Grace Care

アロリエ クリニック 市川りえ院長|「予防」と「栄養」で身体の内・外から女性の健康と美を叶える

JR五反田駅東口から徒歩1分。サロンのような明るくリラックスできる雰囲気が漂う「アロリエ クリニック」。市川りえ院長は、予防医学や栄養療法の視点を生かして、出来るだけ薬に頼らずに、身体の内側と外側から女性の健康をサポートしています。

通常の婦人科診療だけではなく、妊娠前のカラダ作りやフェミニンケアにも、おすすめのサービスが充実。ハワイやアロマが好きという市川院長のこだわりが詰まったクリニックについて、お話を伺いました。

クリニック受付

患者さんに寄り添うなかで、めばえた「問い」

――どのような経緯・思いで産婦人科医の医師になられたのでしょうか?

理系ではあったのですが、高校ぐらいまでは特に進路は決まっていませんでした。ただ、母方が薬剤師の家系だったので、最初は「手に職を」という母の教えで薬剤師になろうかなと思っていました。それから成績が頑張ったら医学部にいけるんじゃないかというくらいになってきたのです。そこで、実は父が医者をめざしていた時期があったけれど、家庭の事情で断念したという話などを聞いて、わたしは行けるなら医学部に行ってみようと思うようになりました。

その後、なぜ産婦人科を選んだかというと、やっぱり病院の中で唯一「おめでとう」と言える科でしたし、笑顔で帰っていける患者さんを見て、わたしも心がハッピーになる体験をしました。医学部で進路を決める際には外科とも迷ったのですが、婦人科でも手術はしますし、女性に寄り添えて自分にも関係する分野ということで、産婦人科を選びました。

――産婦人科医になられてから、印象に残っていることはありますか?

大学病院での研修医時代は、2年間がんの専門医の先生に付いていました。担当の患者さんは全員がんの方で、末期のがんの人も多かったです。研修医は一番下っ端なので、毎日病棟に行ったり点滴したりと、患者さんと接する機会が長かったこともあり、今でも鮮明にいろいろ覚えています。特に末期の場合、もう抗がん剤も効くわけではなく、ただただ苦しいだけということもあります。そうした中で、医師として何もしてあげられない無力さも感じました。

この話をすると必ず泣いてしまうのですが、医学的には厳しい状態でも、毎日病室に顔を出すことで患者さんがすごく喜んでくれました。看取るときに手を握ると、「先生に会えてよかった」と言ってくれて、亡くなる方もいました。無力でも寄り添うって大事だなぁと強く実感しました。

一方で、「なぜ人はがんになってしまうのだろう」という思いもありました。大学病院には8年いましたが、毎日死に向き合う中で疲れてしまい、退職して1年間旅に出たこともあります。今でも毎日仏壇で手を合わせながら、亡くなられた患者さんに話かけます。過去のがん患者さんとの経験から、少しでもがんをなくすために、このクリニックを開業した面もありますね。

大学病院からクリニックに移って20年ほど経ちましたが、世代を超えて患者さんのかかりつけ医になれる産婦人科は、いいなぁと思います。不妊治療で通ってくださった方の赤ちゃんを取り上げ、その後もその方がずっとわたしの元へ通って、お子さんやお孫さんの相談までされるということもあります。また、予防医学を始めてからは、薬を何種類も飲んでも良くならなかった患者さんが、わたしがアドバイスした食事に変えてから「全然薬がいらなくなりました」と言ってくれたときは、とても嬉しかったです。

市川院長

予防医学・栄養療法との出会い

――その予防医学に関心をもつきっかけは何だったのでしょうか?

実は、わたしも10年くらい前までは、予防医学のことはあまり考えていませんでした。それから少し予防医学を学び始めたときに、内山葉子先生(現・葉子クリニック院長)という内科の先生と、奥平智之先生(現・医療法人山口病院 副院長)という精神科の先生のご著書から大きな影響を受けました。お二人とは考え方が似ていて、ホリスティック(※)にまずは食事から見直すというビジョンに共感しました。

(※)身体だけでなく心や環境なども含め、幅広く全体的なバランスの中でとらえること。

あとは、もう一人、安保徹先生(新潟大学名誉教授、2016年没)も尊敬しています。安保先生は、副交感神経と交感神経のバランスの乱れから病気になるという考え方で、それを聞いてすごく納得しました。要するに、実は不調の根幹はそれほど難しいことばかりではなく、食事や自律神経のバランスから治さない限り、薬でどれほど枝葉のことをやっても問題解決にはならないと思います。

予防医学や栄養療法を学んでからは、ただ薬を出すという治療への疑問が大きくなり、診療にも時間をかけるようになりました。クリニックによっては、時間をかけるとスタッフや他の医師からクレームが入ることもあるため、自分の本当にやりたいことを実現するために開業を決めました。

調和と心地よさを大切にした「ALOHA」なクリニック

――クリニックのこだわりや魅力について、教えてください。

アロリエというクリニックの名前は、「アロ」と「リエ」を組み合わせたものです。ずっと以前からアロマが好きで、大学病院時代にも末期の患者さんにアロマ・マッサージをしていました。ハワイが大好きで、「アロハ(ALOHA)」という言葉もずっと好きでした。

アロハという言葉の中には思いやりや調和、心地よさという意味が込められていて、そういうハワイの空間のような雰囲気とアロマの香りを感じてもらえるクリニックにしたいと思い、アロマとアロハという大好きな言葉に共通する「アロ」と、わたしの名前の「リエ」を組み合わせ、「アロリエ」としました。院内ではハワイアン音楽をかけているので、サロンかカフェのような雰囲気かもしれません。

患者さんと接するうえでは、患者さんと対等な立場から1人1人に向き合うことを意識しています。昔から「りえちゃん」と患者さんに呼ばれていたり、白衣を着ていても薬剤師さんと間違えられたりと、あまり「医師」らしく見えないタイプなのですが、自分が医師にされて嫌な対応はしないようにしています。例えば、診察中にパソコン画面しか見なかったり、患者さんの話を途中で遮ったりということですね。少しでも患者さんの不安を取り除いてあげられるように診察をしています。

通常の産婦人科診療以外で、特に力を入れているのは、プレコンセプションケア(妊娠前のカラダ作り)とフェミニンケアです。

身体の内側から健康に美しく

――プレコンセプションケアについて、詳しくお聞かせいただけますか?

プレコンセプションケアの定義は様々ですが、特にアロリエ クリニックでは、妊娠前のカラダ作りに力を入れています。女性は生理が始まったときから、鉄欠乏の問題を抱えています。それによって様々な不調が起こりますし、不妊にもつながります。運よく妊娠したとしても、妊娠後は胎児にも影響がありますし、産後うつなどにもつながります。女性自身も頑張り屋の方が多いので、鉄不足で疲れやすくてもそれに気づかず、疲れやすいことにも慣れてしまっているのです。

また、わたしたち医師は、医学部では栄養の話はほとんど勉強してきていないのです。そもそも医学部の学生や医師自身がコンビニのパンやお弁当ばかりなどと、食生活が乱れていることも多いですし、わたし自身もかつては気にしていませんでした。

日本では妊娠前のカラダ作りをほとんどしないままに、一定期間妊娠しないとすぐに不妊治療に進んでしまいます。しかし、妊娠前のカラダ作りを取り入れることによって、女性の健康は大きく変わると思っています。その一端として、当院のすべての採血で鉄関連の項目を入れています。ブライダルチェックはもとより、ピルや更年期などどの採血においても、確認するようにしています。

イメージ画像(iStock)

実は採血の項目では、保健診断の基準値と栄養療法的な基準値が全く異なります。保健診断では問題ないとされる値でも、栄養療法的には問題がたくさん見つかるケースも多々あります。検査は、自由診療での費用にはなってしまいますが、グレーゾーンであってもきちんと対処することが大切です。ミネラル不足の方もとても多いので、微量ミネラルを含んだ飲用水を患者さんにもお出ししていますし、スタッフも毎日これを飲んでいます。

不妊や生理痛など何か不調がある場合には、管理栄養士による食事指導を勧めています。当院の管理栄養士さんは分子栄養学を学んでいますので、その指導でかなり症状が良くなる方もいます。ほかにも、助産師による妊娠前のカラダ作りのための指導やアドバイス、鍼灸師によるアロマや鍼灸などのサービスもあります。ほかの専門職と連携しながら産前・産後を問わず、女性をサポートしていくことが大切だと思っています。

日本ではまだ少ない2種類のフェミニンケア――フェムフローと膣ハイフ

――フェミニンケアとはどのようなものでしょうか?

フェミニンケア(デリケートゾーン(膣周り)のケア)は、日本ではまだ知られていませんが、とても大事です。特に更年期の方はマストで、若い方もピルを服用中の方は膣内が乾燥していることが多いですし、そうでない方も生理痛や生理時の違和感がありますよね。それをフェミニンケアで解き放つだけでも、顔つきも変わりますし肌の状態もよくなり、自己肯定感が上がる方が多いです。

フェムフロー
膣ハイフ

「フェムフロー」は、膣内にヒアルロン酸を直接噴霧することで膣内に潤いをもたらす装置です。日本ではまだ2台しかありません。結構若い方もご利用されていて、1回で「体感がよかった」というクチコミもあります。更年期以降では、膣粘膜が潤うことで、なぜかドライアイやのどの渇きなどに改善がみられたというお声もあります。性交痛、膣の乾燥感や違和感、カンジタを繰り返すなどの症状に有効です。

 「膣ハイフ」は、腟内に専用のゼリーを塗ったハンドピースを挿入し、腟壁全周にHIFUエネルギー(超音波)を筋層まで2層に照射するものです。5~15分くらいで施術は終わりますが、1回でも効果があり、その効果は半年ほど持続する場合があります。産後や高齢の方はもちろん、若くても「尿漏れが気になる…」という方はおられますよね。仕事の休憩中にでもサッとできる施術で、「そんなに早く改善されるのなら、もっと早く来ればよかった」という方もいます。

あと、実は膣の粘膜は、そのほかの皮膚に比べて42倍程度、成分を吸収しやすいといわれています。わたしは経皮毒アドバイザーの資格も持っているので、市販の製品だと気になる成分が入っていることも多いです。とはいえ、市販で成分がよいものは何万円と高価なので、オリジナルで手に取りやすい価格のフェムケア・ソープとオイルを作りました。ほかにも院内で使用する洗剤や柔軟剤にも身体に負担をかけないものをと、こだわっています。

アロリエクリニック オリジナル フェムケア・ソープ&オイル

「不調」になる前に自分の身体に向き合うことで人生が変わる

現代の日本では、ほとんどの女性が鉄やミネラルの不足に陥っていて、そのために気づかないうちに不調に悩まされていることも少なくありません。将来の妊娠を考えた場合、単に排卵していればよいわけではなく、栄養素が足りないと着床できなかったり、受精卵が正常に分裂しなかったりということにつながりかねません。卵子の抗酸化という意味でも栄養素はすごく大事です。

明らかな不調でもないのに個人でお金を出して婦人科に行ったり、栄養に気を遣ったりすることには抵抗がある方もおられるかもしれませんが、早めに気をつけることで人生が変わります。「グレイスケア」を通じて、企業がその女性の一歩を後押しすることで、多くの人が救われると思っています。

※この記事は2024年1月のインタビューを元にしています。最新の情報はクリニックHPをご覧ください。

※アロリエ クリニック公式HPはこちら:https://alolie.com/

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