これらは妊娠を希望する女性に対しては、その後の妊娠への影響についてまだ不明確な点が多く、慎重な検討が必要です。特にUAEは、卵巣機能への影響や子宮内膜への血流低下が指摘されており、妊娠希望者への適用は限定的です。FUSも、子宮の修復能力や妊娠時の子宮破裂リスクなど、長期的な安全性についてはさらなる研究が求められています。

自身の筋腫の状態と妊娠への希望を専門医と十分に話し合い、それぞれの治療法のメリット・デメリット、リスク、そして妊娠への影響を理解した上で、最適な治療計画を立てることが、子宮筋腫があっても妊娠を実現するための第一歩となります。

卵子凍結が子宮筋腫のある女性にもたらすメリット

なぜ子宮筋腫と卵子凍結を考えるのか

子宮筋腫は、その大きさや発生部位によっては、妊娠しにくくなったり、流産や早産のリスクを高めたりする可能性があります。特に、筋腫が子宮内腔に変形をもたらす粘膜下筋腫や、子宮の出口に近い筋層内筋腫は、受精卵の着床を妨げたり、妊娠後の子宮収縮に影響を与えたりすることが知られています。

もし子宮筋腫の治療として筋腫核出術が必要になった場合、手術後の子宮の回復期間が必要となり、その間は妊娠を控えることになります。また、手術によって子宮の壁が薄くなることで、次回の妊娠時に帝王切開が推奨されることもあります。これらの治療期間や回復期間は、女性の年齢が上がるにつれて卵子の質が低下していくという現実と重なり、将来の妊娠への不安を大きくする要因となります。

卵子凍結は、このような状況にある女性にとって、現在の若い卵子を保存し、将来の妊娠の選択肢を確保するための有効な手段です。子宮筋腫の治療に専念できる期間を確保しつつ、年齢による卵子の質の低下という時間的制約から解放されることで、より計画的に妊娠を考えることが可能になります。

卵子凍結のプロセスと費用

卵子凍結は、主に以下のようなプロセスを経て行われます。各ステップで専門医による丁寧な診察と説明が不可欠です。

項目概要費用の目安(自費診療)
事前検査・カウンセリングホルモン検査、超音波検査などを行い、卵巣機能や体の状態を評価します。卵子凍結の適応やリスクについて詳細な説明を受けます。数万円~10万円程度
排卵誘発複数の卵子を成熟させるため、ホルモン注射や内服薬を用いて卵巣を刺激します。通院して卵胞の発育状況を定期的に確認します。10万円~30万円程度
採卵麻酔下で、経腟超音波ガイドを用いて卵巣から成熟した卵子を吸引します。日帰りで行われることがほとんどです。20万円~40万円程度
卵子凍結・保存採取された卵子は、特殊な方法(ガラス化法)で急速凍結され、液体窒素タンク内で長期保存されます。10万円~20万円程度(凍結費用)
年間3万円~5万円程度(保存費用)

上記の費用はあくまで目安であり、医療機関や個人の状況(排卵誘発剤の種類や量、採卵数など)によって大きく変動します。卵子凍結は基本的に自費診療となるため、事前に複数の医療機関で費用について詳しく確認し、納得した上で選択することが重要です。卵子凍結の費用に助成金をだす自治体も増えていますので、お住まいの自治体へ確認することをおすすめします。

卵子凍結のメリットとデメリット

子宮筋腫のある女性が卵子凍結を選択することには、多くのメリットがある一方で、考慮すべきデメリットも存在します。

メリットデメリット
将来の妊娠可能性を温存できる費用が高額である
若い時の質の良い卵子を保存できる採卵に伴う身体的負担やリスクがある(卵巣過剰刺激症候群、出血、感染など)
子宮筋腫の治療に専念できる凍結卵子を用いた体外受精でも必ず妊娠・出産に至るわけではない
精神的な安心感が得られる倫理的な問題や制限(保存期間など)がある
ライフプランの柔軟性が高まる凍結・融解の過程で卵子が損傷する可能性がゼロではない
年齢による卵子の質の低下の影響を軽減できる妊娠に至るまでの時間と労力がかかる

卵子凍結は、子宮筋腫という状況下で妊娠を希望する女性にとって、未来の選択肢を広げる強力な手段となり得ます。しかし、そのプロセスには身体的・経済的な負担が伴い、必ずしも妊娠・出産が保証されるわけではありません。これらのメリットとデメリットを十分に理解し、ご自身の状況や価値観と照らし合わせて慎重に検討することが大切です。

子宮筋腫と向き合い妊娠を実現するためのステップ

専門医への相談の重要性

子宮筋腫がありながら妊娠を希望する場合、まず最も重要なのは子宮筋腫と妊娠、不妊治療に精通した専門医への相談です。一般的な婦人科医だけでなく、不妊治療専門医や生殖医療専門医を訪れることで、より専門的かつ多角的な視点からのアドバイスと治療計画を得ることができます。

初診時には、現在の月経の状態、子宮筋腫の診断時期、症状の有無、過去の治療歴、妊娠希望の有無、年齢、パートナーの有無など、詳細な情報を正確に伝えることが重要です。これにより、医師はあなたの状況に合わせた最適な検査や治療方針を提案しやすくなります。また、子宮筋腫の大きさ、位置、数、そしてそれらが妊娠に与える影響について、具体的な説明を求めるようにしましょう。

もし提案された治療方針に不安を感じる場合や、他の選択肢も検討したい場合は、セカンドオピニオンを活用することも有効です。複数の専門医の意見を聞くことで、より納得のいく治療選択が可能となり、安心して妊活を進めるための基盤を築くことができます。

妊娠に向けた治療計画の立て方

子宮筋腫の診断と専門医との相談を経て、具体的な妊娠に向けた治療計画を立てていきます。この計画は、あなたの年齢、子宮筋腫の状態(大きさ、数、位置)、症状、妊娠希望時期、そして過去の治療歴など、様々な要因に基づいて個別化されたものとなります。医師は、子宮筋腫の治療と妊娠へのアプローチについて、以下の点を考慮しながら提案します。

  • 子宮筋腫の治療方針: 妊娠を妨げる可能性のある筋腫に対して、手術(子宮筋腫核出術など)や薬物療法が必要かどうかを検討します。手術の場合、術後の回復期間や妊娠までの期間も考慮に入れます。
  • 不妊治療の選択: 自然妊娠が難しいと判断された場合、タイミング法、人工授精、体外受精といった不妊治療の選択肢が検討されます。子宮筋腫の種類や位置によっては、体外受精が推奨されることもあります。
  • 卵子凍結の組み込み: 子宮筋腫の治療のために妊娠を遅らせる必要がある場合や、将来の妊娠可能性を広げたい場合には、治療計画に卵子凍結(または受精卵凍結)を組み込むことを検討します。これにより、治療による卵子の質の低下や、年齢による卵子の老化リスクを軽減できます。

治療計画を立てる際には、それぞれの治療法のメリット・デメリット、成功率、費用、そして身体的・精神的な負担について十分に理解することが大切です。疑問点や不安な点はその都度医師に確認し、パートナーともよく話し合いながら、あなたにとって最適な計画を選択しましょう。

子宮筋腫の治療と妊娠計画のタイミング

子宮筋腫の治療を行う場合、その治療が妊娠に与える影響と、治療後の妊娠までの期間を考慮した計画が不可欠です。以下に主な治療法と妊娠計画の関連性を示します。

治療法主な目的妊娠への影響と計画のポイント
子宮筋腫核出術(開腹・腹腔鏡)妊娠を妨げる筋腫の除去、症状の改善子宮の回復期間として、術後半年から1年程度の避妊期間が必要となることが多いです。癒着や子宮破裂のリスクを考慮し、医師と慎重に妊娠開始時期を相談します。手術前に卵子凍結を検討することで、術後の妊活期間の精神的負担を軽減できる可能性があります。
薬物療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニストなど)筋腫の縮小、症状の緩和薬物療法中は妊娠できません。治療終了後、薬の効果が切れ、月経周期が回復してから妊活を開始します。治療期間が長引く場合や、年齢が高い場合は、治療開始前に卵子凍結を検討する選択肢もあります。
子宮動脈塞栓術(UAE)筋腫への血流を遮断し縮小妊娠中の安全性が確立されていないため、妊娠希望者には基本的に推奨されません。実施した場合、妊娠・分娩時のリスクが高まる可能性があります。
集束超音波治療(FUS)超音波で筋腫組織を焼灼治療後の妊娠・分娩への影響について、まだ長期的なデータが十分ではありません。妊娠希望者への適用は慎重に検討されます。

妊娠後の子宮筋腫管理

子宮筋腫のある女性が妊娠した場合、妊娠中も子宮筋腫の管理が重要となります。妊娠すると女性ホルモンの分泌が増加するため、子宮筋腫が大きくなったり、変性を起こして痛みを伴うことがあります。定期的な妊婦健診では、胎児の成長とともに子宮筋腫の状態も注意深く観察されます。

妊娠中の子宮筋腫は、以下のような合併症のリスクを高める可能性があります。

  • 流産や早産のリスク
  • 切迫流産、切迫早産
  • 胎児の発育不全
  • 前置胎盤や常位胎盤早期剥離
  • 胎位異常(逆子など)
  • 分娩時の出血量の増加
  • 帝王切開のリスク上昇

これらのリスクを最小限に抑えるため、妊娠中は専門医による定期的な経過観察と適切な管理が不可欠です。痛みや出血などの異常を感じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

分娩方法についても、子宮筋腫の大きさや位置、妊娠経過によって経膣分娩が可能か、帝王切開が適切かを医師と相談し、慎重に決定します。特に、子宮筋腫核出術の既往がある場合や、巨大な筋腫がある場合は、子宮破裂のリスクを考慮して帝王切開が選択されることがあります。

出産後も、経過観察は続きます。産後の体調回復と子宮筋腫の状態を定期的に確認し、必要に応じて産後も適切なケアを受けるようにしましょう。

子宮筋腫と診断され卵子凍結を選択した女性の体験談

Yさんの体験談|卵子凍結で漠然な不安が解決された

都内在住の30代後半のYさんは、ある日、医師から子宮筋腫と診断されました。

当時、パートナーがいなかったこともあり、「突然そんな病気を告げられて、これからどうすればいいのだとう」と漠然とした不安に包まれました。

そこで、将来の可能性を残すために、Yさんは卵子凍結を決意し、採卵に臨みました。

卵子凍結をしたことで、将来への安心感が得られました。思い立ったが吉日。今、卵子凍結をするか悩んでいる方は、セミナーに参加したり、友人に話を聞いたりしてみるのがいいと思います。

Yさんの体験談からは、「将来への備え」がどれほど心の支えになるかが伝わってきます。

まとめ

子宮筋腫と診断されても、妊娠を諦める必要はありません。子宮筋腫の種類、大きさ、位置によっては妊娠に影響を及ぼすことがありますが、適切な治療や管理を行うことで、多くの方が妊娠を実現しています。

特に、子宮筋腫の治療に時間を要する場合や、将来的な妊娠に備えたいと考える方にとって、卵子凍結は非常に有効な選択肢となります。年齢とともに卵子の質が低下するリスクを考慮すると、卵子を若いうちに保存しておくことで、将来の妊娠の可能性を広げ、精神的な安心感を得ることができます。これは、子宮筋腫の治療と並行して、または治療後の妊娠計画において、ご自身の選択肢を最大限に確保するための賢明な方法と言えるでしょう。

子宮筋腫があっても、妊娠を望む気持ちを大切にし、適切な知識と専門家のサポートを得ることで、未来の可能性を大きく広げることができます。希望を持って前向きに進んでいきましょう。

卵子凍結について興味がある方・実際に検討されている方は、ぜひGrace Bank(グレイスバンク)の無料セミナー等もご活用ください。より詳しく卵子凍結の相談・検討をしたい場合は無料の個別相談がおすすめです。Grace Bank(グレイスバンク)所属スタッフが、グレイスバンクのサービス内容・ご利用の流れ・お手続き・クリニック選び等のご不明な点について個別にお応えします。ぜひご活用ください。

監修者

名倉 優子 なぐら ゆうこ

日本産科婦人科学会専門医


グレイス杉山クリニックSHIBUYA (東京都渋谷区)

杉山産婦人科の医師・培養士による技術を用いた質の高い診療を提供。
将来の妊娠に備えたプレコンセプションケアと卵子凍結にフォーカスした診療。
スタッフは全員女性。明瞭な料金設定も人気!

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