セミナーレポート

グレイス杉山クリニックSHIBUYA岡田院長に聞く!結局、凍結卵子はいつまで使えるの?

もうすぐ昇進できるかもしれないけれど、妊娠したら難しいのかな… 妊娠とキャリア、転職を考えるのはいつが適切なの?子育てと仕事ってそもそもちゃんと両立できるの? このように、キャリアをしっかり築く時期と、妊娠を考える時期が重なることも多く、悩みを抱える女性も少なくないでしょう。 今回は「女性のキャリアと卵子凍結の意義」と題したセミナーのQ&Aです。セミナーでは多くの質問が寄せられましたが、その中から主なものをピックアップし、お伝えします。 質問に答えてくださるのはグレイス杉山クリニックSHIBUYAの岡田有香院長です。
卵子凍結について、年齢的にギリギリですが怖くてなかなか踏み出せずにいます。手術の痛さやリスクについて教えてください。また、うつと不眠症で薬を飲んだりする場合、卵子凍結に影響はありますか。
岡田:不妊治療でも採卵が必要になるので、治療の過程で採卵を毎月する人もいます。採卵できる卵子が5〜6個ほどであれば、局所麻酔もなし、座薬だけで手術するものではあるので、痛みがひどいかというとそうではありません。 ただ本当に痛みが気になるようであれば、希望があれば全身麻酔で処置することもできます。局所麻酔で大丈夫な人が多いということだけお伝えしておきます。 また、薬に関しては何を使っているのかによりますが、一般的なものであれば、卵子凍結に影響なく併用できると思います。またリスクに関しては、注射をして、卵巣の中の卵子を育てるので、お腹が張って食欲がなくなるというケースが10%ほどあります。 医師は、そういうことが起きないように注射のタイミングや投薬の方法を考えていきます。 また他のリスクとして、採卵の時に出血をしたり、感染症が起きる確率がそれぞれ0.1%づつあると言われています。そういったことが起きないように細心の注意をしています。
卵子凍結のクリニックについて、選ぶ際のポイントはどこでしょうか。
岡田:採卵するまで、2週間の間に3〜4回クリニックに通うので、会社や家の近く、つまり通える場所にあるというのは大切です。またクリニックによっては誘発方法が違って、来院回数も違います。 その辺りは、クリニック主催のセミナーに行くとよく特徴がわかるので、実際に出席して判断してもらうのがいいでしょう。 それでもわからないという場合、卵子凍結はどんなものなのかというのを相談するだけでもいいので、クリニックに足を運んでみましょう。一連の流れを聞くというのも、クリニックの雰囲気を見極める一つの方法だと思います。
32歳独身でAMHの値は通常。毎年の婦人科健診も問題なし。BMI値は18、体脂肪率は19%。引っかかる点はないのですが、ここ1年で生理が3日で終わります。問題でしょうか。
岡田:生理が3日で終わるのは正常な範囲ではあるが、前より短くなったというと、おそらくこの数値では気になるのがBMIの値です。 19以上が正常なので、そこからみると少し少なくなります。そういう人は子宮の内膜が厚くなりにくくなるので、そのために出血の量が減ったりします。 子宮の状態をチェックするために、クリニックに来ることをお勧めします。 また、妊活の時にはBMI値を19にするのがいいかなと思います。ご自身の体重が少ないと、赤ちゃんの生活習慣病だったり、低出生体重児といって、小さめで子どもが生まれるリスクになると言われているので、ご自身の体重を増やせたらと思います。
6月末に美容外科でボトックス注射をしましたが、卵子凍結は控えた方がいいですか
岡田:ボトックスは妊娠中、まさにこれから妊娠するという時にはよくないのですが、採卵する際には大丈夫なので、卵子凍結とボトックスは並行してもらって問題ありません。
卵子凍結は具体的にどんな処置をするのでしょうか。棒を入れるということがあると聞きました。
岡田:棒は超音波の器具で、こちらを膣に入れて様子をみます。 その処置がが難しい人もいて、そういう人はお尻から超音波の検査をしたりします。クリニックに通院すると、採血と超音波の検査を毎回します。全体で4回くらいです。 採卵をする時は、膣から超音波を入れないといけないので、お尻から超音波の検査をやってきた人の場合は、点滴の麻酔薬を使って行います。
子宮内膜症は健診でわからないというのですが、どういう検査になるでしょうか。
岡田:生理痛が重くなったり、毎月痛み止めを飲むという場合、子宮内膜症があるという前提で、低容量ピルを飲んで悪くならないようにしていくのが選択肢になります。 内診といって指を入れて診断したり、お腹を押さえて診断するのはわかりにくいのです。子宮内膜症の初期段階はエコーで見ると、卵巣と子宮がくっついている所見が出てきたりします。 そのため、内診だけでなく、超音波の検査をやってもらいたいと思います。卵子凍結を考えている人は、超音波の検査を一緒にしてもらっています。ぜひクリニックにきてみてください。
凍結した卵子は何年くらい凍結し、何歳まで使えるのでしょうか。
岡田:基本的には、50歳のお誕生日が保管の期限になります。 日本の生殖医学会では45歳までに使いましょうという目安があります。妊娠には母体のリスクが伴います。早産になりやすかったり、障害を持って生まれる子どもの可能性もあります。 そのため、45歳までに使いましょうと言われています。
AMHの値は8でしたが、卵子凍結を考える前に検査に行った方がいいでしょうか。
岡田:AMHの値はいいですね。あと8と高い値だということは、排卵しにくい体質がないのかみてもらうといいでしょう。 卵胞が発育するのに時間がかかってなかなか排卵しない疾患、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の一部の人は卵子の質に影響するということが指摘されていて、インスリン抵抗性といって、卵子の質に影響するようなものがないかテストした上で卵子凍結をしています。 卵子の質を良くするような薬を使って採卵するということをしているので、PCOSになっていないかを最初にテストするのがいいと思います。
35歳前に第一子を持ちたいと思っています。AMH値は4以上ですが、卵子の老化が心配です。夫は、子どもができると喧嘩が増える、と不安に思っていて、すごく子どもを欲しいとも思えなくなったと言います。将来、夫の気持ちが変わるかわかりません。どうしたらいいでしょうか。
岡田:私は、今AMH値が4ほどなので、35歳になる前ということ考えると半年くらい様子みてもいいのかなと思います。 その時点でパートナーとまた相談し、そこでなかなか難しいという場合は、妊娠でなくても受精卵にしておくという方法もあります。AMH値が4だと1度に10個ほど採卵できたりします。 30代の半ばであれば、受精卵は胚盤胞で凍結できるので、3個あれば1個につき40%の妊娠率です。ある程度1〜2回の採卵で、1人は妊娠できるかと思うので、受精卵凍結をしておくのはどうでしょうか。
卵子凍結はホルモン注射を打つと聞きましたが、注射をするのでしょうか。
岡田:注射があります。生理が始まって、3日までにクリニックに来てもらい採血とエコー検査をします。その後に飲み薬とホルモンの薬を渡します。 2日に1度、頑張って注射を打っていただきます。人によっては毎日ということもあります。自分で注射を打つなんて、という感じですが、針はとても細くて、打っているかどうかわからないほどだと思います。 どうしても難しい場合は病院で注射もできます。1週間後くらいに卵巣の卵子が育っているかをチェックして、最短で2〜3日後に採卵を決定するという流れになります。
子宮内膜症の手術経験ある33歳です。卵子凍結はできるでしょうか。
岡田:AMHの値によりますが、できないことはありません。手術をした人はAMH値が下がっている人がいるので、その場合10個を凍結するために、何回採卵が必要なのかということで卵子凍結を検討します。 内膜症が再発していないか確認して相談できたらと思います。
卵子凍結する前に、卵子の質を上げることは食事、またはサプリでできるでしょうか。
岡田:質は年齢が大きく影響します。それ以外は、喫煙、BMIが高く、肥満の領域に入っている場合は質に関わると言われています。嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の病気に当てはまり、インスリンの抵抗性がある場合は、飲み薬をわたす形で対処します。 早く対処するほど効果的なので、クリニックに足を運んでもらえたらと思います。
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